企業法務コラム
YouTuberなどのクリエイターは、インターネット上で誹謗中傷を受けるケースが非常に多いです。悪質な誹謗中傷を受けると、心身ともに疲弊してしまうばかりでなく、視聴者からの評判にも悪影響が生じるおそれがあります。
誹謗中傷のコメントに対しては、削除請求・発信者情報開示請求・損害賠償請求などによって対抗しましょう。弁護士にご相談いただければ、これらの請求を全面的にサポートいたします。
本記事では、クリエイターに対する誹謗中傷について弁護士ができるサポートや、具体的な対抗策などをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
脅迫や犯行予告、住所や名前を特定する行為は、クリエイターの心身に対する直接の危害につながります。このような行為を受けた場合には、すぐに警察へ相談しましょう。
警察に相談すべきかどうか判断に迷う場合には、弁護士にご相談ください。弁護士は、警察に対する刑事告訴などをサポートすることも可能です。
警察・弁護士のどちらに相談する場合も、受けている被害に関する証拠は不可欠です。
問題となる投稿やメッセージのスクリーンショットやURLなどを保存し、警察や弁護士に提示しましょう。
保存する際には、投稿内容だけでなく、相手方のアカウント名などの情報が記載されたプロフィール画面も保存するとよいでしょう。
直ちに危害を加えることを示唆する内容ではなくとも、クリエイターに対する誹謗中傷は違法行為であり、被害者としては決然と対応することをおすすめします。
誹謗中傷への対応は、弁護士がサポートを行っています。弁護士はクリエイターへの誹謗中傷に対して、主に以下の手続きのサポートが可能です。
誹謗中傷に当たるコメントは、大半のSNSサイトや掲示板サイトのガイドラインに基づく削除対象となっています。また、裁判所に対して投稿削除の仮処分を申し立てれば、悪質な誹謗中傷の投稿削除を命じてもらうこともできます。
誹謗中傷コメントを放置した場合、コメントを根拠なく信じたユーザーが離れてしまうなど、クリエイターとしての評判の悪化や経済的な損失につながりかねません。弁護士は、一刻も早く誹謗中傷コメントを削除させるため、さまざまな方法によってサポートいたします。
詳しい削除請求のやり方は、3章と4章で解説します。
誹謗中傷によってクリエイターに、売上が低下するといった営業上の損害や、精神的損害が生じた場合には、投稿者に対して損害賠償を請求できます(民法第709条)。
弁護士は、示談交渉や訴訟などによる損害賠償請求の手続きを全面的に代行いたします。誹謗中傷の投稿者が匿名の場合でも、発信者情報開示請求などを通じて、投稿者の特定を試みることも可能です。
悪質な誹謗中傷は脅迫罪(刑法第222条)、名誉毀損(きそん)罪(刑法第230条)や侮辱罪(刑法第231条)等が成立する可能性があります。被害者は検察官または警察官に対して刑事告訴ができます(刑事訴訟法第230条)。
刑事告訴をする際には、警察署に対して告訴状を提出するのが一般的です。告訴状と併せて、誹謗中傷のコメントを保存した画像や損害を示す証拠を提出すれば、速やかに捜査を行ってもらえる可能性が高まります。
弁護士は、刑事告訴に関するサポートも行っています。誹謗中傷の投稿者の処罰を求めたい場合は、弁護士にご相談ください。
上記のほかにも、弁護士はクリエイターが置かれている状況やご希望に応じて、必要な手続をご案内いたします。
また、顧問契約プランをご利用いただければ、企業と締結する契約書のチェックや、コンテンツに関するガイドラインへの適合性チェックなど、誹謗中傷への対応以外についても、弁護士がご対応いたします。
クリエイターのご要望に応じて柔軟にサポートいたしますので、お気軽に弁護士へご相談ください。
誹謗中傷コメントの削除は、裁判手続きによらない方がコストを節約でき、かつ迅速に削除してもらえる可能性があります。
誹謗中傷コメントを裁判外で削除させる方法としては、以下のパターンが考えられます。
裁判外での対応に関しても、弁護士が誹謗中傷コメントによる名誉権やプライバシー権等の権利侵害該当性を具体的に主張することで、コメントが削除される可能性が高まります。
投稿者が特定できている場合には、投稿者本人に対して削除を求めることが考えられます。
誹謗中傷の投稿者は、軽い気持ちで投稿しているケースが多いです。誹謗中傷に対しては、法的手続きを含めた厳しい対応をとる旨を伝えれば、ことの重大さに気づいた投稿者が自主的に投稿の削除に応じる可能性があります。
しかし、早急な削除を求めて自分で連絡した場合、削除依頼をしたこと自体を投稿者に晒されることで、トラブルがより大きくなることもあります。
そのため、投稿者に直接連絡を行うかどうかは慎重に判断する必要があります。対応方法を迷われた場合は、弁護士に対応を相談してから相手に削除を求めましょう。
