企業法務コラム

2023年09月28日
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従業員の不祥事が発覚! 対応の流れ・企業の注意点などを解説

従業員の不祥事が発覚! 対応の流れ・企業の注意点などを解説

従業員(労働者)の不祥事は、会社の評判に大きな悪影響を与えるおそれがあります。

不祥事による会社への悪影響を最小限に食い止めるため、弁護士のアドバイスを受けながら適切な事後対応に努めましょう。

本記事では、従業員の不祥事が発覚した際の対応や注意点などを、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、従業員の不祥事とはどのようなものがあるか

従業員による不祥事は、会社にとって大きなダメージとなる可能性があります。
会社が直接損害を受ける、従業員が逮捕されて労働力に欠員が生じる、報道等により会社のレピュテーションが落ちる、両罰規定によって会社も処罰されるなど、不祥事の弊害のパターンはさまざまです。

特に以下の不祥事は、従業員によってしばしば引き起こされます。

  1. (1)会社資金の横領、会社の備品・商品の窃取

    従業員による会社資金の横領や会社の備品・商品の窃取は、会社に対して直接損害を与える悪質な行為です。不正に会社資金が流出すれば、株主価値が毀損されるほか、財務状況の悪化等により取引先にも悪影響が及ぶ可能性があります。

    会社資金を横領した従業員に対しては、懲戒処分、損害賠償請求、刑事告訴などの厳しい対応をとることが考えられます。

  2. (2)外部での犯罪行為

    従業員が社外で犯罪行為をした場合も、勤務先が報道される可能性があるため、会社の評判に悪影響が生じるおそれがあります

    特に、けんかなどを発端とする傷害や、性行為に関連する犯罪は、会社員によって行われるケースが見られます。会社としても、犯罪を疑われるような行為は厳に慎むべきことを、普段から従業員に対して周知することが大切です。

    また、会社の業務に関連して犯罪行為がなされた場合は、両罰規定によって会社も処罰の対象となり得るので要注意です(例:著作権侵害、労働基準法違反など)。
    業務に関連して発生し得る犯罪行為については、従業員研修などを通じて重点的に意識付けを行いましょう。

  3. (3)会社の機密情報の漏えい

    誤送信など人為的なミスによる機密情報の漏えいや、従業員による機密情報の持ち出しなどは、会社にとって信用失墜など致命的なダメージになりかねません

    会社の実情に合わせた情報セキュリティーを充実させるほか、情報セキュリティーに関する従業員研修を徹底し、機密情報の取り扱いに関する注意事項を十分に周知する必要があります。

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2、従業員の不祥事が発覚した場合の対応

従業員の不祥事が発覚した場合、会社は以下の対応を迅速かつ的確に講じる必要があります。

  1. (1)事前準備

    不祥事対応にあたり、まずは以下の事前準備を行いましょう。

    ① 調査担当者の選定
    不祥事が発生した部門・法務部門・コンプライアンス部門などから、慎重に事実関係の調査の担当者を選定します。事前準備の段階では、どの範囲まで情報を開示するのかも慎重に検討する必要があります。

    ② 対応の流れの確認
    調査担当者の間で、不祥事対応の手順を確認します。迅速かつ適切なタイミングで必要な対応が行われるように、現実的なスケジュールを短期間で立てることが求められます。その際、メールなどコンピューター関連の調査をどの程度の範囲・深度で行うかもも検討しなければなりません。
  2. (2)事実関係の調査

    調査担当者は、関係者に対する慎重なヒアリングや資料(文書、メールなど)の調査・確認などを通じて、事実関係の調査(不正調査)を行います。

    正確な事実関係の把握は、その後の対応方針を決めるうえでの大前提です。さまざまな角度から迅速かつ慎重に調査を行い、できる限り早期に事実関係を把握しましょう。

  3. (3)情報開示・保険会社への連絡や捜査機関への通報の要否の検討

    不祥事対応にあたっては、株主・取引先・債権者などのステークホルダーに対する情報開示を適切に行うことも重要です。不祥事対応の状況を適切な形で発信することにより、会社の信用失墜を防げる可能性があります。

    事実関係を把握した段階、不祥事対応の方針を定めた段階、実際に具体的な対応を行った段階など、各段階においてタイムリーに必要な情報開示を行いましょう。
    プレスリリースなどで公表するだけでなく、重要な株主・取引先・債権者に対しては個別に連絡することも考えられます。
    また、適時な保険会社への連絡や捜査機関への通報なども検討しなければなりません。

  4. (4)使用者責任の有無の検討、被害者対応

    不祥事が会社の業務に関連して発生し、被害者に被害を生じさせた場合は、被害者への対応も検討しなければなりません。被害者の人数や被害金額などを把握したうえで、会社に非があれば謝罪を尽くす必要があります。

    会社の使用者責任(民法第715条第1項)が発生する場合には、示談を通じた解決を試みることが考えられます。弁護士を代理人として、慎重に示談交渉を進めましょう。

  5. (5)従業員に対する処分などの検討

    不祥事に関与した従業員に対しては、懲戒処分・損害賠償請求・刑事告訴などを検討することができます。

    懲戒処分を行う際には、事前の十分な法的検討と適切な手続きを踏むことが必要不可欠です。重すぎる懲戒処分、非違行為が認められない場合に行われる懲戒処分、適切な手続きを欠く懲戒処分は無効となりえますので、弁護士に相談することをおすすめします。
    損害賠償請求にあたっても、その法律上の要件(従業員の故意・過失、損害、因果関係など)をどのように立証するかについて、法的な観点からの検討を要します。懲戒処分の可否と併せて、弁護士にご相談ください。

