企業法務コラム

2021年10月28日
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法人破産とは? 知っておくべきデメリットと手続きについて解説

法人破産とは? 知っておくべきデメリットと手続きについて解説

会社の経営者としては、経営上のさまざまな理由から資金繰りに窮して債務の整理を考えることもあるかもしれません。

その場合の手段としては、清算型の法的手続きとしての破産もしくは特別清算、再建型の法的手続きとしての民事再生もしくは会社更生または私的整理が考えられます。

会社がやむを得ず破産を選択しようという場合でも、法人破産には、メリットとデメリットがありますので、これらを十分理解したうえで法人破産をするかどうかを判断しなければなりません。

今回は、法人破産のメリットやデメリット、手続きの流れについてベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、法人破産とは? メリット・デメリット

法人破産とはどのような手続きのことをいうのでしょうか。以下では、法人破産の概要とメリット・デメリットについて説明します。

  1. (1)法人破産とはどのようなものか

    法人破産とは、支払不能や債務超過となった会社について、裁判所によって選任された破産管財人が法人の財産を処分し、法人の債権者に配当することで会社を清算する手続きです。

    法人に財産が残っている場合には、すべて換価し、債権者に対し平等に配当を行い、最終的には、会社の法人格は消滅することになります。

    個人の破産の場合には、免責によって債務がなくなりますが、法人の破産の場合には、免責という概念はなく、法人が消滅することによって債務も消滅することになります。

  2. (2)法人破産の主なメリット・デメリット

    法人破産には、主に以下のようなメリット・デメリットがあります。

    ① 法人破産のメリット
    ● 債権者の取り立てから解放される
    会社の経営状態が悪化し、資金繰りに窮すると、債権者への支払いが滞ることもあります。債権者の中には、会社に乗り込んできたりして返済を求めてくる債権者もいるかもしれません。

    会社の経営を考えるだけでも相当な負担であるにもかかわらず、債権者の取り立ての対応をしなければならないとすると、取締役などの経営者の負担は相当大きいはずです。

    法人破産を弁護士に依頼することによって、債権者による取り立てはなくなり、債権者の対応も弁護士に任せることができます

    ● 債務の負担を免れることができる
    法人破産の最大のメリットは、債務の負担を免れることができるという点です。法人の規模によっては数千万円から数億円程度の負債があるかもしれませんが、それらをすべてゼロにすることができます。

    破産以外の再建型の債務整理では、債務の全部または一部を分割して支払っていくことになりますので、債務自体がなくなるということはありません。

    ● 新たな再出発ができる
    法人破産をすることで法人は消滅してしまいますが、借金もなくなりますので、身軽な状態で再出発をすることが可能になります。

    さまざまな理由で事業が失敗して多額の借金を負ってしまったとしても、新たに別の会社を経営することもできますし、別の企業に就職して活躍することも可能です。

    ② 法人破産のデメリット
    ● 事業を継続することができない
    法人破産をした場合には、最終的に法人は消滅することになりますので、当該法人で行っていた事業を継続することができなくなります

    そして、法人名義の財産については、すべてお金に換えて債権者への配当にまわさなければなりませんので、法人名義の財産も失うことになります。

    ● 従業員を全員解雇しなければならない
    再建型の債務整理と異なり、法人破産は、事業活動を停止し、会社の消滅を伴うものですので、従業員については全員解雇をしなければなりません

    長年一緒に連れ添った従業員を解雇するということは、心苦しいものです。債権者だけでなく従業員に対しても多大な迷惑をかけてしまうということがデメリットとなります。

    ● 経営者の個人破産も必要になることがある
    会社の経営者が法人の債務の連帯保証人になっている場合には、法人破産だけでなく、経営者の個人破産が必要になってきます。

    そうすると、経営者個人の名義で有している財産についても、原則としてお金に換えて債権者への配当にまわさなければなりません。

    多額の個人資産がある場合には、それらをすべて失ってしまうというのがデメリットになります。

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2、法人破産の手続きの流れ

法人破産をするときの手続きの流れとしては、以下のとおりです。

  1. (1)弁護士との相談

    経営に行き詰まった会社の経営者は、借金の整理の方法について、まずは弁護士に相談しましょう

    弁護士は、会社の経営者から会社の現在の資産や負債状況などを聞き取り、最適な債務整理の方法をアドバイスしてくれます。その結果、やむを得ず破産をすることになった場合には、弁護士に今後の対応を依頼してください。

    法人破産は、迅速性・密行性が要求される手続きですので、破産を選択した場合には、弁護士と協力して破産申し立てに向けた準備を進めていきます。

    なお、従業員がいる場合には、申し立て前のタイミングで解雇をすることになります。

  2. (2)破産手続き開始の申し立て

    破産申し立ての準備ができたら、裁判所に必要書類を提出して、破産手続き開始の申し立てを行います。破産手続きが開始されるためには、裁判所が定める手続き費用(予納金)の予納が必要です。

  3. (3)債務者審尋

    裁判所において、債権者の数や負債の額、法人の資産、破産申し立てを行うに至った経緯、事業内容などについて、審尋(面談)が行われます。

  4. (4)破産手続き開始決定・破産管財人の選任

    破産手続き開始の申し立てを受けた裁判所は、破産手続き開始原因(支払不能または債務超過)があると認めるときは、申立棄却事由がある場合を除き、破産手続き開始決定をします。また、裁判所は、破産手続き開始決定と同時に、破産管財人を選任します。

