更新日:2026年08月27日 公開日:2026年08月27日
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下請けいじめとは? 取適法での禁止行為と対処法を弁護士が解説

下請けいじめとは? 取適法での禁止行為と対処法を弁護士が解説

「急な値下げを求められた」
「追加作業を頼まれたのに費用を払ってもらえない」

発注者が優位な立場を利用して、受注者に一方的な不利益を押し付ける行為は、一般に「下請けいじめ」と呼ばれます。令和8年1月に施行された取適法(中小受託取引適正化法)は、こうした行為を11項目にわたって禁止しており、違反すると行政による勧告や改善措置の対象となることがあります。

本記事では、下請けいじめとはどのような行為を指すのか、禁止されている行為と公正取引委員会の勧告事例、被害を受けたときの対処法や相談先を、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、下請けいじめとは?

「下請けいじめ」とは、発注者が取引上の優位な立場を利用し、受注者に不利な取引条件や過度な負担を一方的に押し付け、その利益を不当に害する行為をいいます

たとえば、代金の支払いを遅らせる、納品後に一方的に代金を減額する、追加作業を無償で求めるといった行為が典型例です。受注者としては、「断れば今後の取引がなくなるかもしれない」と考え、不当な要求でも受け入れてしまうケースも見受けられます。

法律上、「下請けいじめ」という名称の規定があるわけではありません。
しかし、こうした行為は取適法(正式名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」、通称中小受託取引適正化法)で禁止されており、違反した発注者は公正取引委員会、中小企業庁長官などから勧告や公表などの措置を受ける可能性があります。勧告に従わない場合には、命令が行われることもあります。

では、具体的にどのような行為が取適法で禁止されているのか、次章で行為類型ごとに具体例や実際の勧告事例を交えながら解説します。

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2、【取適法準拠】下請けいじめに該当する行為一覧と事例

取適法は、発注者が守るべきルールとして、11の禁止行為を定めています。たとえ中小受託事業者の了解を得ていても、また、委託事業者に違法性の意識がなくても、これらの規定に触れるときには、本法に違反することになるので十分注意が必要です。
禁止行為は、次の2つに分かれます。

・それ自体が原則として禁止される行為(7項目)
受領拒否、代金の支払遅延、代金の減額、返品、買いたたき、購入・利用強制、報復措置。受注者が了承していても、発注者に違反の認識がなくても、原則として違反になります。

・受注者の利益を不当に害する場合に禁止される行為(4項目)
有償支給原材料などの早期決済、不当な経済上の利益の提供要請、不当な給付内容の変更・やり直し、協議に応じない一方的な代金決定など。行為があったことに加えて、それによって受注者の利益を不当に害したかどうかが問われます。

ここでは、それぞれの行為を具体例や公正取引委員会の勧告事例とあわせて解説します。

なお、取適法では、発注者を「委託事業者」、受注者を「中小受託事業者」、代金を「製造委託等代金」と呼びます。
本記事では分かりやすさを優先し、「発注者」「受注者」「代金」と表記します。また、紹介する勧告事例は取適法の施行前のものであるため、当時の呼称である「下請事業者」「下請代金」を用いています。

  1. (1)受領拒否

    受領拒否とは、受注者に責任がないにもかかわらず、発注した商品や成果物の受け取りを拒むことです。
    たとえば、次のようなケースが考えられます。

    • 発注者の販売計画が変更になったことを理由に受け取りを拒否する
    • 在庫が増えたため納品日になっても受け取らない
    • 品質に問題がないにもかかわらず、一方的な理由で受領を拒否する

    このような行為をされると、受注者は保管費用や再販売の負担を負うことになり、大きな損失につながります。

    【公正取引委員会の勧告事例】
    A社は、下請事業者に包装資材や原料の製造を委託していました。
    しかし、納品できる状態になっていたにもかかわらず、下請事業者に責任がないのに商品の一部を受け取らず、そのまま無償で保管させていました。
    受領していなかった商品の下請代金相当額は、11社に対して総額約2383万円に上ります。この行為が受領拒否に当たるとして、公正取引委員会から勧告を受けました。
  2. (2)代金の支払遅延

    発注者は、受注者から商品や成果物を受け取った日から60日以内のできるだけ短い期間で代金を支払わなければなりません

    「資金繰りが苦しい」「社内の支払い処理が間に合わない」といった事情があっても、支払いを遅らせる理由にはなりません。受注者が了承していた場合や、発注者に違反しているという認識がなかった場合でも、原則として違反になります。
    たとえば、次のようなケースが考えられます。

