企業法務コラム

2021年12月08日
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米国への渡航者に対する新型コロナ予防ワクチン接種義務化について

米国への渡航者に対する新型コロナ予防ワクチン接種義務化について

2021年10月25日、米バイデン大統領は、これまでの地域別渡航禁止措置を廃止し、国外からの空路での米国渡航者全員に対して新型コロナ予防ワクチン接種を義務付ける大統領告示(Presidential Proclamation 10294)を発出しました。同告示は、2021年11月8日から適用されています。

同告示の適用対象は、空路で米国に渡航し入国しようとする者のうち、米国籍者・米国永住権者以外の者です。米国籍者・米国永住権者以外の者は、一部例外を除き、新型コロナ予防ワクチン接種を「完了」していなければ、米国への入国が認めらないことになりました。

大統領府及び国務省、CDC(米国疾病対策予防センター)などの機関が、この新たな渡航制限の実施に関して付加的なガイドラインを発表していますので、以下、その概要を説明します。

1、地域別渡航禁止措置の廃止と新たな義務

以前は、中国、イラン、EU(欧州連合)、英国(アイルランド含む)、ブラジル、南アフリカおよびインドといった特定地域からの渡航が禁止されていましたが、そのような地域別の渡航禁止措置は撤回されることとなりました。

一方、米国籍者・米国永住権者以外の者は、新型コロナ予防ワクチン接種を「完了」していない場合、一部例外を除き、入国が認められないこととなったのです。
米国への渡航者は、米国に向かう航空機搭乗前に、接種「完了」していなければなりません

米ホワイトハウスが10月25日に発行したファクトシートによりますと、渡航者は、利用する航空会社に対して、新型コロナ予防ワクチンの接種を完了しているという証拠を示し、同航空会社が、

  • ① 接種証明書類の氏名及び生年月日の照合
  • ② 同書類が発行された国の公的な機関(公衆衛生機関、政府機関、認定されたワクチン発給元等)によって発行されたものであることの確認
  • ③ CDCによる接種「完了」の定義(FDA(米国食品医薬品局)により認定されているか又はWHO(世界保険機構)の緊急使用認定ワクチンに含まれているか)に該当することの確認

をすることとされています。
ワクチンの種類、接種日、接種を受けた場所についても確認されることになります。

公的機関が発行した接種証明書(デジタル化されたものを含む)の提示により、証明が可能ですが、航空会社が内容を確認できるようにする必要があるため、英語以外の言語による場合は、あらかじめ航空会社に翻訳文の要否を確認するよう、CDCから注意喚起がなされています

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2、接種「完了」の要件

  1. (1)ワクチンの種類

    接種ワクチンの種類については、FDAにより認定されたワクチン、又は、WHOの緊急使用認定ワクチンであれば要件を満たすとされており、以下のワクチンが該当します。

    • Janssen/Johnson & Johnson(1回接種用)
    • Pfizer-BioNTech
    • Moderna
    • AstraZeneca
    • Covishield
    • BIBP/Sinopharm
    • Sinovac
  2. (2)接種時期

    接種「完了」とみなされるためには、ワクチンの最後の接種(1回接種用ワクチンについては1回、異なる上記ワクチンの組み合わせによる2回接種も可)を受けてから2週間が経過している必要があります。

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3、適用対象及び例外措置について

米国市民、米国永住権者、移民ビザによる米国渡航者には、同告示の義務は適用されません。
ただし、米国外で移民ビザ申請中の者や米国内からビザ更新を申請中の者は、2021年10月1日以降、承認されている新型コロナ予防ワクチンの接種を受けることが義務付けられます。

