企業法務コラム

2023年10月12日
  • 薬機法
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化粧品の広告やパッケージの成分表示、薬機法で違法になる表現は?

化粧品の広告やパッケージの成分表示、薬機法で違法になる表現は?

医薬品などに適用される「薬機法(医薬品医療機器等法)※」は、化粧品に対しても適用されます。(※正式名称:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)

化粧品に適用される、薬機法の規制の中では、広告規制と成分表示規制が特に重要です。化粧品事業を営む各企業は、自社に適用される薬機法の規制を正しく理解しておきましょう。

本記事では、化粧品に適用される薬機法の広告規制・成分表示規制をベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、薬機法とは?

薬機法とは、医薬品医薬部外品化粧品医療機器再生医療等製品(以下「医薬品等」と総称します)の製造・販売などに関する規制を定めた法律です。

  1. (1)薬機法の目的

    薬機法の目的は、以下の規制・措置によって保健衛生の向上を図ることにあります(薬機法第1条)。

    ① 以下の事項のために必要な規制
    • (a)医薬品等の品質・有効性・安全性の確保
    • (b)医薬品等の使用による保健衛生上の危害の発生・拡大の防止

    ② 指定薬物の規制に関する措置

    ③ 医療上特に必要性が高い医薬品・医療機器・再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置
  2. (2)化粧品にも薬機法が適用される

    化粧品は、人体に直接塗擦・散布されるものです。そのため、人体への悪影響を防止する目的で、化粧品にも薬機法が適用されます。

    一般に「化粧品」と呼ばれるものは、薬機法においては、通常、「医薬部外品」または化粧品のいずれかに分類されます。なお、あくまでその実質から分類されるため、特に海外からの未承認の輸入品だと、中には「医薬品」に該当するだけの作用が含まれる場合もあり得ます。

    薬機法上の医薬部外品に該当する化粧品は、以下いずれかの目的のために使用される、人体に対する作用が緩和奈もので、薬用化粧品などがあてはまります(同法2条2項1号)。

    • 吐き気などの不快感または口臭や体臭を防止する目的>
    • あせも、ただれなどを防止する目的>
    • 脱毛の防止や、育毛、除毛の目的>

    薬機法上の化粧品は、下記①~⑤の要件をすべて満たすものと定義されています(薬機法第2条第3項)。

    ① 人の身体について、以下のいずれかの目的により使用されるものであること
    • 清潔にする
    • 美化する
    • 魅力を増す
    • 容貌を変える
    • 皮膚または毛髪を健やかに保つ

    ② 身体への塗擦・散布その他これらに類似する方法で使用されるものであること

    ③ 人体に対する作用が緩和であること

    ④ 以下のいずれかの用途に使用されるものではないこと
    • 人または動物の疾病の診断、治療、予防
    • 人または動物の身体の構造、機能に影響を及ぼすこと
    ※いずれかの用途に使用される場合は「医薬品」に該当する

    ⑤ 医薬部外品に該当しないこと

    <化粧品の例>
    • シャンプー
    • リンス
    • 石けん
    • ファンデーション
    • クリーム
    • マニキュア
    など
  3. (3)化粧品に対する主な規制内容

    化粧品に対する、薬機法の主な規制は以下の2つに大別されます。

    • ① 広告表現に関する規制
    • ② 成分表示に関する規制

    広告表現に関する規制はマーケティング担当者など、成分表示に関する規制は製造担当者などが注意すべき規制です
    次の項目から、広告表現・成分表示に関する規制の詳細を解説します。

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2、薬機法で規制されている化粧品の広告表現

化粧品の広告表現については、薬機法において誇大広告の禁止などが定められています。

  1. (1)化粧品の誇大広告は禁止

    化粧品やその添付文書・容器・被包に、以下の事項を記載することは禁止されています(薬機法第62条、第54条)。

    • 虚偽または誤解を招くおそれのある事項
    • 保健衛生上危険がある用法、用量、使用期間

    また、化粧品の名称・製造方法・効能・効果・性能について、虚偽または誇大な広告を行うことは薬機法違反です(同法第66条第1項)。

  2. (2)違法な化粧品広告の具体例

    化粧品の広告表現については、厚生労働省が「医薬品等適正広告基準」を公表しているほか、日本化粧品工業連合会も「化粧品等の適正広告ガイドライン」を公表しています。
    参考:「医薬品等適正広告基準」(厚生労働省)
    参考:「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等」(厚生労働省)
    参考:「化粧品等の適正広告ガイドライン」(日本化粧品工業連合会)

    各基準・ガイドラインに従うと、以下の広告表現は薬機法に抵触する可能性が高くなります。

    ① 製造方法について
    実際の製造方法と異なる表現、またはその優秀性・安全性について事実に反する認識を得させるおそれのある表現
    (例)
    • 「最高の技術」
    • 「安全性が完全保証された製造方法」

    ② 効能・効果について
    薬機法に基づく承認等の範囲を超える表現
    実証不可能な効能

    ③ 成分・原材料等について
    効能・効果や安全性について事実に反する認識を得させるような、実証不可能な表現
    (例)
    • 「高貴成分配合」
    • 「デラックス処方」

    ④ 保証表現
    特定の効能・効果や安全性について、それが確実であることを保証するような表現
    (例)
    • 「これさえあれば一家安全」
    • 「安心安全へのお約束」
    • 「赤ちゃんにも絶対安心」
  3. (3)化粧品の広告表現を特に理解すべき会社・担当者

