2025年02月18日
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風評被害への対策は? 企業が受ける影響ととるべき対処法を解説

風評被害への対策は? 企業が受ける影響ととるべき対処法を解説

風評被害とは、ある事件や事故をきっかけに、根拠のない噂が流布されることで被る経済的な被害です。

風評被害は企業イメージや売り上げにも深い影響を及ぼすおそれがあるため、インターネットの普及によって情報が瞬間的に拡散される現代では、風評被害がどのような悪影響を及ぼすのか、どうすれば風評被害を防げるのかを事前に知っておくことが大切です。

本コラムでは「風評被害」によって企業が受ける悪影響や風評被害を防ぐための対策、実際に風評被害が起きたときの対処法などを、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、風評被害とは? 企業が受ける悪影響について

風評被害はどのような原因で発生し、企業にどのような悪影響を及ぼすのでしょうか?

  1. (1)「風評被害」の意味

    風評被害とは、事故や事件が起きたことで根拠のない噂や臆測などによって発生する経済的な被害という意味です。誤った情報や不確かな情報によって起きることから「情報災害」と呼ばれることもあります。

    風評被害が発生する原因はさまざまですが、最も大きな起爆剤になるのはテレビ・新聞・週刊誌などのマスコミでしょう。事件や事故を報じる姿勢や角度によっては、視聴者や読者の誤解を招いて風評被害が発生する原因になります

    また、現代の風評被害はSNSが原因になるケースも少なくありません。SNS上で発信される情報は拡散性が極めて高いうえに、正確性に欠ける情報でも拡散を重ねているうちにまるで真実であるかのように評価されてしまいがちです

    消費者や利用者、近隣住民、現・元従業員によって風評被害が起きるケースもあります。はじめは小さな声でも、対応を誤ればマスコミへのリークやSNSによる情報発信からの炎上につながることもあるので、決して軽視できません。

  2. (2)風評被害が企業に与える影響

    風評被害が与える影響として真っ先に挙げられるのが、経済的な損失です。消費者の買い渋り、店舗の売り上げや客足の低下などが発生すれば、企業は大きなダメージを受けます。事態が悪化すると株価の下落を招き、企業の存亡を左右する危機に発展するかもしれません。

    取引先との関係にも影響を及ぼします。特に、融資を受けている金融機関からの評価が悪くなると、融資の引き上げや取引の停止といった事態に発展する危険があります。

    企業活動には多くの取引先が絡んでいるので、業界内で悪い噂が流れてしまえば原材料の仕入れができない、生産の手が足りないといったトラブルにもつながるでしょう。

    なにより、企業が最も警戒しなければならないのは従業員への影響です。風評被害が広がって企業の状態が悪化すると、周囲からの嫌がらせや自社への不信感に耐えられず退職を望む従業員が現れたり、モチベーションが低下して生産力が低下したりといった状態に陥るおそれがあります

2、風評被害を防ぐためにできること

風評被害が発生しないために、あるいは風評被害が発生したときに悪影響を最小限に抑えるために、企業はどのような対策を講じればよいのでしょうか?

  1. (1)従業員の教育を徹底する

    まず考えるべきは、従業員の教育です。企業のトップや一部門だけが対策しても風評被害は抑えられないので、全部門の従業員に風評被害に関する教育を徹底しなければなりません。

    昨今は、従業員個人が発信した不用意な発言や情報が取り返しのつかない風評被害を招くケースも散見されます。実際に起きた風評被害の事例を学び、どのような損害が発生する危険があるのかを全従業員に周知する機会が必要です。

  2. (2)SNSを運用するうえでのポリシーを策定する

    SNSを活用している企業では、どのようにSNSを運用するのかのルールとしてSNSポリシーを策定する必要があります。従業員がルールに従って正しく運用すれば、不用意な発言から風評被害を招く事態は回避できるでしょう。

    もしルールに反して誤った情報を発信した社員が原因で風評被害が発生した場合でも、SNSポリシーの存在が企業本体を守ってくれます。

  3. (3)インターネット上のモニタリングを欠かさない

    現代の風評被害は、インターネットの世界で拡散します。SNS・ネット掲示板・ニュースサイト・まとめサイト・個人のブログなどを常に監視し、爆発的な拡散が発生する可能性を秘めた情報の早期発見に努める体制を作ることが大切です。

    広いインターネットの海を満遍なく監視するのは容易ではありませんが、特定のキーワードに絞るなど、インターネットの知識をもつ人物のサポートがあれば効率的にモニタリングできます。風評被害の予防を強化したい場合は、モニタリングを目的とした人員配置も検討しましょう。

  4. (4)風評被害が発生したときのマニュアルを作成する

    風評被害の解決はスピード勝負になります。実際に風評被害が発生したときのマニュアルを作成しておき、万が一の事態が起きても慌てず対応できるように用意しておきましょう。

    風評被害の対応マニュアルには、外部への対応だけでなく社内での情報の取り扱いも盛り込まなければなりません。自社だけでは十分なマニュアルを作成するのは難しいので、風評被害トラブルの対応実績が豊富なサポーターの協力が必須です。

