企業法務コラム
会社の定款を変更する場合、会社法に従った手続きを取る必要があります。定款変更の登記が必要となる場合もあり、自力で対応しようとすると、思いの外大変です。
弁護士に相談すれば、定款変更の手続きに加えて、付随する問題についてのリーガルチェックも受けられます。定款変更の手続きが面倒に感じられる場合には、弁護士へのご依頼をご検討ください。
今回は定款変更について、手続きの流れ・登記の要否・弁護士がサポートできることなどを、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
会社を設立する際には、必ず「定款」を作成しなければなりません。
まずは、定款とは何かについて、基本的な事項を確認しておきましょう。
定款とは、会社の根本規範、ないしその規則を記載した書面(電磁的記録で作成した場合には情報を記録したファイル)を意味します。
さまざまな種類がある会社の内部規則の中でも、定款はもっとも重要なものとして位置づけられます。
定款はその重要性から、設立時には公証人の認証を受けることが必須とされています(会社法第30条第1項)。
厳格な認証手続きを経て、体裁・内容ともに整った定款を作成することが、会社設立の最低条件です。
定款に記載する事項は、「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3種類に分類されます。
株式会社の定款を変更する際には、会社法に基づき、以下の手続きを取ることが必要です。
定款の変更には、設立時における定款の作成とは異なり、公証人の認証は不要です。
もっとも、株式会社の定款変更は、基本的には、株主総会の特別決議によって決定する必要があります(会社法第466条、第309条第2項第11号)。
株主総会の特別決議の成立要件は、以下のとおりです。
取締役会(取締役会設置会社でない場合は取締役)は、株主総会の招集事項を決定します(会社法第298条)。
その後、開催日の2週間前まで(非公開会社の場合は1週間前まで)に、取締役が株主に対して招集通知を発送します(会社法第299条)。
当日の議事を経て、定款変更につき株主総会特別決議が成立すれば、その時点で定款が変更されます。
株主総会の開催に関する詳細な解説は、以下の記事を併せてご参照ください。
定款変更の内容によっては、定款変更の登記を行う必要が生じます。
登記が必要な場合、定款変更の株主総会特別決議があった日から2週間以内に、法務局に対する届け出により定款変更の登記手続きを行わなければなりません(会社法第915条第1項)。
なお、定款変更の登記を行う際には、登録免許税の負担が発生します。
登録免許税額は、申請1件当たり3万円です。
定款変更の決議があった株主総会については、必ず議事録を作成しましょう。
会社法上、株主総会の議事録作成が義務付けられているためです(会社法第318条第1項)。
作成した議事録は、本店に10年間備え置く必要があります(同条第2項)。
また、支店がある場合には、支店にも議事録の写しを5年間備え置かなければなりません(同条第3項)。
株主総会で決議した定款変更の内容は、定款に反映したうえでファイルを保管しておくのがよいでしょう。
株式会社の定款変更を行った場合、常に法務局での変更登記申請が必要となるわけではありません。
定款変更の登記が必要となるのは、株式会社の登記事項について変更があった場合のみです。
定款変更の登記が必要な場合・不要な場合のそれぞれについて、具体例を見てみましょう。
以下の内容の定款変更を行った場合には、法務局での登記手続きが必要となります(会社法第911条第3項、第915条第1項)。
株式会社の登記事項ではない事項について定款変更を行った場合、法務局での登記手続きは不要となります。
法務局での登記手続きが不要な定款変更の例は、以下のとおりです。
定款変更を行う際には、会社法上の手続きや登記手続きなど、さまざまな手続きが必要となります。
また、定款変更に付随して発生する法的な問題についても、十分に検討を行うことが大切です。
弁護士にご相談いただければ、円滑に定款変更を実施できるようにサポートいたします。
定款変更について弁護士が提供する主なサポートは、以下のとおりです。
定款は会社にとって重要な根本規範ですので、変更案にも不備があってはいけません。
弁護士にご相談いただければ、ご想定の変更内容に合わせて、定款変更案を適切な内容にご調整いたします。
定款変更に伴い、社内規程と変更後の定款の整合性を取る必要が生じる場合があります。
しかし、多岐にわたる社内規程を網羅的に見直すことは非常に大変です。
弁護士は、定款と社内規程の連関を正しく把握したうえで、定款変更に伴い見直しが必要なポイントを漏れなく洗い出します。
その結果、定款変更を行った後も、社内規程全体の整合性を確保することができます。
定款変更によって会社の基本的な事項が変更されると、事業の運営にも影響が生じる可能性があります。
弁護士にご相談いただければ、定款変更の事業に対する波及効果を多角的に分析し、会社にとってのリスクを極力限定できるような変更内容をご提案いたします。
株主総会の招集・開催・決議についても、会社法の規定に正しく沿って行うと、複雑な手続きを要求されます。
弁護士は、株主総会に関する一連の手続きを全面的にサポートいたします。
必要な書類の作成から、当日の株主総会運営に至るまで、円滑に定款変更の株主総会を実施するには、弁護士にご依頼いただくのが安心です。
株式会社が定款変更を行う際には、基本的に株主総会特別決議によって変更内容を決定することが必要です。
また、定款変更の内容によっては、法務局での登記手続きが必要になる場合もあります。
定款変更の手続きは、多段階かつ複雑なものになることが多いため、会社だけで対応しようとすると大変です。
そのため、定款変更を実施する際には、弁護士のサポートを受けることをおすすめいたします。
ベリーベスト法律事務所は、定款変更に関するご相談を随時受け付けております。
変更案の作成、株主総会の招集・開催・決議や議事録の作成、法務局での登記手続きなど、定款変更に必要な手続きを弁護士が一括してサポートいたします。
会社の定款変更をご検討中の経営者・法務担当者の方は、ぜひ一度ベリーベスト法律事務所へご相談ください。
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