『転職会議』は、株式会社リブセンスによって運営されている転職希望者向けの口コミサイトです。非常に多数のユーザーが転職会議に登録しており、転職活動(転職先選び)の有力な参考情報となっています。
『転職会議』に悪意ある口コミが掲載されると、企業の評判が毀損され、求人が減ることで、優秀な人材を確保することが困難になるおそれがあります。自社に関する悪質な口コミを発見したら、削除依頼などについて弁護士へご相談ください。
本記事では、『転職会議』の口コミを削除する方法などをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
転職会議に投稿される口コミの中には、不適切と思われる内容のものも一部存在します。運営会社に口コミの削除を請求することはできますが、請求した投稿のすべてが削除されるとは限りません。
転職会議の特徴は、求人を行う企業の職場環境などについて、ユーザーの忌憚のない意見が投稿されている点です。企業に忖度(そんたく)しない生の声が投稿されているからこそ、企業の実態を知りたい、あるいはブラック企業を避けたい転職希望者の支持を集めているといえます。
そのため、企業のネガティブな口コミについても、ユーザーの忌憚のない意見として残されるケースが多いです。自社について悪い評価をする口コミを削除してもらうには、悪質な誹謗中傷や虚偽の情報などにあたることを主張するなど、相応の理由付けが必要になります。
転職会議では、投稿された口コミについて、運営会社が全件・全文を確認していることを公表しています。運営会社による口コミの確認は、個人攻撃や誹謗中傷を防ぐことなどを目的として行われています。
また、転職会議には2021年11月以降、不適切なキーワードが含まれている場合に、投稿前の段階で注意喚起を行う機能が実装されました。注意喚起を受けたユーザーは、投稿を再編集するケースが多く、機能追加後の掲載率は向上したとのことです。
このように、掲載前の運営会社のチェックや投稿前の注意喚起などにより、転職会議に掲載された口コミからは、誹謗中傷などにあたると思われる内容があらかじめ排除されています。
運営会社としても、すでに掲載前の段階でスクリーニングを行っていることから、よほど悪質なケースを除いて、口コミを削除する必要はないと判断する傾向があるでしょう。
転職会議では「口コミ投稿ガイドライン」を公表しています。
同ガイドラインでは、不適切な投稿に関する判断基準や注意点が示されています。たとえば以下のような投稿は、運営会社による削除の対象となる可能性があります。
出典:「口コミ投稿ガイドライン」(転職会議)
転職会議の投稿について、運営会社に削除を請求する場合は、口コミ投稿ガイドラインの判断基準を踏まえて、投稿を削除すべき理由を明示しましょう。
転職会議の口コミの削除請求を、自力で対応することは非常に困難です。
前述のとおり、転職会議の特徴や事前のスクリーニングが行われていることを踏まえると、運営会社が口コミの削除請求に応じるハードルは高いと考えられます。
口コミを削除してもらえる可能性を高めるには、口コミ投稿ガイドラインの内容を踏まえて、削除すべき理由を適切に明示しなければなりません。名誉毀損やプライバシー権の侵害など、口コミの内容が違法であることを具体的に示すことで、口コミが削除される可能性がさらに高まります。
しかし、適切な理由付けを行って削除を請求するには、法律に関する専門的素養が求められるため、一般の方には困難と言わざるを得ません。
弁護士にご依頼いただければ、転職会議に投稿された口コミについて、的確な権利侵害の説明とともに削除請求ができます。被害者である企業が自力で削除請求を行う場合に比べて、弁護士による削除請求が成功する可能性は高いといえます。
転職会議において悪質な誹謗中傷などの投稿を発見した企業は、お早めに弁護士へご相談ください。
弁護士にご依頼いただいた場合には、主に以下の方法を用いて、転職会議の不適切な口コミが迅速に削除されるように対応します。
「送信防止措置」とは、サイト管理者などが誹謗中傷やプライバシー権侵害などの被害者から依頼を受けて、不適切な投稿を削除するなどして、侵害情報の送信を防止する措置です。
サイト管理者は、被害者から送信防止措置の依頼(申し出)を受けた後、投稿者に対して送信防止措置をすることに同意するかどうかを照会することができます。
