企業法務コラム

2023年05月08日
  • PL法
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PL(製造物責任)法とは? 欠陥商品でクレーム・損害賠償が起きたら

PL(製造物責任)法とは? 欠陥商品でクレーム・損害賠償が起きたら

製造物に欠陥があった場合、PL法(製造物責任法)に基づき、製造業者が無過失責任を負います。製造物責任の発生要件を正しく理解し、クレーム等に適切に対応できるように備えましょう。
今回はPL法について、その目的、製造物責任の発生要件・免責要件、企業ができる事前対策などをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、PL法(製造物責任法)とは

PL法とは、製造物責任法の略称です。「製造物責任」を英訳した”product liability”の頭文字を取って「PL法」と呼ばれています。

PL法の目的は、製造物の欠陥により人の生命・身体・財産に被害が生じた場合につき、製造業者等の損害賠償責任を定めることにより、被害者の保護を図ることにあります。。 不法行為(民法第709条)に基づく損害賠償請求を行う際には、被害者側が、不法行為があったことや、加害者の故意または過失、発生した損害等を立証しなければなりません。

しかしこの場合、製造物の欠陥が原因となった損害については、被害者側が製造業者の責任を追及するのが難しい面があります。
被害者が製造過程を把握することは困難ですし、把握できたとしても技術的な知見に乏しいため、製造業者の故意・過失を適切に立証するのは大変だからです。

そこで、被害者が故意・過失の立証を要することなく、被害者が製造業者に対して損害賠償を請求できるように、PL法によって製造業者の無過失責任(=製造物責任)が定められました

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2、製造物責任の発生要件

PL法で定められた製造物責任は、以下の要件をすべて満たした場合に発生します。

  • 「製造業者等」であること
  • 「製造物」に「欠陥」があること
  • 欠陥によって他人の生命・身体・財産を侵害したこと

  1. (1)「製造業者等」であること

    製造物責任を負う「製造業者等」とは、以下のいずれかに該当する者をいいます(以下はPL法第2条第3項より抜粋)。

    • 製造物を業として製造、加工または輸入した者
    • 製造業者として当該製造物にその氏名、商号、商標その他の表示をした者、または当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者
    • 当該製造物の製造、加工、輸入または販売その他の事情から当該製造物にその実質的な製造業者と認めることのできる表示をした者
    製造業者の例
    • 自動車メーカー
    • 家電メーカー
    • 化粧品メーカー
    • 食品メーカー
    など
  2. (2)「製造物」に「欠陥」があること

    PL法においては「製造物とは、製造または加工された動産」と定められています(PL法第2条第1項)。

    製造物の例
    • 自動車
    • 家電
    • 化粧品
    • 食品
    など

    また、「欠陥」とは、製造物が通常持っているべき安全性を欠いていることを意味します(同条第2項)。安全性を欠いているか否かは、製造物の特性や、製造物の通常の使用形態、製造物が引き渡された時期等から総合的に判断されることになります。

    欠陥の例
    • 自動車のタイヤの強度が、走行に耐えない程度に低かった
    • 家電が通常の使用方法に耐えられずに発火した
    • 化粧品の中に、異常な量の肌荒れを引き起こす物質が混入していた
    • 食品の中に、有害な菌が許容量を超えて混入していた
    など
  3. (3)欠陥によって他人の生命・身体・財産を侵害したこと

    製造業者等の製造物責任は、製造物の欠陥によって、他人の生命・身体・財産を侵害した場合に発生します。

    生命・身体・財産の侵害の例
    • 自動車のタイヤが突然パンクして交通事故につながり、運転者が大けがをした
    • 家電の発火が原因で火事になり、短時間で消火できたものの、家の一部が燃えてしまった
    • 化粧品を使った結果、病的な肌荒れを発症した
    • 有害な菌が大量に含まれた食品を食べた結果、食中毒になった
    など
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3、製造物責任が発生しないケース

上記の要件を満たす場合でも、以下のいずれかに該当する時は、製造業者等は製造物責任を免れます

  1. (1)免責事由に該当する場合

    製造業者等には「開発危険の抗弁」、そして「部品製造業者の抗弁」が認められており、それぞれの要件を満たす場合には、製造物責任を免責されます(PL法第4条)。

    開発危険の抗弁(PL法第4条第1号)
    製造業者等が製造物を引き渡した当時の科学的・技術的知見によっては、当該製造物の欠陥を認識できなかったと認められる場合には、製造物責任が免責されます。

    (例)
    引き渡し当時における業界団体の安全基準に照らして欠陥は認められなかったものの、その後の研究によって安全性に問題があることが判明した場合


    部品製造業者の抗弁(PL法第4条第2号)
    以下の要件をすべて満たす場合には、製造物責任が免責されます。
    • 製造物が、他の製造物をつくるための部品、または原材料として使われたこと
    • 欠陥が、他の製造物をつくる部品として設計されており、その設計指示に従ったことにより生じたこと
    • 当該欠陥の発生について過失がないこと