    破産手続き開始決定によって、会社の財産を管理・処分する権限はすべて破産管財人に移ります。また、破産手続き開始決定によって、原則として債権者の個別の権利行使はできなくなりますので、債権者は、破産債権の届出をし、配当を受ける以外には権利行使ができません。

  5. (5)債権者集会

    債権者集会とは、債権者に対して、破産者が破産に至った経緯や財産の換価状況・結果、今後の方針などを報告するために、裁判所で行われる集会のことをいいます。

    債権者集会には、法人の代表者も出席し、債権者からの質問などがあれば対応しなくてはなりません

    債権集会は、約3か月に1回のペースで開催され、法人の規模や換価状況にもよりますが、複数回開催されることもあります。

  6. (6)配当

    債権者による債権届出をもとに法人の負債を確定します。

    また、破産管財人は、法人に資産がある場合には、すべて換価をし、各債権者の債権額に応じて按分し、配当を行います。

  7. (7)破産手続きの終了

    換価した財産をすべて配当した場合には、破産手続きは配当完了により終結となります。そもそも配当すべき財産がないという場合には、破産手続きの廃止によって破産手続きは終了です。

    破産手続きの終了によって、会社の登記簿が閉鎖され、法人格は消滅し、債務もなくなります

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3、法人破産をするときはどのようなとき?代表者はどうなるの?

法人破産には、上記のとおりメリットとデメリットがあります。

そのようなメリットとデメリットを踏まえて、どのようなときに法人破産を選択するとよいのでしょうか。

  1. (1)どのようなときに法人破産を選択するべきなのか

    法人破産を選択するべき代表的なケースは、以下のとおりです。

    ① 会社再建の見込みがない
    法人破産をした場合には、会社が消滅してしまうため、会社としての事業活動を継続することができなくなります。

    そのため、今後事業活動を継続していった場合の収支の見込みと、事業活動を停止し破産をした場合とを比較し、どちらのメリットが大きいかを判断し、法人破産をするかどうかを決めるとよいでしょう。

    今後事業活動を継続していくのであれば、負債の返済の見込みがあるかどうか、赤字の状態であれば黒字への転換が可能であるかどうかを長期的な視点で判断しなければなりません。

    どうしても事業活動を継続していきたいということであれば、法人破産ではなく、民事再生などの再建型の債務整理を検討してみるのもよいでしょう。

    ② 後継者が不在
    近年、中小企業においては、事業を引き継いでもらう後継者がいないという後継者問題が大きな課題となっています。事業が好調で順調に負債を返済している状況であっても、後継者が不在であれば、事業の継続は困難ですので、最終的には廃業せざるを得ない状況になるかもしれません。

    事業譲渡という方法で、会社を売却する方法もあるかもしれませんが、後継者も譲渡先もないということであれば、負債の処理として法人破産を選択するというのもひとつの方法かもしれません。

  2. (2)法人が破産すると代表者はどうなるのか

    法人が破産したとしも、代表者には基本的には影響はありません。そのため、法人の代表者も同時に破産しなければならないというわけではないのです。

    しかし、代表者は、法人の負債の連帯保証人になっていることが多く、法人が破産した場合には、法人の代表者が返済をしていかなければなりません

    しかし、法人の多額の負債を個人がすべて返済をするということは困難ですので、このような場合には、法人の代表者も法人と同時に破産をすることが望ましいといえます。

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4、法人破産は弁護士に相談しよう

法人破産を行う場合には、以下の理由から弁護士に相談することをおすすめします。

  1. (1)適切な手続きの選択ができる

    会社の経営に行き詰まっている経営者の方は、今後どうすればよいかわからずとても悩んでいるでしょう。会社の経営だけでなくご自身の生活のことでも悩んでいる状態では、最適な債務整理の手段を考えるということは難しいです。

    法人破産の場合には、代表者個人も併せて破産すべきかどうかなど専門的な判断が必要になります。また、そもそも法人破産が最適かどうかも会社の資産や経営状況を踏まえた専門的な判断が必要です。

    弁護士であれば、会社経営者からの相談を多く扱っていますので、会社の債務整理について客観的な立場から会社にあった最適な手段を選択することができます

  2. (2)破産手続きを一任できる

    法人破産では、書類の作成や破産管財人への適切な引き継ぎ、会社資産の流出の防止などの観点から、弁護士に依頼して手続きをすすめなければならないことが多いです。

    また、法人破産は、個人破産と異なり、迅速に申し立てを行わなければならないため、弁護士によるサポートが不可欠となります。

    会社の経営者は、経営に関してはプロフェッショナルですが、破産手続きに関しては素人です。法人破産の場合には、債権者への対応、従業員への対応など多方面の関係者とのやり取りが必要になってきます。

    このような対応に関しては、専門家である弁護士に一任することが安心です

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5、まとめ

法人破産には、メリットだけでなくデメリットもありますので、手続きの選択については、専門家である弁護士と相談しながらすすめるのがおすすめです。

ベリーベスト法律事務所では、法人破産の経験豊富な専門チームが対応します。また、税理士、公認会計士などと連携したワンストップ対応が可能ですので、依頼者の負担は少なくて済みます。法人破産をお考えの方は、ベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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