企業法務コラム

2024年08月19日
  • リーガルチェック

リーガルチェックとは? メリットや確認の流れを弁護士が解説

リーガルチェックとは? メリットや確認の流れを弁護士が解説

リーガルチェックとは、契約書などの内容に問題がないか、法的な観点から確認する作業です。

顧問弁護士の確認を経た契約書を取り交わせば、トラブルや不利な条件での仕事を防ぐことができるでしょう。まだ顧問弁護士契約を結んでいない企業は、新たに顧問契約の締結をご検討ください。

本記事ではリーガルチェックについて、概要・メリット・流れなどをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、リーガルチェックとは?

リーガルチェックとは、企業活動における法律文書(契約書など)について、その内容に問題がないかどうかを確認する作業です。社内の法務担当者や顧問弁護士などが担当します。

リーガルチェックは、企業が法律文書を作成する際に行われることが多いです。具体的には、以下のような場面において、必要になることが多いでしょう。

  • 契約書を締結するとき(取引基本契約書、業務委託契約書、売買契約書、請負契約書、金銭消費貸借契約書など)
  • 官公庁に提出する書面を作成するとき(許認可関係、補助金関係、労務管理関係など)
  • 株主総会や取締役会の議事録を作成するとき
など

特に契約書は、当事者を法的に拘束し、具体的な権利義務を発生させる重要な書面です。内容をよく確認せずに契約書を締結すると、後に予期せぬ不利益を被るおそれがあります。
契約書を締結する際には、必ずリーガルチェックをしましょう

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2、リーガルチェックをするメリット・デメリットを解説

リーガルチェックには、実はメリットとデメリットの両面があります。作成する文書の性質に応じて、リーガルチェックを行うかどうかを適切に判断しましょう。

特に契約書などの重要な法律文書については、メリットがデメリットを上回るので、リーガルチェックをするのがおすすめです。

  1. (1)メリット

    リーガルチェックをするメリットは、文書の内容を法的な観点からきちんとチェックできる点です。自社にとって不利益な内容が含まれていないか、法令上必要な対応が漏れていないかなどについて、正式な文書を作成する前に確認することができます。

    一度作成した文書を撤回・修正することは難しいケースが多いので、重要な文書についてはリーガルチェックを受けた方がよいでしょう

    また、契約書などから、相手方が重視している点や交渉姿勢を読み取れることもあり、交渉力の差などから仮に修正をしないとしてもチェックをするメリットはあります。

  2. (2)デメリット

    一方、デメリットはコストがかかる点です。社内の法務担当者が行う場合は人件費がかかりますし、リーガルチェックに費やす時間がとられます。外部弁護士へ依頼する場合も、費用と文書を見てもらう時間が必要です。

    費用対効果を考えると、簡単な文書や定型的な文書については、リーガルチェックを省略することも選択肢のひとつです。

    これに対して、契約書などの重要な文書は、少々のコストを惜しんでリーガルチェックを省いてしまうと、重大なトラブルにつながるリスクがあります。コスト意識は念頭に置きつつ、リーガルチェックをするべきか決めましょう。

3、リーガルチェックの流れ|社内チェック・弁護士チェック

リーガルチェックの流れは、社内の法務担当者のみで行う場合と、外部弁護士にも依頼する場合で異なります。大まかなリーガルチェックの流れは以下のとおりです。

  1. (1)社内におけるリーガルチェックの流れ

    社内の法務担当者によるリーガルチェックは、大まかに以下の流れで行います。

    ① 対象文書の内容を確認する
    依頼を受けた法務担当者が対象文書の内容を隅々まで確認し、法的な観点から問題がないかをチェックします。過去に関連文書を作成している場合には、関連文書の内容も併せて参照し、対象文書との整合性などを確認しましょう。

    ② 修正案やコメントを記載する
    対象文書において修正点や、確認事項などがある場合は、文書ファイルに修正案やコメントを記載します。修正案やコメントの趣旨を読み手が理解できるように、分かりやすい記載を心がけましょう。

    ③ 担当部署へフィードバックする
    確認が完了した文書ファイルを、担当部署へ返送します。修正案やコメントの内容に込み入った部分がある場合は、口頭で補足説明を行いましょう。

    法務担当者からフィードバックを受けた担当部署は、相手方との交渉などを行って、対象文書に修正案などを反映します。
    上記の流れを何度か繰り返して、最終的な文書の内容を確定させます。