    化粧品の広告作成に関わる会社・部署・担当者は、薬機法における広告規制を正しく理解しておきましょう。

    (例)
    • 化粧品の広告制作会社の制作担当者やコピーライター
    • 化粧品メーカーから広告を依頼された広告代理店の担当者
    • 化粧販売業者や製造業者の広告部門の担当者
    • 化粧販売業者から依頼され、商品PRをするインフルエンサーやアフィリエイター

3、薬機法で義務付けられる化粧品の成分表示

薬機法および関連法令・通達では、化粧品について全成分表示が義務付けられています。

  1. (1)化粧品は全成分表示が義務付けられている

    「全成分表示」とは、化粧品に配合される、すべての成分の名称を表示することを意味します。

    化粧品については、原則として全成分表示が義務付けられています(薬機法第61条第4号、下記通達)。
    参考:平成12年9月29日医薬発第990号厚生省医薬安全局長通知「化粧品規制緩和に係る薬事法施行規則の一部改正等について」

  2. (2)成分表示の形式|原則と例外

    化粧品の全成分表示を行うに当たっては、以下のルールを順守することが推奨されています。

    ① 成分の名称は邦文名で記載し、日本化粧品工業連合会作成の「化粧品の成分表示名称リスト」などを利用して、消費者における混乱を防ぐよう留意する。
    参考:「化粧品の成分表示名称リスト」(日本化粧品工業会)

    ② 成分名の記載順序は、製品において分量が多い順に記載する。
    ※ただし、1%以下の成分・着色料は順不同

    ③ キャリーオーバー成分※については、表示不要。
    ※キャリーオーバー成分:配合されている成分に付随する成分(不純物を含む)で、製品中ではその効果が発揮されるより少ない量しか含まれないもの

    ④ 混合原料(いわゆるプレミックス)は、混合されている成分ごとに記載する。

    ⑤ 抽出物は、抽出物質と抽出溶媒または希釈溶媒を分けて記載する。ただし、最終製品に溶媒などが残存しない場合を除く。

    ⑥ 香料を着香剤として使用する場合の成分名は、「香料」として差し支えない。

    これらの事項は、原則として直接の容器または直接の被包に記載しなければなりません(薬機法第61条)。
    ただし、直接の容器・被包が小さく、成分の名称をすべて記載することができないときは、外箱・タグ・ディスプレーカードなどに表示することも可能です(薬機法施行規則第221条の2、第221条の3、第211条第1項、第2項)。

  3. (3)医薬部外品と化粧品の成分表示の違い

    医薬部外品に当たる化粧品については、そうでない化粧品とは異なり、全成分表示が義務付けられていません。その代わりに、医薬部外品に当たる化粧品の製造販売には、厚生労働大臣の承認が必要とされています(薬機法第14条第1項)。

    医薬部外品の成分表示については、日本化粧品工業連合会が自主基準を公表しています。
    同基準によれば、原則として医薬部外品の承認書に記載された全成分を表示しなければなりません。ただし企業秘密成分については、企業の判断によって表示しないことができるとされています。

    参考:「医薬部外品の成分表示の趣旨説明」(日本化粧品工業会)

  4. (4)化粧品の成分表示規制を特に理解すべき会社・担当者

    薬機法における化粧品の成分表示規制は、特に化粧品製造業者がよく理解しておく必要があります。

    成分表示に不適切な部分があると、リコールなどによって多額の損失を被る可能性があるため十分に注意しなければなりません。不適切な成分表示が残ったまま出荷されるといったことがないように、ダブルチェックやトリプルチェックが可能な体制を整備することも大切です。

4、薬機法に違反した場合の罰則

化粧品の誇大広告をした者は、刑事罰の対象となります。法定刑は「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金」で、併科されることもあります(薬機法第85条第4号)。
また、役員や従業員が誇大広告をした場合は、会社にも「200万円以下の罰金」が科されます(同法第90条第2号)。

製造業者や販売業者だけでなく、広告代理店・インフルエンサー・アフィリエイターなども、薬機法違反の誇大広告をした場合は刑事罰の対象となるのでご注意ください。

5、薬機法など、化粧品事業に関する法律のご相談は弁護士へ

化粧品事業を行うに当たっては、順守すべき薬機法の規制について、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士のアドバイスを受けながら広告や成分表示などを行うことで、薬機法違反のリスクを回避できます。万が一、薬機法違反に当たり得る表記などが発見された場合にも、弁護士のサポートを受ければ、ルールにのっとった適切な見直しが可能です。

薬機法をしっかりと理解せずに化粧品事業を運営すると、刑事罰などの対象になりかねません。リコールやレピュテーションの低下など、経済的なダメージも強く懸念されます。

安定的に化粧品事業を運営するためには、ぜひ弁護士にご相談ください。

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6、まとめ

化粧品の広告に関わる方は薬機法の広告規制を、化粧品の製造事業者は薬機法の成分表示規制をそれぞれ理解する必要があります。薬機法違反の責任を問われないようにするためには、弁護士へのご相談がおすすめです。

ベリーベスト法律事務所は、化粧品事業や薬機法に関するご相談を随時受け付けております。薬機法を順守しながら安定的に化粧品事業を運営したい方は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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