企業法務コラム
リーガルチェックとは、契約書などの内容に問題がないか、法的な観点から確認する作業です。
顧問弁護士の確認を経た契約書を取り交わせば、トラブルや不利な条件での仕事を防ぐことができるでしょう。まだ顧問弁護士契約を結んでいない企業は、新たに顧問契約の締結をご検討ください。
本記事ではリーガルチェックについて、概要・メリット・流れなどをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
リーガルチェックとは、企業活動における法律文書(契約書など)について、その内容に問題がないかどうかを確認する作業です。社内の法務担当者や顧問弁護士などが担当します。
リーガルチェックは、企業が法律文書を作成する際に行われることが多いです。具体的には、以下のような場面において、必要になることが多いでしょう。
特に契約書は、当事者を法的に拘束し、具体的な権利義務を発生させる重要な書面です。内容をよく確認せずに契約書を締結すると、後に予期せぬ不利益を被るおそれがあります。
契約書を締結する際には、必ずリーガルチェックをしましょう。
リーガルチェックには、実はメリットとデメリットの両面があります。作成する文書の性質に応じて、リーガルチェックを行うかどうかを適切に判断しましょう。
特に契約書などの重要な法律文書については、メリットがデメリットを上回るので、リーガルチェックをするのがおすすめです。
リーガルチェックをするメリットは、文書の内容を法的な観点からきちんとチェックできる点です。自社にとって不利益な内容が含まれていないか、法令上必要な対応が漏れていないかなどについて、正式な文書を作成する前に確認することができます。
一度作成した文書を撤回・修正することは難しいケースが多いので、重要な文書についてはリーガルチェックを受けた方がよいでしょう。
また、契約書などから、相手方が重視している点や交渉姿勢を読み取れることもあり、交渉力の差などから仮に修正をしないとしてもチェックをするメリットはあります。
一方、デメリットはコストがかかる点です。社内の法務担当者が行う場合は人件費がかかりますし、リーガルチェックに費やす時間がとられます。外部弁護士へ依頼する場合も、費用と文書を見てもらう時間が必要です。
費用対効果を考えると、簡単な文書や定型的な文書については、リーガルチェックを省略することも選択肢のひとつです。
これに対して、契約書などの重要な文書は、少々のコストを惜しんでリーガルチェックを省いてしまうと、重大なトラブルにつながるリスクがあります。コスト意識は念頭に置きつつ、リーガルチェックをするべきか決めましょう。
リーガルチェックの流れは、社内の法務担当者のみで行う場合と、外部弁護士にも依頼する場合で異なります。大まかなリーガルチェックの流れは以下のとおりです。
社内の法務担当者によるリーガルチェックは、大まかに以下の流れで行います。
法務担当者からフィードバックを受けた担当部署は、相手方との交渉などを行って、対象文書に修正案などを反映します。
上記の流れを何度か繰り返して、最終的な文書の内容を確定させます。
外部弁護士によるリーガルチェックは、大まかに以下の流れで行います。
契約書などの法律文書を間違いなく作成したいなら、弁護士にリーガルチェックを依頼するのが安心です。
弁護士費用はかかりますが、高い専門性に裏付けられたアドバイスを受けることができるので、チェック漏れなどによるリスクを最小限に抑えられます。
弁護士を依頼する際には、社内における懸念点を具体的に伝えましょう。
弁護士は高い法的素養があるものの、社内事情には必ずしも詳しいではありません。社内事情については、社内担当者の方がよく知っています。
社内担当者が知り得る社内事情を弁護士に共有し、その内容を基に弁護士が法的な検討を行えば、リーガルチェックの効果を高めることができます。
また、契約審査AI(契約書レビューサービス)をリーガルチェックに活用する際には、利用するAIの機能の限界に留意しなければなりません。
契約審査AIは、テンプレートと対象文書の違いを自動で表示したり、リスクの高い条項を機械的に検出したりするなど、リーガルチェックをアシストする機能を搭載しています。
しかし、契約条項におけるリスクの有無・軽重は、具体的な事情によってケース・バイ・ケースなので、テンプレや多数と一致しているからといって、その取引においても最適とは限りません。
また、契約審査AIについては弁護士法との関係で規制がかけられており、弁護士によるリーガルチェックを完全に代替することはできないようになっています。
契約審査AIを活用する際には、上記のような性質や機能の限界に留意しつつ、人間によるチェックも怠らないようにしましょう。
契約書のリーガルチェックを弁護士にお願いすれば、自社が負うリスクや法令上必要な事項の見落としを防ぐことができます。
また、契約書は締結した後も、変更・更新などのメンテナンスを要するケースが多いです。弁護士と顧問契約を締結すれば、社内事情にも通じた顧問弁護士へ継続的に契約書のチェックなどを依頼することができます。
また、顧問弁護士と契約していれば、文書のチェック以外にも、法律や契約に関する対応を依頼可能です。
たとえば従業員とのトラブルが起こったとき、インターネット上で炎上したとき、官公庁から法令違反を指摘されてしまったときなどには、顧問弁護士に速やかに連絡して対処法につきアドバイスを受けられます。
ベリーベスト法律事務所には業種に応じた専門企業法務チームが設置されており、各弁護士の強みを生かしたリーガルチェック(契約書チェックなど)が可能です。また、文書のリーガルチェック以外の業務にも幅広くご対応できます。
以下のページから、ベリーベスト法律事務所によるリーガルチェックの内容やお見積もりをご確認いただけますので、ぜひご参照ください。
契約書などの重要な法律文書については、きちんとリーガルチェックを受けて、トラブルや損失のリスクを回避しましょう。リーガルチェックは、顧問弁護士に依頼するのが安心です。
ベリーベスト法律事務所は、リーガルチェックや顧問契約に関するご相談を随時受け付けております。顧問弁護士をお探しの企業は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。
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