企業法務コラム

2014年11月04日
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新規事業提携の際に注意するポイント

新規事業提携の際に注意するポイント

今回は新規事業提携についてお話しさせていただきます。

1、新規事業提携とは?

新規事業提携とは、一般的には、新規の事業をするに際し、他社と協業するための合意をすることを指します。
事業提携は、民法・商法・会社法上の概念ではなく、法的には合弁会社(新会社)を設立したり、会社分割や合併等の会社の組織再編行為を伴うもの、単に特定の役務(例えば、開発業務)について合意する態様もあります。
また、その事業形態も、販売促進、人材交流に関わる態様や、資材調達・物流面、技術の開発・供与の提携などさまざまな形があります。

2、事前に秘密保持契約を締結することが不可欠

  1. (1)まずは秘密保持契約の締結を

    新規事業提携は、基本的には新しい事業についての合意ですから、商品・サービスのリリースを急がなければならず、合意を急いでしまい契約面がおろそかになりがちです。
    また、提携に際して論点になり易い会社間の利益・収益の分配方法や人材交流、販売方法、商品開発方法に目が行きがちです。
    しかしながら、新規事業提携は、他社に重要なノウハウを開示することになります。また、新規事業提携をもちかけられた側も、十分で正確な情報が提供されない限り、会社として提携に踏み切れないでしょう。
    そこで、新規事業提携の合意の前に秘密保持契約を結んで、相互に判断に必要な情報・ノウハウを契約でコントロールしつつ十分に開示する必要があります。

    秘密保持契約書では、相互に守秘義務を負わせつつ、提携がとん挫した場合も想定して規定されるのが通常です。法的に大きなチェックポイントとしては、(当方にだけ不利な)片面的な秘密保持条項になっていないかを確認する必要があります。
    以上の通り、新規事業提携に際しては、事前に秘密保持契約を締結することが不可欠といえます。

  2. (2)契約に当たっての注意点

    新規事業提携は、上記の通り、様々な法的な態様がありますから、合併であれば合併契約書、事業譲渡であれば事業譲渡契約書といった法的な態様に沿った合意書・契約書を締結する必要があります。
    また、双方会社にて新会社を設立し、持分を定めて株主になる方法もありますから、そのときは、株主間協定という合意によって、提携をすすめるという形態もあります。
    業務提携のための契約書の中身としては、業務提携の内容、開発等の費用の分担方法、提供し合う情報の内容、成果の報告の方法・時期、製品化された場合の知的財産権、収益の分配方法等について、詳細に合意する必要があります。
    契約に当たって、例えば販売者の販売権について排他性を持たせるかどうかについても明確に合意する必要があります。そのような事例の場合、販売者に排他性を持たせれば、提携の合意を得やすいといえますが、当該製品について自らの販売方法(販路)について制限されることになるため、十分な検討が必要です。
    また、新規事業提携は、もちろん成功を目論んでのことですから、提携が失費した場合まで想定できないのが通常です。
    しかしながら、新規の事業であればなおさら、そもそも製品化に至らず途中でとん挫する場合や製品化できたはいいが在庫の山になってしまった場合も十分想定できます。契約に当たっては、このような後ろ向きの規定も整備しておくべきです。
    例えば、損害保険を付すること、その保険料の分担、生じてしまった場合の損害の分担方法についても規定しておく必要があります。

  3. (3)事後的な損害回収が困難であること

    新規事業提携に際しては、上記のような複雑で専門的な事項について的確に判断し、合意する必要があります。規定があいまいであると、苦労して商品化した製品について提携先が特許権等を取得してしまったり、他の販路でその製品を販売していたりする場合もあるようです。そのような場合、債務不履行や不法行為で提携先を訴えてみても、損害回収までにはかなりの費用と時間が必要となります。
    そこで、上記で述べたような秘密保持契約書や業務提携のための契約書を、弁護士のアドバイスを受けながら作成・修正していくことをお勧めします。
    弁護士は、それまで経験した様々な業務提携の事例やその成功例・失敗例に基づいて、具体的にアドバイスできます。金額も大きな取引になることが多いので、弁護士と協力して、当方から提携予定先に秘密保持契約書や業務提携のための契約書を提示できるようするのがベストであると考えます。

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