企業法務コラム

2020年09月02日
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フランチャイズオーナーになる前に! 知っておきたい法的注意点とは

フランチャイズオーナーになる前に! 知っておきたい法的注意点とは

コンビニや飲食店、量販店などのフランチャイズオーナーとして開業するとき、準備すべきことが非常にたくさんあります。フランチャイズ契約では、開業後に思ってもみなかった法的リスクが発生するケースも多いので注意が必要です。
今回は、フランチャイズオーナーとして開業する際に知っておいた方がよい法律的な知識、注意点について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、フランチャイズとは

そもそも「フランチャイズ」による事業展開とはどういったことなのか、理解しましょう。

  1. (1)基本的なフランチャイズの仕組み

    フランチャイズとは、本部が加盟店に商号や商標の利用を認め商品・サービスの販売援助、経営ノウハウの指導・教育などを行うのと引き換えに、加盟店からロイヤリティや保証金などを支払わせるビジネスのシステムです。

    たとえばコンビニチェーンを例にします。本部であるA社が加盟店を募り、加盟店(フランチャイズオーナー)に「A」の商標・商号の利用を認め、Aの商品を提供して販売方法などのマニュアルを配布し、オーナーには「A店長」として事業展開できるよう準備します。
    その代わりオーナーはA本部に売上金の一部や保証金等を支払います。

    オーナーとしては、まったく誰の支援もなく「個人商店」として独立開業するよりも「A」などの本部の知名度を利用してノウハウなども習得できる分、売り上げを上げやすいメリットがあります。

  2. (2)多種多様な事業に広がるフランチャイズ

    フランチャイズというとコンビニのイメージが強いのですが、最近ではドラッグストア、スーパーマーケット、ラーメン店などの外食産業、理容店美容店、塾や各種スクール、介護サービスなどのいろいろな分野にフランチャイズが広がっています。

2、フランチャイズ経営で起こりやすい問題とは?

フランチャイズオーナーとして経営をするのであれば、「知らなかった」では済まないことが多々あります。慎重にチェックしなければトラブルが起こりやすいので注意しましょう。

  1. (1)事前説明が不適切

    本部が加盟店とフランチャイズ契約をするとき、本部側がきちんとリスクや売り上げ予測・収益予測の正しい数字を伝えないケースがあるようです。このようなケースでは、オーナーとしては、開業後に思っていたようには売り上げが上がらず苦しい経営を強いられてしまうことになります。

  2. (2)契約後に放置するフランチャイザー

    フランチャイズ契約では、フランチャイザー(本部)が加盟店に対して指導や援助、ノウハウの共有などを行うことになっているのが通常です。しかし中にはこういった指導をきちんと行わず放置し、加盟店の訪問すらしないフランチャイザーがあります。

    オーナー側はどのように営業を進めてよいか判断できず対応に困ってしまうことでしょう。

  3. (3)テリトリー契約違反

    フランチャイズによる事業展開を行うとき、近接して同業の店舗が乱立すると当然店舗間での競争が発生し「つぶし合い」になってしまいます。そこでフランチャイズ契約では本部側に「ある店舗の一定の範囲内には新規店舗を出店しない」義務を定めているのが通常です。

    ところが本部がそれにかまわずテリトリーの範囲内に新規店舗を出店したために競争が起こって既存の店舗が疲弊したり、既存の店舗が抗議しても受付けてもらえなかったりするケースがあります。

  4. (4)不当な契約更新拒絶

    フランチャイズ契約では、一定の契約期間が定められているのが一般的です。

    ところが契約満了時、本部側が特に理由もないのに一方的に契約更新を拒絶するケースが少なくありません。オーナーは、契約更新を当然の前提として開店時に多額の開業資金を投じているケースもあるので、突然の契約終了により大きな痛手を被ります。

  5. (5)契約終了時の高額な違約金

    フランチャイズによるビジネスがうまく行かなかった場合、加盟店側からフランチャイズ契約の解約を申し出るケースもあります。しかしフランチャイズ契約では、加盟店側から解約すると莫大な違約金が発生する内容になっていることが多いので注意が必要です。
    違約金を払えないので、売り上げが上がってはいないけれど泣く泣く営業を継続せざるを得ないオーナーも少なくありません。

  6. (6)独立後の厳しすぎる競業避止義務

    フランチャイズオーナーが、経営ノウハウなどを身に付けてフランチャイズから独立し、自分のお店を開業しようとするときにもフランチャイザー(本部)との関係が問題となります。

    フランチャイズ契約では、契約終了後にオーナーへ「競業避止義務」を課するケースがあるためです。フランチャイズオーナーが独立して営業し始めると、本部がオーナーに対して「営業の差し止め請求」や「損害賠償請求」をする事例が散見されます。

  7. (7)フランチャイズオーナーがトラブルを防ぐには

    オーナーがフランチャイズ経営にまつわるトラブルを防ぐには、まず契約前にしっかり契約書を読んで契約内容を理解する必要があります。また説明会に参加して不明点を質問し、疑問を解消してから契約しましょう。
    さらにいろいろなフランチャイジー(加盟店オーナー)からそのフランチャイズ事業の実情について具体的な話を聞いて情報収集し、当該フランチャイザーを信頼してよいものか精査しておくべきです。

3、フランチャイズに関係する法律

フランチャイズ契約には、さまざまな法律が関わります。

  1. (1)民法

    取引の基本を定める法律です。契約の成立や解除、損害賠償などの基本事項について定めています。

  2. (2)商法

    商取引をするときのルールを定める法律です。民法の原則が修正されている部分も多数あります。フランチャイズ契約は「商取引」なので、民法より商法をあてはめるべきケースが多くなっています。