投稿者から同意しない旨の申し出がないまま、照会を受けた日から7日を経過した場合には、サイト管理者は、投稿の削除などによって投稿者に生じた損害の賠償責任を免れることができます(プロバイダ責任制限法第3条第2項第2号)。
送信防止措置の依頼は、サイト管理者に対して不適切な投稿の存在を知らせ、自発的な削除を促すものです。転職会議の口コミについても、迷惑防止措置依頼書の送付により、運営会社に送信防止措置を依頼できます。
送信防止措置の依頼は、被害者の会社が自ら行うこともできますが、弁護士が法的根拠に基づく理由を付して依頼することによって成功率が高まります。
送信防止措置を依頼しても、運営会社が口コミの削除に応じない場合は、裁判所に対して投稿削除の仮処分を申し立てます。
投稿削除の仮処分申立ては、民事保全法に基づく仮処分命令により、暫定的に投稿を削除させることを目的とした手続きです。実際には、投稿削除の仮処分命令が発令されれば、運営会社は問題の投稿を削除し、その後は再掲載しない方針をとるケースが大半です。
投稿の削除を求める仮処分が認められるには、被保全権利の存在と、保全の必要性を満たす必要があります。
被保全権利とは、誹謗中傷等の投稿によって、侵害されている権利を指します。具体的には名誉権、プライバシー権などの法的権利が侵害されていることを示す必要があります。
保全の必要性とは、権利侵害が生じているためただちに保全しなければいけない必要性を指します。誹謗中傷等の投稿が現に転職会議にて公開されている場合は、権利侵害が継続しているとして保全の必要性が基本的には認められます。
仮処分命令の発令までには、裁判所に対する申し立てに加えて、債務者(運営会社)が立ち会う審尋手続きなどを経る必要があります。弁護士は、仮処分申立てに必要な準備や対応を全面的に代行し、速やかに投稿が削除されるように尽力いたします。
インターネット上における誹謗中傷について、被害者は投稿の削除請求のほか、以下の対抗手段をとることができます。いずれの手続きについても、弁護士は代理人として対応可能です。
発信者情報開示請求とは、誹謗中傷やプライバシー権の侵害などにあたる投稿先のサイト管理者や、投稿に用いられた端末のインターネット接続会社に対して、投稿者の個人情報などの開示を求める手続きです(プロバイダ責任制限法第5条)。
発信者情報開示請求を行えば、不適切な投稿の投稿者を特定できる可能性があります。投稿者を特定できれば、損害賠償請求や刑事告訴ができるようになります。
発信者情報開示請求は、裁判所に対する申し立てを通じて行うのが一般的です。弁護士は、発信者情報開示請求に必要な準備や手続きを代行いたします。
なお、発信者情報開示請求とは別に、新たに制定された発信者情報開示命令という手続きもあります。どちらを選択するべきかについては、個別具体的に検討する必要があるため弁護士に相談しましょう。
誹謗中傷やプライバシー権侵害にあたる投稿は「不法行為」(民法第709条)に該当し、投稿者は被害者に対して損害賠償責任を負います。
投稿者に対する損害賠償請求は、示談交渉や訴訟などを通じて行います。弁護士は被害者の代理人として、示談交渉や訴訟などの準備や対応を行います。
誹謗中傷の投稿者には、名誉毀損罪・侮辱罪・信用毀損罪・業務妨害罪などの犯罪が成立する可能性があります。被害者である企業は、刑事告訴を行って投稿者の処罰を求めることができます(刑事訴訟法第230条)。
刑事告訴は、警察署などに告訴状を提出して行います。弁護士は、告訴状の作成についてもサポートが可能です。
『転職会議』などの転職サイトに投稿された不適切な口コミを削除してもらうには、サイトのガイドラインや法令の規定を踏まえて、削除すべき理由を具体的に示すことが重要です。投稿削除の可能性を高めるためには、弁護士へのご依頼をおすすめします。
ベリーベスト法律事務所は、インターネット上での誹謗中傷などに関するご相談を随時受け付けております。不適切な投稿の削除や、投稿者に対する損害賠償などを請求したい方は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。
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