    (例)
    自動車メーカーの設計指示に従って自動車部品を製造・納品したところ、自動車メーカー側の組み立て過程に問題があり、当該部品が組み込まれた機構から出火した場合

  2. (2)消滅時効が完成している場合

    製造物責任に基づく損害賠償請求権は、以下のいずれかの期間が経過すると時効消滅します(PL法第5条第1項、第2項)。

    • 被害者またはその法定代理人が、損害と賠償義務者を知った時から3年間(人の生命・身体を侵害した場合は5年間)損害賠償請求権を行使しないとき
    • 製造業者等が、当該製造物を引き渡した時から10年経過したとき

    なお、人の身体に蓄積した場合に健康を害する物質による損害や、潜伏期間が経過した後に症状が現れる損害については、損害の発生した時から上記の時効期間が進行します(同条第3項)。

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4、PL法違反で訴えられないために|会社ができる事前対策

製造物の欠陥発生を完全に防ぐことはできませんが、予防策をきちんと講じておけば、製造物責任に基づく損害賠償のリスクを低く抑えることができます

具体的には、以下のような事前対策をできる限り講じておくとよいでしょう。

  • 説明書の内容を充実させる・見やすくする
  • 出荷前の検品体制を整備する
  • 出荷後のアフターサポートをきちんと行う
  1. (1)説明書の内容を充実させる・見やすくする

    機械・器具・家電などについては、製品と一緒に入れる説明書の内容を充実させ、かつ見やすくすることが大切です。

    説明書によってわかりやすく使用方法を説明すれば、想定外の方法で製品を使用される可能性が低くなり、製造物責任が問題となるリスクが減ります。

  2. (2)出荷前の検品体制を整備する

    製品を出荷する前には、不具合の有無を網羅的にチェックすることが大切です。
    きちんと検品を行えば、欠陥をゼロにすることはできなくても、最小限に抑えることはできます。

    製品の欠陥をできる限り見落とさないように、ダブルチェック・トリプルチェックを行い、かつ検品マニュアルを整備するなど、充実した検品体制を整えることが重要です。

  3. (3)出荷後のアフターサポートをきちんと行う

    出荷後のアフターサポートを充実させることも、製造物責任のリスクを低減させることにつながります。

    アフターサポートの例
    • カスタマーセンターの設置
    • 定期検査
    • 保証期間の延長
    • 製造業者主導のリコール制度
    など

    アフターサポートを充実させることで、クレームを入れてきた顧客のケアを丁寧に行うことができます。さらに、製品の欠陥を早期に把握して、迅速に事後対応を講ずることも可能となります。

    弁護士にご相談いただければ、製造物責任のリスクを最小限に抑えるための体制整備についてもアドバイスいたします。

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5、PL法違反で訴えられたら弁護士に相談を|相談のメリット

消費者からPL法に基づく製造物責任を追及されてしまった場合、訴訟等大事になる前に適切な初期対応を行うことが重要です。
その際には、以下の理由から弁護士へのご相談をおすすめいたします。

  1. (1)初期対応についてアドバイスを受けられる

    弁護士は、製造物責任に関する問題を早期に解決するため、ポイントとなる初期対応について、状況に合わせたアドバイスを行います。

    初期対応の例
    • 製品回収(リコール)
    • 関係当局への報告
    • 被害者対応
    • マスコミ対応への助言
    など

    弁護士のアドバイスを踏まえて、上記のような対応を適切なタイミングで行えば、問題の早期解決が期待できます。

  2. (2)問題解決に向けた幅広いサポートを受けられる

    弁護士は、製造物責任に関する問題を解決する方法につき、多角的な観点からアドバイス・サポートを行います。

    サポートの内容の例
    • 製造物責任の要件の検討
    • 相手方との示談交渉
    • 訴訟対応
    など

    弁護士へのご依頼により、損害賠償請求に対応するための労力を大幅に減らしつつ、適正な条件で早期に問題を解決できる可能性が高まります

  3. (3)海外市場でのPL紛争にも対応可能

    国際法務の経験豊富な弁護士であれば、海外取引・海外製品に関するPL紛争への対応も可能です。

    日本と海外ではPL法のルールが異なるため、輸入品・輸出品に関するPL紛争については特に慎重な対応を要します
    弁護士にご相談いただければ、日本・海外の法令の違いを踏まえた上で、PL紛争に起因して企業に生じる責任を最小限に抑えるため、さまざまな角度からサポートいたします。

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6、まとめ

PL法(製造物責任法)では、製造物の欠陥に起因する損害につき、製造業者等の無過失責任を定めています。
製品の製造者である企業は、製造物責任を負うリスクを最小限に抑えるための事前対策を講じることが大切です。また、製造物責任の追及を受けた際には、速やかに弁護士へのご相談をおすすめいたします。

ベリーベスト法律事務所は、製造物責任に関する企業のご相談を随時受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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