  3. (3)中小小売商業振興法

    フランチャイズオーナーは通常、零細や中小の事業主です。中小小売商業振興法は、そういった中小事業主を保護し、健全に成長させることによって経済の発展を目指す法律です。

    中小小売商業振興法の第11条では、特定連鎖化事業の運営の適正化について定めています。フランチャイズなどの「特定連鎖化事業」に加盟する中小小売商業者を保護するための条文です。具体的に第6号まで定められていて、契約時にフランチャイジー(本部)が加盟店へ一定の内容を記載した書面を開示すべき義務を明示しているのです。

    ただしこの法律が適用される業種は、本法第2条によって定義されています。フランチャイズチェーンであっても中小小売商業振興法が適用されない業種があることを知っておきましょう。オーナーとしてフランチャイズ事業に参加するときには、同法の適用対象となる業種かどうかの確認が必要です。

  4. (4)独占禁止法

    フランチャイズ事業を展開するときには「独占禁止法」についての知識が必要です。独占禁止法は、不公正な取引を制限して経済の健全な発展を目指すための法律で、正式名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」です。

    フランチャイズ事業の場合、本部が加盟店を勧誘するときに虚偽の説明をしたり加盟店側の勘違いに乗じたりしていると、独占禁止法違反が問題となります。独占禁止法では、第19条によって「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。」と明示しているためです。

    またフランチャイズ契約において、本部側がその優越的な地位を背景に加盟店側に厳しすぎる拘束や義務を課する場合にも独占禁止法違反となる可能性があります。フランチャイズ事業では独占禁止法違反が起こりやすいこともあり、公正取引委員会が「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」というガイドラインを公表しています。契約を検討する際は必ず確認しましょう。
    フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について:公正取引委員会

    これまで経営経験のない方が始めて開業届を出してフランチャイズオーナーとなるときには、法律の基礎知識をしっかり固めておく必要があります。独学で身に着けることができるかもしれませんが、適切な判断をしたいとお考えであれば、弁護士に相談したほうが確実です。

4、フランチャイズ契約前に、弁護士に相談を!

フランチャイズ事業に参入し、思わぬ不利益を受けないようにするには弁護士の力が必要です。

  1. (1)フランチャイザーに問題がないか確認できる

    最近ではいろいろな業種にフランチャイズ型事業展開が取り入れられてたくさんの業者が本部として参入しているため、悪質なフランチャイザーも増えています。巧みな営業トークなどを身に着けているケースも多く、一般の方では、フランチャイザーの対応や要求に問題があるかどうか見抜きにくいものです。

    その場で即決せず、書面などを持ち帰り弁護士に相談しておくことで、相手の対応に問題があれば指摘してもらえます。即決を迫る業者との契約は避けたほうが賢明です。弁護士と相談したうえで契約を検討することによって、詐欺業者や加盟店側に不当な圧力をかけてくる悪質フランチャイザーと契約してしまうリスクを避けられます。

  2. (2)契約書のチェック

    フランチャイズ契約を締結するときには、事前の契約書チェックが必要不可欠です。契約内容が必要以上にオーナー側に不利になっているケースなら契約を見送るべきですし、途中解約や違約金についても確認しておくべきです。

    弁護士に契約書のチェックを依頼すると、問題点を指摘してもらえるのでフランチャイズ側との交渉に使えますし、問題のある契約を締結してしまうリスクを避けられます。

  3. (3)難しい法律についてのアドバイス

    フランチャイズ契約においては、前述のとおり、独占禁止法を始めとする複数の法律がかかわることになります。経営していくうえでアルバイトなど従業員を雇うことになれば、労働基準法についても知っておかなければなりません。

    おひとりではすべての法律を網羅して理解し、対応することは非常に難しいでしょう。しかし、法律の分野に限りませんが、やはり餅は餅屋です。弁護士に相談することによって、法律知識を前提としたアドバイスを受けられます。

  4. (4)トラブルになったときの対応も依頼できる

    実際にフランチャイザー側とトラブルになってしまったときでも、弁護士がいれば代理交渉を依頼したり、時には裁判を起こしたりしてオーナー側の権利を実現できます。

    弁護士への相談は都度行うことができます。しかし、フランチャイズ事業を行うときには、継続的に相談できる弁護士がいたほうが、安心できるのではないでしょうか。過去に起きた出来事など、ゼロから説明しなおす方が手間になるケースは少なくありません。

    ベリーベスト法律事務所では、顧問弁護士サービスを提供しています。リーズナブルな価格で事業内容や必要性に応じたプランを選択できるサービスです。今後のリスクヘッジをお考えであれば、ぜひご検討ください。豊富な知見をもとに、丁寧な対応を行います。

5、まとめ

これまでサラリーマンや主婦だった方でも「フランチャイズオーナー」としての仕事を選択すると、「事業主」として扱われます。しかし中小零細事業者であるオーナーと大企業であることも多いフランチャイザーとの間には明らかな力の差があり、不当な圧力をかけられるケースが多々あるようです。

個人で対応するよりも弁護士に任せた方が有利に事業展開できる可能性が高まります。フランチャイズ契約を検討しておられるなら、提示されている契約書をご持参してベリーベスト法律事務所の弁護士にご相談ください。契約書内容のチェックしたうえで、どのようにすべきかについてアドバイスします。お気軽にお問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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