企業法務コラム
前回に引き続き変形労働時間制(1ヶ月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制、1週間単位の非定型的変形労働時間制、フレックスタイム制)についてお話します。
今回はどのような職種に導入すれば変形労働時間制がうまく機能するか、「各変形労働時間制」に適した職種を具体的に考えてみたいと思います。
1ヶ月以内の一定期間を平均して1週間の労働時間が法定労働時間以下の範囲内で、特定の週または特定の日に法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。
1ヶ月で考えた場合に、月の前半は忙しく(業務が集中する)、後半は余裕がある等、月内で業務の繁閑がある職種に向いています。
といった職種(医療機関・特に事務方、タクシー会社などで多く採用)に適しています。
問題社員のトラブルから、
1年以内の一定の期間を平均して1週間の労働時間が40時間以下の範囲内で、特定の週または特定の日に法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。
1年を通して業務の繁閑がはっきりしている職種に向いています。
また隔週週休2日制としている職種もこの制度に適しています。
問題社員のトラブルから、
規模30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店の事業において1週間の労働時間が40時間以下の範囲内で、毎日の労働時間を弾力的に定めることができる制度です。
1週間の繁閑の差が激しい適用業種には適していますが、実務的にかなり手間が掛かりますので個人的にはあまりおすすめはできない制度ではあります。
問題社員のトラブルから、
清算期間中の総労働時間の範囲内で、始業・終業時刻を労働者が自由に決められますので、従業員の生産性や創造性を高めることができるなどのメリットがあるといわれています。
会社・職種というよりは特定の従業員に適した制度となるのではないでしょうか。
しかし、取引会社や他部署などと連携や仕事をする際、当該制度を導入することで、仕事がスムーズに進まなくなるなどの弊害があるのも事実です。少子化が深刻な問題として取り上げられ、一方で、子どもができたあとも仕事を続けたいと希望する女性にとっては、育児と仕事の両立を支援する上で、当該制度が有効であることもまた事実ですので制度設計・運用次第といったところでしょうか。
社労士法人ベリーベストでは変形労働時間制についてのご相談何なりと承っておりますのでご不明点等あればお気軽にご相談ください。
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