  2. (2)外部弁護士に依頼する場合流れ

    外部弁護士によるリーガルチェックは、大まかに以下の流れで行います。

    ① 社内担当者から外部弁護士に依頼する
    対象文書を所管する部署、または法務部門の担当者から、外部弁護士にリーガルチェックを依頼します。

    取引の背景事情や、社内で何が懸念されているのかなどを弁護士に伝えれば、実情を踏まえたアドバイスを受けることができます

    ② 外部弁護士のコメントを受け取り、社内担当者において吟味する
    外部弁護士において、対象文書に修正案やコメントを記載し、社内担当者に返送します。

    社内担当者は、外部弁護士の修正案やコメントをそのまま受け入れるのではなく、社内事情などに照らしてそれぞれの採否を判断すべきです。また、修正案やコメントの趣旨が分かりにくい場合には、依頼先の弁護士へ確認しましょう。

    ③ 社内担当者において、外部弁護士の修正案やコメントを調整する
    社内担当者と外部弁護士のやり取りは、あくまでも内部的な検討を目的とするものに過ぎません。

    取引相手などの外部者に対して対象文書のファイルを送付する際には、そのファイルに会社としての見解を記載する必要があります。外部弁護士の修正案やコメントをそのまま残すのではなく、その内容を十分に検討した上で、会社の公式見解の形に調整してから送付することが望ましいでしょう。

4、効果的に弁護士のリーガルチェックを受けるためのポイント

契約書などの法律文書を間違いなく作成したいなら、弁護士にリーガルチェックを依頼するのが安心です。
弁護士費用はかかりますが、高い専門性に裏付けられたアドバイスを受けることができるので、チェック漏れなどによるリスクを最小限に抑えられます。

弁護士を依頼する際には、社内における懸念点を具体的に伝えましょう。
弁護士は高い法的素養があるものの、社内事情には必ずしも詳しいではありません。社内事情については、社内担当者の方がよく知っています。
社内担当者が知り得る社内事情を弁護士に共有し、その内容を基に弁護士が法的な検討を行えば、リーガルチェックの効果を高めることができます。

また、契約審査AI(契約書レビューサービス)をリーガルチェックに活用する際には、利用するAIの機能の限界に留意しなければなりません。

契約審査AIは、テンプレートと対象文書の違いを自動で表示したり、リスクの高い条項を機械的に検出したりするなど、リーガルチェックをアシストする機能を搭載しています。

しかし、契約条項におけるリスクの有無・軽重は、具体的な事情によってケース・バイ・ケースなので、テンプレや多数と一致しているからといって、その取引においても最適とは限りません。
また、契約審査AIについては弁護士法との関係で規制がかけられており、弁護士によるリーガルチェックを完全に代替することはできないようになっています。

契約審査AIを活用する際には、上記のような性質や機能の限界に留意しつつ、人間によるチェックも怠らないようにしましょう

5、契約書のリーガルチェックは弁護士へ|顧問契約がおすすめ

契約書のリーガルチェックを弁護士にお願いすれば、自社が負うリスクや法令上必要な事項の見落としを防ぐことができます。
また、契約書は締結した後も、変更・更新などのメンテナンスを要するケースが多いです。弁護士と顧問契約を締結すれば、社内事情にも通じた顧問弁護士へ継続的に契約書のチェックなどを依頼することができます。

また、顧問弁護士と契約していれば、文書のチェック以外にも、法律や契約に関する対応を依頼可能です。
たとえば従業員とのトラブルが起こったとき、インターネット上で炎上したとき、官公庁から法令違反を指摘されてしまったときなどには、顧問弁護士に速やかに連絡して対処法につきアドバイスを受けられます。

ベリーベスト法律事務所には業種に応じた専門企業法務チームが設置されており、各弁護士の強みを生かしたリーガルチェック(契約書チェックなど)が可能です。また、文書のリーガルチェック以外の業務にも幅広くご対応できます。

以下のページから、ベリーベスト法律事務所によるリーガルチェックの内容やお見積もりをご確認いただけますので、ぜひご参照ください。

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6、まとめ

契約書などの重要な法律文書については、きちんとリーガルチェックを受けて、トラブルや損失のリスクを回避しましょう。リーガルチェックは、顧問弁護士に依頼するのが安心です

ベリーベスト法律事務所は、リーガルチェックや顧問契約に関するご相談を随時受け付けております。顧問弁護士をお探しの企業は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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