2025年01月08日
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企業に求められるレピュテーションリスクへの対策と対処法

企業に求められるレピュテーションリスクへの対策と対処法

インターネットやSNSなどの普及に伴い、レピュテーションリスクに対する企業の意識が高まっています。レピュテーションリスクの顕在化は、企業に大きな損害が発生する可能性もありますので、事前にしっかりと対策を講じておくことが大切です。

また、万が一、レピュテーションリスクが顕在化した場合でも、早期に適切な対応をとることにより、被害を最小限に抑えることが可能となります。

本記事では、企業に求められるレピュテーションリスクへの対策と対処法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、レピュテーションリスクとは?

レピュテーションリスクとは、企業へのネガティブな評判やうわさが広まり、企業の信用やブランド価値の低下を招くリスクのことをいいます。

インターネットなどの普及に伴い、インターネットやSNS上に企業の評価や口コミなどが掲載されるケースが増えてきました。
インターネット上の情報は、瞬時に不特定多数の人に拡散されてしまいますので、根拠のないうわさや悪い評判などが広まってしまうと、企業としては大きな損害を被るおそれがあります。

そのため、近年では、企業がレピュテーションリスクへの対策を講じる必要性が高まっているのです。

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2、レピュテーションリスクの原因と影響

レピュテーションリスクが生じるのはどのような原因があるのでしょうか。また、それにより企業にはどのような影響や損失が生じるのでしょうか。以下で詳しく説明します。

  1. (1)レピュテーションリスクの原因

    レピュテーションリスクの原因には、さまざまなものがありますが、主な原因としては、以下が挙げられます。

    ① 風評被害
    風評被害とは、根拠のないうわさや評判などが広がることによって生じる被害のことをいいます。
    インターネット上の掲示板、口コミサイト、SNSなどで企業に対する根拠のない悪評などが書き込まれてしまうと、事実に基づかない書き込みであったとしても、それを目にした人は、企業に対して悪いイメージを持ってしまいます。

    ② 不祥事
    従業員が不祥事を起こしてしまうと、従業員を雇用する企業も責任を問われてしまい、レピュテーションリスクの原因となります。いわゆる「バイトテロ」と呼ばれる、不祥事も会社の信用を大きく失墜させる事態になり得ますので注意が必要です。

    ③ 商品・サービスに対するクレームや悪評
    商品やサービスに対するクレームは、よりよい商品やサービスを生み出すために必要なものです。そのため、クレームのすべてがレピュテーションリスクの原因になるわけではありません。
    しかし、クレームや悪評がSNSなどに投稿され、炎上してしまうと企業の信用は著しく失墜してしまうおそれがあります。
  2. (2)レピュテーションリスクにより企業が受ける影響と損失

    レピュテーションリスクの顕在化により企業には、以下のような影響や損失が発生します。

    ① 企業イメージの悪化
    レピュテーションリスクの顕在化により企業イメージが悪化し、企業の社会的信用性が失われることが考えられます。それにより、既存の取引先からは取引を打ち切られてしまい、新規の顧客離れを招くなどして、業務にも大きな支障が生じてしまいます。

    ② 売り上げの低下
    企業の商品やサービスを利用する際には、インターネット上の口コミなどを参考にする消費者が多くなってきています。
    レピュテーションリスクが顕在化し、インターネット上に企業の商品やサービスに対する悪いうわさや評判などが広まってしまうと、顧客離れを招き、売り上げの低下につながりかねません。

    ③ 採用活動への影響
    レピュテーションリスクの顕在化で企業の信用性が低下すると、当該企業への入社を希望する人が減少し、採用活動にも影響が生じる可能性があります。
    企業が安定的に成長していくためには、優秀な人材を確保することが重要になりますが、採用活動に影響が生じてしまうと、優秀な人材の確保が困難になり、中長期的な視点で見ると企業経営にとっては大きな損失となります。

    ④ 信頼回復に向けたコスト
    レピュテーションリスクの顕在化すれば企業としては、その対応に追われることになります。レピュテーションリスクの対応に時間的にも費用的にも多くを割かなければならず、本来の業務にも支障が生じてしまう可能性があります。

3、企業がとるべきレピュテーションリスクへの対策

企業がとるべきレピュテーションリスクへの対策としては、以下が挙げられます。

  1. (1)社内の体制構築

    レピュテーションリスクの対策には、社内規定の整備や監視体制の強化など、社内の体制構築を行うことが必要です。

    社内規程を整備することにより、業務上のルールが明確化しますので、社員のミスなどによってレピュテーションリスクが顕在化する可能性を回避できます。また、あらかじめレピュテーションリスクが発生してしまった場合の対応手順をマニュアル化しておくことができれば、有事の際に、迅速かつ適切に対応を進めることができます。

    また、監視体制を強化することにより、不正行為やコンプライアンス違反を未然に防ぐことが可能です。複数の担当者による二重、三重のチェック体制を敷くことができれば、より効果的といえるでしょう。

