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2023年08月22日
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不渡りとは? 種類・会社に与える影響・対策・法人破産手続きなどを解説

不渡りとは? 種類・会社に与える影響・対策・法人破産手続きなどを解説

不渡りとは、会社が発行した手形や小切手が決済できないことを意味します。

不渡りには3種類があり、会社の信用に大きく関わるものは「1号不渡り」と呼ばれます。1号不渡りを起こしてしまうと、会社の信用に大きな悪影響が生じ、倒産に追い込まれてしまうおそれがあるので要注意です。

今回は不渡りの概要・種類や、不渡りが会社に与える影響、法人破産の手続きなどをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、不渡りとは

「不渡り」とは、会社が振り出した手形や小切手が支払われないことをいいます。

不渡りには、以下の3種類があります。

① 0号不渡り
形式不備・呈示期間の経過・支払期日の未到来など、振出人の信用に関係のない事由によって手形や小切手が支払われない場合は「0号不渡り」となります。
0号不渡りの場合、銀行による不渡届の作成は行われません。

② 1号不渡り
口座残高の不足や、手形上の支払銀行と振出人の間に取引がないなど、振出人の信用に関係する事由によって手形や小切手が支払われない場合は「1号不渡り」となります。
1号不渡りが発生した場合、銀行によって不渡届が作成されます

③ 2号不渡り
0号不渡りと1号不渡りのいずれにも該当しない事由によって、手形や小切手が支払われない場合は「2号不渡り」となります。具体的には、相手方の契約不履行・偽造・詐取・盗難・紛失などによる場合が2号不渡りに該当します。
2号不渡りの場合も、1号不渡りと同様に不渡届が作成されますが、異議申し立てが認められています。

単に「不渡り」という場合は、1号不渡りを指すのが通常です。本記事でも、これ以降は1号不渡りを単に「不渡り」と表記します。

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2、不渡りが会社に与える影響

不渡りが発生すると、会社の信用は大いに悪化し、最悪の場合倒産に追い込まれてしまいます。

  1. (1)一度でも不渡りを起こすと、信用力が大きく低下する

    不渡りが発生した場合、手形交換所規則に基づく「不渡り処分」が行われ、加盟金融機関に対して不渡りの旨が通知されます。
    手形交換所にはほとんどすべての金融機関が加盟しているので、不渡りの事実は実質的に全金融機関の知るところとなります。

    一度でも不渡りを起こした会社に対しては、金融機関は融資審査を厳格化するのが通常です。そのため、従来であれば借りられていた運転資金が借りられなくなったり、借入条件(利息など)が大幅に悪化したりする可能性が高いでしょう。

  2. (2)2度目の不渡りで銀行取引停止処分となる

    6か月以内に二度の不渡りが発生すると、「銀行取引停止処分」を受けます
    銀行取引停止処分を受けると、その後2年間、金融機関との当座預金取引(取引先への支払いの決済など)ができなくなるほか、融資も受けられなくなります。

    手形取引や小切手取引を行う企業は、資金繰りのために金融機関からの融資を必要とするケースが大半です。そのため、銀行取引停止処分を受けて融資がストップすると、事業の継続は困難となり、事実上の倒産状態に陥ってしまいます

    また上場企業の場合は、銀行取引停止処分によって上場廃止事由に該当し、整理銘柄としての指定を経て上場廃止となります。

3、不渡りを防ぐための対策

不渡りを防ぐためには、余裕を持った資金繰りを行うことがもっとも大切です。

また、万が一不渡り寸前に陥ってしまった場合には、急場しのぎの応急処置を講じることも考えられます。不渡りは会社にとって致命的ですので、あらゆる手段を用いて回避を試みましょう

  1. (1)余裕を持った資金繰りを行う

    不渡りが発生してしまうのは、会社のキャッシュフローが赤字であり、運転資金が底をついてしまうためです。

    不渡りを回避するためには、余裕を持った資金繰りを徹底する必要があります。
    会社の収入と支出の見込みを立てた上で、好ましくない状況が続いた場合でも、運転資金が尽きないようにすることが大切です。

    もし過剰な支出超過に陥っている場合には、固定費の削減によって支出の抑制を図りましょう。

  2. (2)不渡り寸前に陥った場合の応急処置

    運転資金が間もなく底をつく不渡り寸前の状態に陥った場合には、以下の応急処置を行うことが考えられます。

    ① 過振り
    金融機関の判断により、当座預金の残高以上に小切手を振り出すことを認める、臨時的な当座貸越です。金融機関からの信用を十分に得ている場合や、定期預金の担保がある場合などに認められます。
    過振りが認められれば、一部の支払いをキャッシュに代えて小切手で行うことができるようになり、資金繰りが一時的に改善します。

