企業法務コラム

2014年08月01日
  • 知的財産権
  • 弁護士

新商品をどのように知的財産権で保護すべきか?

新商品をどのように知的財産権で保護すべきか?

いよいよ、今年も夏本番を迎え、店頭では、様々な暑さ対策に関する新商品を目にする機会が増えたようにも思います。

そこで、今回は、「このような新商品をどのように知的財産権で保護すべきか?」についてご説明させていただきます。

1、知的財産権の種類

知的財産権には、いろいろな種類の権利がありますが、その中でも代表的なものとして、以下のものがあります。

  • 技術的なアイデアを保護する権利 ⇒ 特許権、実用新案権
  • 製品のデザインを保護する権利  ⇒ 意匠権
  • 商品のブランド名を保護する権利 ⇒ 商標権
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2、知的財産権による保護

  1. (1)事例

    例えば、A社が新商品として、小型の扇風機を開発したとします。
    この扇風機は、ファンの形状を特殊な形に成形することで、少ない回転数で多量の風を送風できるという特徴を有しています。
    そして、A社は、この新型の小型扇風機を「ABC」というブランド名で販売することを計画しています。

  2. (2)知的財産権による保護の仕方

    では、この小型扇風機を、どのように知的財産権で保護していけばよいのでしょうか?

    1. ① アイデアの保護
      この小型扇風機は、少ない回転数で多量の風を送風するために、ファンの形状が特殊な形に成形されているものです。
      そのため、この小型扇風機には、この点において、技術的なアイデアが存在するといえることから、まず、この技術的なアイデアについて、特許権又は実用新案権による保護を受けるべきと考えます。
      特許権又は実用新案権によって保護を受けることができれば、係る技術的アイデアの模倣行為を防止することができます。

    2. ② デザインの保護
      次に、この小型扇風機のファンは、特殊な形に成形されていることから、このファンの具体的なデザインを意匠権として保護することが考えられます。
      意匠権によって保護を受けることができれば、このファンと同一又は類似する形状からなるファンの他者の製造販売等の行為(模倣)を排除することができます。

    3. ③ ブランドの保護
      最後に、A社は、この小型扇風機を「ABC」というブランド名で販売することを計画していることから、商品「扇風機」の商標として、「ABC」を商標権によって保護することが考えられます。
      商標権によって保護を受けることができれば、扇風機又はこれと紛らわしい商品のブランド名に、「ABC」又はこれに類似する商標を使用する他者の行為(模倣)を排除することができます。

    以上のように、知的財産権の保護は、一つの製品に対して、技術面、デザイン面、そしてブランド面といった、あらゆる角度からの保護が可能であり、これらの権利を組み合わせることで、幅広く他者の模倣行為を防止することができるようになります。
    例えば、他者の行為が特許権侵害に該当しない場合であっても、これを意匠権侵害又は商標権侵害として権利行使することができる場合もあります。

    このことからも明らかなように、知的財産権の多面的な保護は、事業戦略において非常に重要なものであることから、皆様におかれましては、是非一度、新しい商品について、知的財産権による保護をご検討されてみてはいかがでしょうか。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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