H1-B/H-4ビザとは

Hビザにはいくつかのカテゴリーがありますが、ここでは、就労ビザとして申請ニーズの高いH-1Bビザ(特殊技能職)およびその同行家族に発給されるH-4ビザについて説明します。

H-1Bビザ(特殊技能職)

H-1BビザとL-1ビザの違いは、H-1Bビザが、在米国の雇用主(以下、「米国雇用主」といいます)が、米国人でない者を米国内で雇用するために発給されるビザであるのに対し、L-1ビザは、米国外の企業が在米国の関連会社等に米国人でない者を転勤させる場合に発給されるビザであることです。

H-1Bビザ受給者の要件

H-1Bビザの発給を受けるためには、「特殊技能職(specialty occupation)」であることが必要ですが、具体的には、以下の3要件のいずれかを満たすこととされています。

  • その技能について州のライセンスが必要である場合にはライセンスを有していること
  • その技能の領域で学士号相当以上の学歴を有すること
  • その技能について学士号と同等以上の経験を有し、かつ、 その技能に関する申請者の地位によって高い技能を有することが客観的に認識できること

3つめの要件の後半は抽象的ですが、移民法規則によると、米国で大学卒業レベルの試験(CLEP、PONSI)に合格した資格を有すること、信用力のある能力認定機関からの証明書を得ていること、米国の同業者組合に加盟していること、などが例示されています。

2020年度より、H-1Bビザの申請手続が大幅に変わりました。

以前までの手続では先着順でH-1Bビザの請願が行われていましたが、2020年よりスタートした新制度においては、スポンサーとなる米国企業はまず、登録期間中にビザ申請をしたい候補者の情報をオンライン上で登録する必要があります。

登録期間終了後に抽選が行われ、当選した候補者のスポンサーがビザの請願を行うことができます。

以前の請願手続と大きく違う点として、以前までは請願書が選ばれなかった場合、支払った費用が返金されていたのに対し、新制度においてはいったん登録手続に$10かかり、その費用は返金されませんが、それ以降の請願費用は抽選で選ばれた人のみが支払う必要があります。

年度発給枠

H-1Bビザには、1年間の発給枠があり、ある年度について許可数が発給枠に達した場合には、その年度のH-1Bビザの発給は終了します。20,000人については、米国で修士以上の学位を得た者の枠があります。

20,000人の修士号取得者枠についてまず抽選が行われ、これに落ちた修士号取得者と学士号取得者について65,000人の一般枠の抽選が行われます。毎年、枠を大きく上回る申請があります。

H-1B ビザの下での制限

  • 日本人の場合には、米国での滞在期間は、延長を含め最長60か月までです。60か月間の判断において、LビザとH-1Bビザによる滞在期間は通算されます(Lビザの項を参照)。
  • 最長期間の60か月間米国に滞在した場合には、その後最低1年間は米国外に居住しなければH-1Bビザを再申請することはできません。
  • H-1Bビザを申請した雇用主の下でしか発給されたH-1Bビザは有効ではありません。

H-4ビザ

H-1Bビザの受給者の配偶者及び21歳未満の未婚の子供にはH-4ビザが発給されます。H-4ビザの下では原則として就労はできませんが、就学はできます。他のビザ(Fビザなど)を家族自身が取得すれば、そのビザの要件に従うことになります。

誰が申請するか

米国雇用主は、H-1Bビザの申請前に、米国労働省(Department of Labor)に対象者の労働許可の申請をします。
この申請では、対象者に内定を与えていること、対象者に対して相場賃金又は近傍類似の職業従事者のいずれか高い方の賃金以上の賃金を払うこと、労働争議が発生していないこと、その他、米国雇用主と対象者との雇用関係について詳細な記載が求められます。

労働許可が下りたら、米国雇用主が移民局(以下、「USCIS」といいます)にH-1Bビザの申請をし、USCISが許可をした場合には、対象者の最寄りの大使館・領事館から対象者に連絡されます。

専門家のサポートの必要性

H-1Bビザについては、近年、より厳格な審査、労働局に許可される賃金水準の上昇など様々な変化が起こっています。そのため、申請にあたっては経験豊富なベリーベストの弁護士のサポートを受けることをお勧めいたします。

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