企業法務コラム
今月の話題は事業承継税制です。
団塊世代が引退を迎えつつある今、ご子息にどうやって会社を承継させていくのかが問題となっています。中小企業の社長はいわゆるオーナー社長が多く、筆頭株主でもあり、社長でもあります。
社長の地位についてはご子息を育てることにより承継することができるとは思いますが、株主の地位の引き継ぎについては大きな問題が生じる場合があります。息子に社長を引き継いだから息子に株もあげてしまおう!というわけにはいきません。贈与税が発生してしまうからです。
経営が順調に進んでいる会社の株価は驚くほど高くなっている可能性があります。高株価の自社株式を息子さんにポンとあげてしまったら莫大な贈与税が発生します。これは相続時についても同じで、莫大な相続税がかかってしまうわけです。
贈与、相続に係らず、息子に株式を承継したいが税金の問題でそう簡単にもいかない。
こんな状況のために用意されたのが事業承継税制です。
日本の事業承継税制は、会社の後継者である相続人が、相続により非上場会社の株式を取得し、一定の要件を満たす場合には、後継者が相続前から既に取得していた議決権株式を含め、 発行済完全議決権株式総数の3分の2に達する部分について、課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予される制度です。
この税制は、中小企業の事業承継を円滑に進めることを目的として平成20年5月に成立した「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に基づき平成21年4月より施行された、「相続税の納税猶予制度」及び「贈与税の納税猶予制度」をあわせて「事業承継税制」と呼ばれています。
難解な言葉を書き並べてしまいましたが、この制度を活用すると、事業承継の際の株式に関しては相続税や贈与税が一定割合猶予されるという制度です。
まだまだ活用事例は少ない税制度ではありますが、今後も会社を継続していくつもりがあり、子供(親族も含む)に承継していくつもりがある経営者にとっては心強い税制度です。
税理士法人ベリーベストでは、事業承継税制も含め、事業承継のコンサルティングに力を入れています。
資料を拝見できればスキームプレゼンテーションは無償で対応させていただいておりますので気になる方はどうぞお声掛けください。
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