    ② 手形のジャンプ
    約束手形の所持者の承諾を得て、支払期日を延期することをいいます。
    手形のジャンプが認められれば、当面の不渡りは回避できます。ただし、所持者が承諾してくれるとは限りません。

    ③ 売掛金ファクタリング
    会社が有する売掛金債権を、ファクタリング業者に買い取ってもらって現金化することをいいます。
    支払期限が到来していない売掛金債権を現金化すれば、当面は手形や小切手の支払資金を確保できます。ただしその分、将来的なキャッシュフローが悪化する点に注意が必要です。

    上記の応急処置を講じれば、直ちに不渡りを起こす事態は回避できるでしょう。ただし、いずれも短期的な資金繰りを改善する方法に過ぎず、中長期的には資金繰りが悪化します

    収入の増加や支出の削減など、根本的な改善がなされない限り、将来的な不渡りは回避できません。中長期的に事業を継続させる視点から、早急に資金繰りの改善へ取り組みましょう。

4、不渡りを起こしたら法人破産の検討を

実際に不渡手形が発生してしまうと、融資を受けることが困難になり、事業継続は困難になってしまう可能性が高いです。そうなってしまったら、法人破産を検討しましょう。

法人破産は、会社の財産を処分して債権者へ配当した後、法人格を消滅させる手続きです

支払いきれなかった会社の債務は、全額が免除されます。株式会社または合同会社であれば、経営者保証をしているケースなどを除いて、取締役や社員が会社の債務を支払う必要はありません。

法人破産が完了すれば、会社の債務をリセットした上で、新たに事業を起こして再出発することもできます。早い段階で弁護士にご相談いただき、法人破産を迅速に進めた上で、再起の機会を窺いましょう。

  1. (1)法人破産の手続きの流れ

    法人破産の手続きの流れは、大まかに以下のとおりです。

    ① 弁護士への相談・契約
    法人破産の手続きの概要や進め方、弁護士費用などをご説明いたします。
    ご納得いただければ、委任契約書を締結します。

    ② 破産手続き開始の申し立て
    本店所在地を管轄する裁判所に対して、破産手続きの開始を申し立てます。

    ③ 債務者審尋
    事業内容・破産申し立ての経緯・債務の状況などについて、裁判官による質問が行われます。

    ④ 破産手続き開始の決定・破産管財人の選任
    会社が支払不能または債務超過の状態にあるなど、開始要件を満たしていると裁判所が判断すれば、破産手続きが開始されます。
    破産手続き開始の決定が行われる場合、同時に破産管財人が選任されます。破産管財人は、会社財産を換価・処分した上で、債権者への配当を行う役割を担います。

    ⑤ 破産管財人による会社財産の換価・処分
    破産管財人が会社財産を換価・処分して、債権者への配当原資を確保します。
    会社財産が大規模である場合には、換価・処分に長期間を要することがあります。

    ⑥ 債権者集会
    会社財産の換価・処分状況や、配当の見通しなどについて、破産管財人が債権者に説明を行います。
    一般的な法人破産事件では、破産手続き開始の決定から約3か月後に債権者集会が開催されます。1回で済むこともありますが、会社財産が大規模である場合などには、複数回の債権者集会が開催されることもあります。

    ⑦ 債権者に対する配当
    会社財産の換価・処分が終了した後、債権者に対する配当が行われます。配当によって支払いきれなかった会社の債務は、全額が免責されます。

    ⑧ 破産手続き終結の決定
    債権者への配当が完了した後、裁判所によって破産手続きの終結が決定されます。
  2. (2)法人破産は弁護士に依頼するべき

    法人破産の手続きは、個人による自己破産よりも遥かに大規模かつ複雑です

    経営者としては、法人破産の対応に追われるのではなく、生活の立て直しや、新たな事業による再起などに注力すべきでしょう。そのためには、信頼できる弁護士に法人破産の対応を依頼することをおすすめします。

    弁護士にご依頼いただければ、法人破産の準備や対応を全面的に代行いたします。支払不能や債務超過の状態をリセットし、依頼者が早期に再起を図れるように、弁護士が親身になってサポートいたします

    手形や小切手の不渡りを起こすなど、厳しい経営状況に追い込まれてしまった場合には、お早めに弁護士までご相談ください。

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5、まとめ

手形や小切手の不渡りが発生すると、会社としての事業継続は困難になってしまいます。そのため、余裕を持った資金繰りを徹底し、何としても不渡りを回避すべきです。

万が一不渡りが発生し、事業継続が困難となった場合には、弁護士にご相談の上で法人破産を検討しましょう。

ベリーベスト法律事務所は、法人破産に関するご相談を随時受け付けております。手形の不渡りを発生させてしまった場合には、お早めにベリーベスト法律事務所へご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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