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3、風評被害が発生したときの正しい対処方法

実際に風評被害が発生したときは、どのように対応すればよいのでしょうか?
正しい対処法を解説します。

  1. (1)事実関係を確認する

    まず優先すべきは事実関係の確認です。風評被害の原因は根拠のない噂や臆測ですが、もしその情報が真実であれば対応策は再検討しなければなりません。

    企業活動には想定外のトラブルがつきものです。批判や攻撃的な情報が、実は製造現場や従業員のミスによって起きた真実を指摘しているにすぎないこともあります。

    事実関係の確認が不十分なまま強い姿勢で声明を発表したあとで「実は弊社に落ち度があった」では社会的に許されません。正確な事実確認を徹底するようにしましょう。

  2. (2)関連する書き込みの削除を依頼する

    風評被害の原因が根拠のない噂や臆測であることが確認できた場合は、SNS・ネット掲示板・ニュースサイト・まとめサイトなどの運営者に対して、関連する書き込みの削除依頼を早急に行いましょう

    ただし、削除には応じられないといった姿勢を示す運営者も少なくありません。こういった場合は、インターネットトラブルの解決実績がある弁護士に協力を求め、仮処分などの法的手続きによって削除請求を行いましょう。

    なお裁判所の手続きは時間がかかるため、任意の削除依頼と並行して法的手続きを進めていきましょう。弁護士が介入したことで、運営者が削除依頼に応じる可能性もあります。

  3. (3)損害賠償請求などの法的措置を検討する

    正当な批判や指摘によって生じた損害は甘んじて受け入れるしかありませんが、根拠のない噂や臆測からなる風評被害であれば、誤った情報を発信した当事者には不法行為による損害を賠償する責任が発生します。

    損害賠償を請求するには、まず情報の発信源を特定しなければなりません。SNSやネット掲示板などで発信された情報は、原因となる書き込みが特定できてもユーザーの匿名性が保たれているので、どこに住んでいる誰が発信源なのかを把握できない仕組みになっています。

    このようなケースでは、裁判所の発信者情報開示請求という手続きを利用して発信源を特定する必要があります。迅速かつ専門的な知見が求められる手続きのため、ネットトラブルに対応できる弁護士にサポートを依頼しましょう。

4、風評被害対策・対応を弁護士に相談するべき理由

風評被害が発生して対応に苦慮している、あるいは風評被害の発生に備えて対策を尽くしておきたいとお悩みなら、まずは弁護士に相談しましょう。

  1. (1)リスク管理や予防法務のアドバイザーとして頼ることができる

    ひとたび風評被害が起きてしまえば、経済的な損害が発生するだけでなく、取引先からの信頼を失ったり、従業員の間でも不信感が募ったりなど、大きなダメージを受けます。リスク回避のためには、まず「風評被害が起きない土壌づくり」を進めなくてはなりません。

    企業法務の実績がある弁護士に相談すれば、風評被害に関するリスク管理や予防法務のアドバイザーとして意見をもらうことが可能です。

    また、風評被害を起こさないためには従業員への教育が欠かせません。しかし、どのような行動が風評被害を呼ぶのか、どのくらいのスピードで風評被害が広がるのか、どのような結果になるのかといった情報を正確に集めるのは、一般には難しいといえます。実効性が高い教育を施すためには、風評被害トラブルに詳しい弁護士にアドバイスを求めましょう。

    さらに、SNSポリシーの策定や発生時の対応マニュアルの作成も、風評被害トラブルの最新実例を踏まえた実効性の高いものを用意していく必要があります。自社を取り巻く業界の環境や消費者の傾向、人員の体制なども勘案して実行しやすいポリシー・マニュアルを作成するには、経験豊富な弁護士のサポートは欠かせません

  2. (2)実際に風評被害が発生したときのサポートを依頼できる

    風評被害の拡大を防ぐには初動が肝心です。初動が遅れてしまうと、情報が拡散されて被害が大きく広がってしまうことも少なくありません。

    風評被害が発生したときは、対応マニュアルに従ってアクションを起こすのが基本です。
    ただし、どのようなアクションをただちに実行すべきなのか、現在はどのフェーズにあるのか、次の対応に移る適切なタイミングはいつなのか、静観すべきかなどの判断は流動的なので、マニュアルが存在するだけでは万全とはいえません。

    弁護士のサポートがあれば、現在の対応が正しい方向へと進んでいるのかを判断できます。
    原因となった書き込みの削除請求や発信源となった人物の特定、加害者に対する損害賠償請求などの法的措置も一任できるので、企業側には消費者や取引先からの信頼回復に向けた対策に時間と労力を注ぐ余裕が生まれるでしょう。

5、まとめ

インターネットによって情報が爆発的に拡散されてしまう現代では、まず「風評被害を起こさない」ためにリスク管理や予防法務に注力しなければなりません。そのためには、平素から気軽に相談できる顧問弁護士の存在が欠かせません。また、万が一の事態に備えて、風評被害が起きてしまったときの対策もあらかじめ用意しておくことも重要です。

ベリーベスト法律事務所では、風評被害対策についても相談しやすい月額3,980顧問弁護士プランをご用意しています。また、風評被害・誹謗中傷対策の専門チームと危機管理チームが、顧問弁護士を窓口として連携し、迅速な解決を図ることも可能です。

これから風評被害に備えた対策を整えておきたい、すでに風評被害が発生しており対応に苦慮しているといった場合は、風評被害やインターネットトラブルの解決実績があるベリーベスト法律事務所に、お早めにご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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