解決事例
福祉関係事業を営むA社は、人材不足のため、人材紹介会社B社と契約して人材の紹介を受けていました。B社との契約には、紹介後の人材について、B社に無断で採用活動をしてはならないなどの禁止事項が定められていて、違反時には数百万円の制裁金が生じる内容も含まれていました。
A社はB社に無断で採用活動をする意思はなかったものの、採用人材の管理が不十分だったこともあって、直接応募があった際などに、B社経由で紹介を受けていたことがわからないことがあり、規約違反が生じてしまいました。
この規約違反によりA社はB社から、規約違反1件につき数百万円という巨額の損害賠償請求をされたため、当事務所に相談に来られました。
B社の請求は、B社も弁護士を通じてしっかりと検討されていたものであったため、訴訟も見込まれるものでした。また損害賠償請求の金額も、複数の違反を理由に1200万円という高額なものでした。
この減額を目的に交渉を開始したところ、B社はA社のみではなく、同様の規約違反がある多数の企業に対して同様の請求を行っているとの情報をつかみ、B社の本気度合いや考えている落としどころを推定した上で、B社の請求内容の弱点部分について徹底した反論を行い、強い態度で交渉を継続していきました。
結果的に交渉が功を奏し、B社の請求を約80%減額して和解することに成功しました。
最終的には和解の解決を模索するとしても、訴訟を見据え、B社の請求内容の弱点部分について徹底した反論をしたことで、相手方も訴訟の見通しを再検討した上で、和解を真剣に検討せざるをえませんでした。
契約書に記載のある請求の場合、契約書どおりであることから、交渉の余地がないように感じるものです。しかし、契約書の記載内容や文言の不備や解釈の弱点を指摘して契約に基づく請求ができるのかという部分を争うことができますし、記載内容や文言に弱点はなくとも判例などにより否定される可能性がある弱点を指摘することもできるため、相手方の請求が必ずしも認められるとは限りません。
本件は「法解釈」を徹底的に検討した上で、依頼者さまのために強い姿勢で戦う姿勢が、良い成果をもたらしたと考えております。
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