企業法務コラム
事業拡大を成功させるには、多種多様な法的知見や知識と、それを応用するノウハウが必要です。
そのため、事業拡大を検討している経営者にとって、最良のパートナーになり得るのは、弁護士ともいえるでしょう。顧問弁護士がいれば、事業拡大に伴うリスクやトラブルを防ぎつつ、安全かつ堅実に売り上げや生産性を高めていくことが実現できます。
本コラムでは、事業拡大を進める際におさえておきたいリスクマネジメントと、弁護士がサポートできることについて解説します。
経済産業省が公開している『2021年版中小企業白書・小規模企業白書概要』によると、新型コロナウイルスの影響が継続していると回答した中小企業は、71.3%にものぼるそうです。一方で、新製品の開発や新事業分野への進出など、環境の変化に応じて柔軟な対応ができている企業ほど、回復が早いこともわかっています。
自社の強みやニーズをくみ取りつつ、事業を見直し事業拡大をしていくことは、先行き不透明な社会で中小企業が生き残っていくためには、重要な事柄になっていくと考えられます。
しかし、中小企業が事業拡大するのは、簡単なことではありません。当然、新規の雇用も必要ですし、これまでに経験のない分野での取引なども発生するでしょう。
中小企業が事業拡大を成功させるには、これらのハードルを越えていく工夫が必要です。
弁護士は、労務管理や法的リスクをおさえ、新規事業への着手、運営、事業承継などをトータルでサポートすることができます。事業展開する際に弁護士をパートナーとすることで、悩みの多くを解決でき、事業拡大を成功させることができる可能性が高まるといえます。
事業拡大を検討するにあたり、まずは「リスク」を把握して対抗策を検討しておく必要があります。
参入する分野にもよりますが、おさえておくべき基本的な法的リスクとしては、次のような事柄があげられるでしょう。
これらの情報や知識を得たうえで、戦略的に事業拡大に取り組むことが大切です。また、売り手企業となってM&Aを実施する場合は、どういったスキームを利用するのが最適かなどの戦略的判断が必要になります。
このように、法的リスクを分析し綿密な計画を立てながら、企業の利益を最大限に確保することを「戦略法務」といいます。
思いつきでやみくもに事業拡大だけを目指していくと、思わぬトラブルに遭遇して事業が頓挫する結果になりかねません。スマートかつ円滑に事業拡大を進めるためには、戦略法務の視点をもつことが重要といえます。
今後、日本の中小企業も生き残りをかけて海外展開する機会が増えてくると考えられます。海外企業と取引をするだけではなく、M&Aなどを利用して提携関係を結んだり買収したりするケースもあるでしょう。
海外展開にあたっては、特に次のような点に注意が必要です。
海外で適用される法律は国内のものとは異なります。どちらの法律が適用されるのか、相手国の法律内容がどうなっているのかなどを正確に知っていなければ、事業展開のリスクが過度に高まります。
顧問弁護士がいれば、弁護士が事前に調査して万全の準備を整えることが可能です。特に、その国の文化や言語の知識が豊富な弁護士であれば、心強いパートナーとなるでしょう。弁護士が調査をした結果、計画の実行が不可能なときやリスクがあることがわかれば、無謀な事業に多額の投資をしてすべてが無駄になる事態を回避することができます。
中小企業が事業拡大を成功させるには、前述した「戦略法務」とあわせて「予防法務」の視点をもつことが重要です。予防法務とは、トラブルを予想して事前に対策を講じる法務対応のことをいいます。では、具体的にどのような事柄について、対策を講じるべきなのでしょうか。
新規事業に取り組む際には、さまざまな契約書の作成が必要となるでしょう。新たな取引先との契約書、M&Aの契約書、今後の事業に関わる契約書のひな形など、ケースによってさまざまな契約書が必要になります。
当然のことですが、契約書の内容は適切なものであるべきです。しかし、法改正などを踏まえた最新の情報になっているのか、自社が著しく不利益を被る内容になっていないかなど、ひとつずつチェックするのは簡単なことではありません。
見落としを防ぎ、適切な契約書を作成するためには、弁護士によるチェック体制があると安心です。
事業の分野によっては、厳しい法規制があることも想定されます。特に、医療や介護の分野、ネット販売、特定商取引法が適用される分野、不動産事業、フランチャイズ、海外展開などのケースでは注意が必要です。
安全に事業拡大を進めるには、どのような法規制が行われるかを事前に把握したうえで、対策を講じる必要があります。
事業内容によっては許認可や届け出、登録等の手続きが必要になります。手続きに不備があると、処分や処罰の対象となるリスクもあるため、注意が必要です。
事前にどのような許認可や届け出、資格の登録が必要となるのかを調べ、事業開始前に確実に許認可関係を取得できるよう準備を進めましょう。
事業展開の際には広告規制にも注意が必要です。たとえば景品表示法や特定商取引法により、表示してはならない事項、必ず表示しなければならない事項などがあります。
SNSの普及により、中小企業もマーケティング活動を行いやすくなりましたが、正しく運用しなければ、消費者庁などから行政指導を受ける可能性があります。また、消費者からの信用が失われてしまうリスクもあるでしょう。
新規事業展開を行うときには、新たな雇用によって従業員数を増やすことが多いでしょう。またプロジェクト数が増えることによって、労務管理も増えることになります。
就業規則をはじめとした、労務管理環境の整備も事前に行うべきといえます。
中小企業が安全に事業展開をするにあたっては、コンプライアンスへの対応も必要不可欠です。法律を守るだけではなく「ビジネスの手法が相当といえるか」「社会貢献できているか」などの視点も必要です。
顧問弁護士がいることによって、どのようなサポートを得ることができるのでしょうか。
M&A、海外事業展開、ネット事業への参入など、中小企業が生き残りをかけて事業拡大を進めていく場合は、ベリーベスト法律事務所の弁護士に、ぜひご相談ください。
顧問弁護士の存在が、新規事業の成功に大きく影響することも少なくありません。ベリーベスト法律事務所には、企業法務に特化したチームが組まれており、分野別の専門チームが全力で事業拡大をサポートします。また、グループ内には税理士や社会保険労務士なども在籍しているため、ワンストップで対応することが可能です。
事業拡大を検討されている中小企業の経営者の方は、ぜひ一度、当事務所までお問い合わせください。
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