    従業員の不祥事が悪質であり、業務上横領をはじめとする犯罪にあたる場合には、刑事告訴の検討が必要な場合もあります。

    刑事告訴とは、告訴権者が捜査機関に対して犯罪事実を報告し、加害者の処罰を求める意思表示です。刑事告訴をすると、捜査機関には捜査義務が生じるため、不祥事を起こした従業員が訴追される可能性が高まります。刑事告訴のような厳正な対応をもって臨めば、不祥事の再発防止に対する強いメッセージを社内に発信できます。

    刑事告訴は、検察官または司法警察員(警察官)に対して告訴状を提出して行います。告訴状とともに犯罪の証拠を提出できれば、適切に捜査を尽くしてもらえる可能性が高いでしょう。ベリーベスト法律事務所では、告訴の扱いを含め捜査経験豊富な元検事など刑事手続きに強い弁護士が刑事告訴の手続きについてもサポートいたします。

  6. (6)再発防止策の検討

    不祥事が発生した場合は、再発防止策を適切に講じることも大切です。実際に再発防止策を講じ、その取り組みを対外的に発信すれば、会社の信用回復にもつながります。

    再発防止策を検討する際には、報道機関に対する適切な発表や弁護士などによる第三者委員会を組織し、外部者の客観的な意見を聞くことも効果的です。
    ベリーベスト法律事務所では、捜査経験豊富な元検事や会社勤務経験が豊富で会社の実情に詳しい弁護士、コンプライアンスに関連する公認不正検査士の資格を持つ弁護士なども在籍しており、総合的にサポートすることが可能です。

3、従業員が不祥事で逮捕された場合の注意点

従業員が不祥事で逮捕された場合は、以下の各点に留意して、会社として適切な対応を検討しましょう。

  1. (1)刑事手続きの流れ

    逮捕された従業員については、以下の流れで刑事手続きが進行します。会社としては、どの手続き段階においても、被告人と連絡をとれるようにしておきましょう。

    ① 逮捕~勾留
    逮捕期間は最長72時間(警察48時間+検察24時間)ですが、裁判官によって勾留状が発せられたときは、さらに最長20日間(合計23日間)の身柄拘束が行われます。
    逮捕期間中は被疑者と面会できませんが、勾留に移行した後は、接見禁止処分が行われている場合を除いて面会可能です。

    ② 起訴・不起訴の判断
    検察官が、被疑者を起訴するかどうか判断します。
    不起訴または略式起訴であれば、被疑者の身柄が解放されます。起訴された場合は、引き続き身柄拘束が行われるのが通常です。

    ③ 起訴後勾留
    起訴後引き続き身柄を拘束されている被告人には、弁護士以外の者との接見を禁止する措置などが付されていなければ面会可能です。
    なお、裁判所によって保釈請求が認められると、被告人の身柄が一時的に釈放されます。

    ④ 公判手続き
    起訴された被告人について、裁判所の公開法廷で有罪・無罪および量刑が審理されます。
  2. (2)有罪が確定していない間の対応

    有罪が確定していない段階では、会社は逮捕された従業員をどのように処遇するかについて、慎重に検討しなければなりません。

    一例として、休職命令や懲戒処分の可否につき検討する必要があります。弁護士にご相談いただければ、就業規則の整備を含め、法的な観点から適切な対応をアドバイスいたします。
    ベリーベスト法律事務所には、企業法務・労働問題に強い弁護士が多数在籍しており、雇用関係の問題なども含め、総合的に対応いたします。

    ① 休職命令
    従業員の身柄が拘束されている期間については、休職命令を行うのがよいでしょう。身柄拘束中は労務の提供ができないので、原則として賃金を支払う必要はありません。

    ただし、有給休暇の申請があった場合には、その取り扱いについて別途検討を要します。また、不起訴や保釈によって従業員の身柄が解放された場合は、復職を認めるべきケースがあるので注意が必要です。

    ② 懲戒処分
    懲戒処分の可否や種類については、有罪が確定するか、または従業員が明確に罪を認めた段階で決定するなど、慎重な対応が必要です。
    重すぎる懲戒処分や、冤罪にもかかわらず行われた懲戒処分は無効となる場合があります。特に懲戒解雇については、その有効性が厳しく争われたり、審査される点に注意が必要です。

4、従業員の不祥事に関する対応は、弁護士に相談を

従業員の不祥事が発覚した際には、弁護士への相談をおすすめします。

弁護士は、迅速かつ適切に事実調査を行ったうえで、会社としてとるべき不祥事対応の在り方をアドバイスいたします。懲戒処分・損害賠償請求・再発防止策など、幅広い観点から不祥事対応をサポート可能です。

不祥事対応にお悩みの企業は、お早めにベリーベスト法律事務所の弁護士までご相談ください。

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5、まとめ

従業員による犯罪や不正行為などの不祥事が発覚したら、会社の信用失墜を食い止めるため、早期に適切な事後対応を行う必要があります。弁護士のアドバイスを踏まえて、どのような対応が適切であるかを早急に検討しましょう。

ベリーベスト法律事務所は、不祥事対応に関する企業のご相談を随時受け付けております。従業員の不祥事が発覚してお悩みの企業は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。

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