投稿者が匿名である場合や、投稿者が削除に応じない場合には、投稿先のサイト管理者に対して削除を申請しましょう。
SNSサイトや掲示板サイトでは、問い合わせフォームや削除申請フォームを設置しているケースが多いです。この場合は、サイト上に設置されたフォームから削除申請を送信しましょう。
削除申請に当たっては、サイトごとに定められた削除ガイドラインなどの規定を踏まえる必要があります。削除すべきコメントの要件や具体例などを参照しつつ、問題のコメントが削除されるべきであることを説得的に説明することが、速やかに削除してもらうためのポイントです。
フォームに記載すべき内容について迷われる場合は、削除申請の経験がある弁護士に任せることがおすすめです。
サイト管理者が問い合わせフォームや削除申請フォームなどを設置していない場合は、内容証明郵便によって連絡することも考えられます。
特に、内容証明郵便を弁護士名義で送付するとともに、任意の削除に応じない場合には仮処分申立てなどの法的措置を行うことを通知することで、速やかに誹謗中傷コメントを削除してもらえる可能性があります。
投稿者本人やサイト管理者に連絡しても、誹謗中傷コメントが一向に削除されない場合は、法的手続きによる対応も検討しましょう。
誹謗中傷コメントに対抗するために利用し得る主な法的手続きは、以下のとおりです。
サイト管理者に誹謗中傷コメントを削除させるための方法のひとつとして、裁判所に投稿削除の仮処分を申し立てることができます。
投稿内容の削除を求める仮処分が認められるには、被保全権利の存在と、保全の必要性を満たす必要があります。
被保全権利とは、誹謗中傷コメントによって侵害されている権利を指します。
具体的には名誉権、プライバシー権、著作権などの法的権利が侵害されていることを示す必要があります。
保全の必要性とは、権利侵害が生じているためただちに保全しなければいけない必要性を指します。誹謗中傷コメントが現に公開されている場合は、権利侵害が継続しているとして保全の必要性が基本的には認められます。
投稿削除の仮処分命令を得た後に、再度サイト管理者に対して裁判所から仮処分命令が出たことを示す書面とともに、投稿の削除申請を行えば、速やかに誹謗中傷コメントが削除されるケースが多いです。
誹謗中傷コメントの投稿者の責任を追及するためには、投稿者が誰であるかを特定しなければなりません。
匿名の投稿者を特定する方法としては、プロバイダ責任制限法に基づく「発信者情報開示請求」が挙げられます。
発信者情報開示請求の主な手続としては、発信者情報開示の仮処分を申し立てる方法の他に、新たに制定された発信者情報開示命令があります。どちらの手続を選択すべきかについては、誹謗中傷コメントの内容や投稿されたサイトに応じて個別具体的に検討する必要があるため、弁護士に相談することをおすすめします。
発信者情報開示請求を行えば、投稿先のサイト管理者や投稿に用いられた端末のインターネット接続業者から、投稿者の個人情報の開示を受けられることがあります。
誹謗中傷コメントの投稿者が特定できたら、投稿者に対して損害賠償請求を行うことができます。
まずは示談交渉から初めて、任意での支払いを求めることが一般的ですが、示談が成立しない場合は損害賠償請求訴訟を提起することが考えられます。
損害賠償請求訴訟では、被害者側が誹謗中傷コメントの事実・内容や被った損害などを立証しなければなりません。特に損害額については、営業上の損害や精神的損害などを含めた総額を、具体的な事実関係に基づいて主張・立証する必要があります。
弁護士にご依頼いただければ、クリエイターが適切な損害賠償の金額の支払いを受けられるように、訴訟対応などの手続きを全面的にサポートいたします。
SNSなどを通じて誹謗中傷を受け、不安を感じたクリエイターの方は、早めに警察や弁護士に相談しましょう。
警察は、クリエイターを犯罪被害から守るために、必要な捜査や警備などを行ってくれる可能性があります。弁護士は、誹謗中傷への対応や、誹謗中傷による被害を回復する法的手続などについてアドバイスを行い、必要なサポートをいたします。
また、日頃から継続して誹謗中傷に備えるためには、弁護士との顧問契約を締結するのがおすすめです。誹謗中傷を受けにくい創作活動のあり方について弁護士がアドバイスするとともに、実際に誹謗中傷の被害を受けた場合には、速やかに弁護士がご対応いたします。
ベリーベスト法律事務所は、インターネット上における誹謗中傷に関するご相談を随時受け付けております。ご相談いただいた内容に応じて削除請求や損害賠償請求などのご対応を迅速かつ適切に行います。
悪質な誹謗中傷にお悩みの方や、顧問弁護士との契約をご検討中の方は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。
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