今回の弁理士コラムでは、「商標登録表示」について、ご説明させていただきます。
商標登録表示とは、その商標が、商標登録を受けていることを示す一定の表示のことをいいます。この商標登録表示については、商標法第73条に、次のように規定されています。
このように商標法第73条では、商標権者等に対し、「商標登録表示」を付す義務を課しています。
しかし、商標法第73条の規定をよく読みますと、商標法第73条には、「商標権者等は、商標登録表示を付さなければならない」とは記載されておらず、単に「付するように努めなければならない」と記載されているにすぎないことから商標権者等が「商標登録表示」を付す義務は、あくまで「努力的な義務」となっています。
したがって、仮に、商標権者等が、その指定する商品又は役務に登録商標を付す際に、「商標登録表示」を付さなかったとしても、何ら法的な制裁を受けることはありません。
ただし、「商標登録表示」を付すことで、第三者に、その商標が登録商標、すなわち、その商標に商標権が存在することを認識させる効果があることから、「商標登録表示」には、未然に商標権侵害を防止できるというメリットがあります。
商標登録表示の表示方法として、商標法施行規則の第17条には、次のように規定されています。
このように、商標登録表示は、商標権者等が、その指定する商品又は役務に登録商標を付す際に使用されるものとなっております。
登録商標以外の商標を使用する場合又は指定する商品役務以外の商品役務に登録商標を使用する場合等に、商標登録表示やこれと紛らわしい表示を付すことは法律で禁止されておりますので、ご注意ください。(商標法第74条、同法第80条)
商標登録表示について、ご不明な点などがございましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせいただければ幸いです。
多くのビジネス分野において、事業活動と著作権などの知的財産は切っても切り離せない関係にあります。そのため、自社の情報・コンテンツを適切に保護し、他社の著作権を侵害しないためにも、企業内で著作権の種類…
文章・画像・動画などのコンテンツを作成する際に、生成AIが活用される頻度が増えています。生成AIを活用する際には、著作権の取り扱いについて気を付けなければなりません。学習・開発の段階と生成・利用の段…
所属タレントの名前や写真の無断使用は、商標権侵害やパブリシティ権侵害に当たる可能性があります。これらの権利侵害を受けた場合には、速やかに差止請求や損害賠償請求などの対応を行いましょう。本記事では、タ…
お問い合わせ・資料請求