接種義務にはいくつかの例外が規定されており、これら例外として認めてもらうことを求める手続きはCDCによって公開されています。

  • 未成年者:18歳未満の者
  • 被験者:CDC長官の決定により新型コロナ予防ワクチンの被験者又は被験者になる予定の者
  • 禁忌(医学的に接種できない者):承認された新型コロナ予防ワクチンが禁忌の者(搭乗前に、航空会社に対し、医師による診断書を提出することが必要。英訳が必要な場合あり)
  • 人道的観点からの緊急例外措置:健康と安全の観点から限定的な状況下で渡米を要するとしてCDC長官が認めた者(最寄り国の米国大使館又は領事館に関連情報を添えて申請する)
  • 新型コロナ予防ワクチンの接種率が10%未満の国(*1)の市民(接種率が10%以上の国に居住している者は除く)で、非移民ビザ(B-1/B-2ビザを除く)で入国しようとする者
  • 米国軍人及びその配偶者と子ども
  • 国益の観点からの例外
  • 外交官又は政府の公用による出張
  • 国連の公用による出張
  • 船員:C-1及びDビザによる渡航者
  • 航空会社の乗務員

(*1)該当国については、https://www.cdc.gov/quarantine/order-safe-travel/technical-instructions.htmlのTable4参照。日本は該当しません。

例外措置を求める者は、渡航前にExcepted Covered Individual Attestationを通じて例外措置該当性を証明する必要があります。虚偽申告は刑事罰の対象となることがありますので、ご注意ください。

なお、宗教的理由や道徳的信条による例外は認められていません。
また、自国では承認されているがFDAやWHOにより承認されていないワクチンの接種者は、外交官を除き、例外措置の対象となりません。

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4、例外措置が認められた場合

例外措置が認められた者は、入国後により厳しい検査対象となり、以下の限定的な例外を除き、入国後60日以内にワクチン接種を受けなければならないとされています。

  • 米国滞在期間が相当に短い者
  • 年齢に照らしワクチン接種が適切でないと思われる子ども
  • CDC長官の決定により新型コロナ対応の被験者となっている又はなる予定の者
  • 非移民外交ビザで入国している者で、自国で承認されているワクチンを接種済の者

例外の種類により、以下の誓約も義務付けられることになります。

  • 過去90日の間に新型コロナ感染から回復したとの記録がない限り、入国の3~5日後にウイルス検査を受けること
  • 到着後の検査で陰性であっても、過去90日の間に新型コロナ感染から回復したとの記録がない限り、7日間の自主隔離
  • 到着後の検査で陽性、又は、新型コロナの症状が生じた場合、自主隔離

なお、CDCは、例外措置対象か否か、接種完了しているか否かにかかわらず、全ての渡航者が上記のステップを踏むことを奨励しています。

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5、追跡措置

加えて、CDCは航空各社に対し、海外から米国への渡航者の情報(氏名、電話番号、メールアドレス、米国内での滞在・連絡先)を収集すべしとのnew contact tracing命令を発出しています。それらの情報は、保管され、追跡が必要として要請された場合CDCに提出されることになります。

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6、検査義務についての改定

同大統領告示とは別に、米国への入国者全員に対して課せられている検査義務についても、改定が予定されています。

米国市民、米国永住権者、移民ビザ又は非移民ビザによる米国への外国からの旅行者を含め、ワクチン接種済の者全てに対し、米国渡航前(乗り継ぎがある場合は最初の航空機に搭乗する前)3日以内にウイルス検査陰性の結果を得ることが義務付けられるようになる予定です。

接種未完了者は、米国市民、米国永住権者、例外措置対象者であっても、米国渡航前1日以内の「陰性証明」を得ることが義務付けられることになります。

2~17歳の子どもには、出発直前検査が義務付けられることになります。接種未完了の子どもが、接種完了した大人とともに渡航する場合、出発前3日以内の陰性証明があればよいとされますが、子どもが「単独」で渡航する場合は、接種未完了の大人と同様(渡航前1日以内の陰性証明が必要)の検査対象となります。

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7、その他

カナダやメキシコからの陸水路経由の入国についても制限が引き上げられ、2022年1月初旬からは、全ての外国人渡航者に対し接種完了が義務付けられることになります。

一方、告示は、亡命や難民、拷問等禁止条約による保護を申請する者の権利に影響を与えることはないとしています。

同大統領告示は、大統領により廃止されるまで効力を有することになります。HHS(米国保健福祉省)長官は、遅くとも60日以内、そして今後各月の末日に、同告示の継続、修正、又は廃止を勧告することとされています。
見直しが発表された場合は、また記事で紹介いたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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