販促施策としてプレゼントキャンペーンを実施する企業は多いものの、景品表示法における「景品類」の規制を正しく理解しないまま企画を進めてしまうと、上限金額の超過などにより行政指導や措置命令、刑事罰の対象となるおそれがあります。特に、懸賞の種類ごとに異なる金額規制や、業種ごとの特則などは判断が難しく、実務上のトラブルにつながりやすいポイントです。
本記事では、景品表示法に基づくプレゼントの上限金額について、景品類の定義や種類ごとの規制内容、違反となる具体例やペナルティを踏まえて、企業が押さえておくべき実務上のポイントをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
景品表示法に基づく景品類の金額規制について、その内容を詳しく解説します。
参考:「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」(消費者庁)
参考:「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」(消費者庁)
景品類は、「一般懸賞」「共同懸賞」「総付景品」の3種類に分類されます。各種類の景品類について、それぞれ異なる金額規制が適用されます。
なお、いわゆる「カード合わせ」については、景品類の最高額や総額にかかわらず、全面的に禁止されています。
参考:「インターネット上の取引と「カード合わせ」に関するQ&A」(消費者庁)
一般懸賞とは、以下のいずれかの方法によって、提供の相手方または提供する価額を決める景品類(=懸賞)のうち、共同懸賞以外のものです。
(a)くじその他偶然性を利用して定める方法(例:1等1000円、2等500円、3等300円……)
(b)特定の行為の優劣または正誤によって定める方法(例:じゃんけんで勝ったら1000円)
●上限金額
| 景品類の総額上限 | |
|---|---|
| 取引予定総額の100分の2以内 | |
| 取引価格 | 上限金額 |
| 5000円未満 | 取引価額の20倍 |
| 5000円以上 | 10万円 |
| 取引価額 | 景品の上限 |
|---|---|
| 500円 | 1万円 |
| 1000円 | 2万円 |
| 3000円 | 6万円 |
| 5000円 | 10万円(上限) |
| 1万円 | 10万円(上限) |
共同懸賞とは、懸賞のうち、以下のいずれかに該当するものです。
(a)一定の地域における小売業者またはサービス業者の相当多数が共同して行う場合
(b)一の商店街に属する小売業者またはサービス業者の相当多数が共同して行う場合(中元・年末等の時期において、年3回を限度とし、かつ年間通算して70日の期間内で行う場合に限る)
(c)一定の地域において一定の種類の事業を行う事業者の相当多数が共同して行う場合
●上限金額
| 景品類の総額上限 | |
|---|---|
| 取引予定総額の100分の2以内 | |
| 取引価格 | 上限金額 |
| 取引価格にかかわらない | 30万円 |
総付景品とは、景品類のうち、懸賞によらないで提供するものです。商品・サービスの購入者・利用者全員に提供される景品を指します。
●上限金額
| 景品類の総額上限 | |
|---|---|
| なし | |
| 取引価格 | 上限金額 |
| 1000円未満 | 200円 |
| 1000円以上 | 取引価額の10分の2 |
| 商品価格 | 景品の上限 |
|---|---|
| 500円 | 200円 |
| 980円 | 200円 |
| 1000円 | 200円 |
| 2000円 | 400円 |
| 5000円 | 1000円 |
| 1万円 | 2000円 |
業界の実情等に鑑み、以下の業種については、通常とは異なる景品規制が適用されます。
商品・サービスの購入や来店を条件とせず、郵便はがき・ファクシミリ・ウェブサイト・電子メールなどで申し込むことができる懸賞企画は、一般に「オープン懸賞」と呼ばれています。
オープン懸賞については、景品表示法の金額規制が適用されないため、金額の上限はありません。
景品表示法に基づく景品類の金額規制に違反した事業者は、行政指導・消費者庁による措置命令・刑事罰の対象となります。
令和4年度(2022年度)の実績値では、景品事件に関する措置命令は0件ですが、消費者庁による行政指導は計9件行われました。
参考:「令和4年度における景品表示法の運用状況及び表示等の適正化への取組」(消費者庁)
また大阪府のように、景品類に関する金額規制違反について、行政指導を行って例を公表している自治体もあります。
商品やサービスに何らかのプレゼントを付ける際には、景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)における景品類の規制に注意する必要があります。
景品表示法は、商品やサービスについて不当な景品類や表示を防止するための規制を定めた法律です。
一般消費者が商品やサービスを選択する際には、その品質や価格等に注目して判断するのが本来の姿です。品質や価格などによる正当な競争が行われれば、社会全体で品質やコストパフォーマンスの向上が促されます。
しかし、高額の景品類が付けられていると、品質や価格などとは関係がない部分に注目して商品やサービスが選択されてしまいます。また、商品やサービスの品質や価格などについて、その実態に沿わない表示が行われていると、一般消費者は正しく選択を行うことができません。
このような事態を防ぐため、景品表示法では景品類について限度額を設けるとともに、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある不当表示(優良誤認表示・有利誤認表示)を禁止しています。
景品表示法に基づく金額規制が適用されるのは、「景品類」に当たるものです。
景品類とは、以下の要件をすべて満たすものをいいます(景品表示法第2条第3項、平成21年8月28日公正取引委員会告示第13号)。
商品やサービスに付されるプレゼントに対しては、正常な商慣習に照らしてアフターサービスや付属的な経済上の利益と認められない限り、景品類に関する金額規制が適用される点に注意が必要です。
本稿では、プレゼントキャンペーンでも特に「過大な景品類の提供」に関する内容を解説していました。これとは別に、キャンペーン期間に関する表示について、不当表示とならないよう注意すべき点も存在します。
景品表示法を順守し、プレゼントキャンペーンを適切な形で実施するためには、あらかじめ弁護士に相談すると安心です。
弁護士は、景品表示法に関する規制を踏まえた上で、提供し得る景品類の内容や金額、キャンペーンの宣伝方法など全体的な広告の方法に関して、具体的にアドバイスいたします。その結果、消費者庁や都道府県知事から行政指導・行政処分を受けるリスクを防げるでしょう。
特に弁護士と顧問契約を締結すれば、景品表示法に関する疑問点や、その他の事業運営上の悩みについていつでもご相談いただけます。プレゼントキャンペーンを検討している事業者の方は、まずはお気軽にベリーベスト法律事務所までご相談ください。
プレゼントキャンペーンを企画する際には、景品表示法に基づく金額規制を順守する必要があります。弁護士に相談して、どのような景品であれば提供してよいかについてアドバイスを受けましょう。
ベリーベスト法律事務所は、景品表示法に関するご相談を随時受け付けております。月額3980円からの顧問契約サービスもご提供しており、お客さまのニーズに応じてご利用いただけます。
景品表示法に関するご相談は、お気軽にベリーベスト法律事務所へご連絡ください。
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