  2. (2)社員への研修

    レピュテーションリスクは、社員による不正行為や不祥事によって生じるケースもありますので、社員のコンプライアンス意識を向上させることが重要です。そのためには、定期的に社員研修を実施するとよいでしょう。

    社員研修により、情報セキュリティー、ネットリテラシー、コンプライアンスなどの教育を行い、問題が生じた場合の処遇なども明確にしておくことで、社員の意識の向上が図られます。

  3. (3)積極的かつ適切な情報発信

    企業が積極的かつ適切な情報発信を行うことも有効な手段となります。

    最近は、個人だけではなく企業も独自のアカウントを取得してSNSなどで情報発信を行う時代になっています。企業から積極的に情報を発信していけば、一部の個人から根拠のないうわさや評判が流されたとしても、消費者に誤解が生じるおそれが少なくなり、レピュテーションリスクを減らすことにつながります。

4、レピュテーションリスクが発生した際の対処法

万が一、レピュテーションリスクが発生した場合には、以下のような対処法が考えられます。

  1. (1)適切な情報開示

    レピュテーションリスクが発生すると、取引先や顧客は、当該企業と取引を行うことに不安を感じてしまいます。不安に駆られた企業から取引を停止されてしまったり、顧客離れを招いたりする可能性がありますので、企業としては、自社の公式サイトなどで早期に適切な情報開示を行うことが大切です。

    どのような経緯により風評被害が発生したのか、それに対して企業としての責任はあるのか、再発防止策としてどのようなことを考えているのかなどをできる限り詳しく記載しましょう。

  2. (2)再発防止策の策定

    レピュテーションリスクへの対応と並行して、再発防止策を作成することも重要です。今後も同様なレピュテーションリスクが発生してしまうと、企業の信用性は著しく失墜して再建困難にもなりかねませんので、そのような事態を回避するためにも再発防止策の策定が必要となります。

    そのためには、レピュテーションリスクが発生した原因をしっかりと分析し、今後の対策に生かすことが必要です。場合によっては、弁護士やコンサルタントなどの外部の専門家に協力を求めることも検討するとよいでしょう。

  3. (3)発信者情報開示請求、削除請求、発信者情報開示命令などの法的措置

    レピュテーションリスクが発生した場合には、そのまま放置するのではなく早期に適切な対応をすることが大切です。たとえば、インターネットやSNS上での風評被害が発生した場合には、早期に書き込みの削除を行うとともに、誰が書き込みをしたのかを特定し、当該人物に責任追及を行う必要があります。

    インターネットやSNSで匿名による書き込みがなされた場合には、発信者情報開示請求または発信者情報開示命令という法的手続きによらなければ、発信者を特定することができません。

    発信者情報開示請求とは、サイト管理者とプロバイダのそれぞれに対して、発信者の特定に必要な情報の開示を求める手続きで、発信者情報開示命令は、一体的な審理により発信者の特定が可能となる手続きです。
    企業が風評被害を発生させた人に対して、厳格な姿勢で対応することを世間に示すことができれば、風評被害の再発防止にもつながります。

5、レピュテーションリスク対策や誹謗中傷の対応は弁護士へ

レピュテーションリスクの対策や誹謗中傷の対応は、弁護士にお任せください。

  1. (1)発信者情報開示請求、発信者情報開示命令などの法的対応が可能

    発信者情報開示請求や発信者情報開示命令は、仮処分、訴訟、非訟手続きなどの法的対応が必要になります。不慣れな方では、どのような流れで手続きを行えばよいのか、どのような手段を選択すればよいのかが分からず、時間ばかりがすぎてしまい被害が拡大するおそれもあります。

    弁護士であればこのような法的対応も迅速かつ適切に手続きを進めることができます。

  2. (2)社内規程、社内体制の整備・構築のサポート

    企業によって規模や業種、扱う商品・サービスは異なりますので、レピュテーションリスクへの対策として必要な社内規程や社内体制も企業によって異なります。
    それぞれの企業の実情に応じた規程や体制を整備するためには、専門家である弁護士のサポートが不可欠となります。弁護士に相談・依頼することで、企業に応じた最適なプランを選択し、それを実現することができます。

  3. (3)問題が発生した場合の適切な対応が可能

    レピュテーションリスクが顕在化した場合には、被害を最小限に抑えるためにも迅速かつ適切な対応が求められます。レピュテーションリスクの顕在化という出来事は、企業にとってイレギュラーな出来事になりますので、どのように対応すればよいか分からず、誤った対応によって被害を拡大させてしまうおそれもあります。

    そのため、まずは弁護士に相談をして、今後の対応を協議するとよいでしょう。弁護士からのアドバイスやサポートがあれば、早期に適切な対応を実施することができ、レピュテーションリスクによる被害を最小限に抑えることにつながります。

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6、まとめ

インターネットやSNSの普及により、企業にはレピュテーションリスクの顕在化に備えた対策が求められます。レピュテーションリスクの顕在化は、企業にはさまざまなリスクや損害が生じますので、適切な対応や対策が必要となります。

弁護士であればレピュテーションリスク対策から誹謗中傷などへの対応も可能ですので、まずは、ベリーベスト法律事務所までご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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