    • 毎月末締め・翌々月払いとして、受領から60日を超えて支払う
    • 検収手続きが終わらないことを理由に支払いを先延ばしにする
    • 発注者の都合で請求書の再提出を求め、その間支払いを行わない
    • 支払期日までに現金化できない手形などで支払う

    また、取適法では、代金を手形で支払うことも禁止されています。支払期日までに現金化できないなど、60日以内に支払うことが困難な支払い手段も同様です。

    代金は、受け取った日から60日以内に現金で支払うのが原則です。改正前の下請法では、「割引が困難な手形を交付すること」が独立した禁止行為とされていました。取適法ではこの類型がなくなり、手形による支払いは代金の支払遅延として扱われることになりました。

    受注者にとって代金の回収が遅れることは、資金繰りの悪化につながりかねない問題です。事業の継続にも影響しかねないため、取適法では規制されています。

  3. (3)代金の減額

    代金の減額とは、一度決めた取引代金を、受注者に責任がないにもかかわらず一方的に減らすことです。
    たとえば、次のようなケースが考えられます。

    • 「決算対策だから」と一定額を差し引いて支払う
    • 協賛金や販促費などの名目で代金を控除する
    • 値引きに応じなければ今後の発注を減らすと伝える
    • 発注後に一方的に単価を引き下げる

    発注者が「受注者も了承した」と考えていても、受注者に責任がない限り、原則として取適法違反となります。減額について合意していたかどうかは問われません

    【公正取引委員会の勧告事例】
    B社は、下請事業者との間で基本運賃表に基づいて運賃を支払うことを合意していたにもかかわらず、その運賃表を使用せず、自社が荷主から受け取る代金に一定の割合を乗じた金額を支払っていました。
    その結果、下請事業者16社に対し、本来支払うべき下請代金から総額約3778万円を差し引いていたとして、公正取引委員会から勧告を受けています。
  4. (4)返品

    返品とは、受注者に責任がないにもかかわらず、発注者が受け取った商品などを返すことです。
    たとえば、次のようなケースが考えられます。

    • 売れ残った商品を一方的に返品する
    • 発注者の在庫調整を理由に返品する
    • 品質に問題がないにもかかわらず、注文数が多すぎたとして返却する

    「売れ残ったら返品する」という取り決めを発注前にしていたとしても、受注者に責任がない限り、原則として返品は認められません

    このような行為があると受注者は、返品された商品の保管や再販売が必要になることがあります。商品によっては再販売が難しく、そのまま損失になるケースもあります。

    【公正取引委員会の勧告事例】
    C社は、下請事業者から商品を受け取った後、品質検査を実施していないにもかかわらず、「商品に不具合がある」として返品していました。
    その結果、4社の下請事業者に対し、総額約12万7000円相当の商品を返品していたとして、公正取引委員会から勧告を受けています。
  5. (5)買いたたき

    買いたたきとは、通常支払われる価格よりも著しく低い代金を一方的に決めることです。
    市場価格や原材料費が上昇しているにもかかわらず、発注者が従来どおりの価格を押し付けるケースも、状況によっては買いたたきに当たる可能性があります。
    たとえば、次のようなケースが考えられます。

    • 「他社もこの価格だから」と十分な協議をせず値下げする
    • 原材料費や人件費が上がっているのに価格を見直さない
    • 今後の発注をちらつかせ、大幅な値引きを求める

    価格交渉そのものは禁止されているわけではありません。しかし、受注者が自由に交渉できない状況で著しく低い代金を一方的に決めることは、取適法上問題となる可能性があります

    【公正取引委員会の勧告事例】
    D社は、量産終了後に発注数量が大幅に減り、1個あたりの製造コストが増加することが明らかであった部品の製造を下請事業者へ委託していました。
    しかし、製造コストの変化を踏まえて単価を見直すための協議を行わず、量産時と同じ単価を一方的に適用していたとして、公正取引委員会から勧告を受けています。
  6. (6)購入・利用強制

    購入・利用強制とは、正当な理由がある場合を除き、発注者が受注者に対し、自社の商品やサービスなどを購入・利用するよう不当に求めることです。
    たとえば、次のようなケースが考えられます。

    • イベントのチケットや商品を一定数購入するよう求める
    • 保険やシステムなど、自社が指定するサービスへの加入を求める
    • 「購入しなければ今後の取引を見直す」と圧力をかける

    受注者が取引を継続するために断れない状況であれば、購入・利用強制に当たる可能性があります

    もっとも、成果物の品質を均一に保つために特定の材料を指定する場合など、正当な理由があるときは違反になりません。

    【公正取引委員会の勧告事例】
    E社は、下請事業者に対し、おせち料理やディナーショーのチケットを購入するよう要請していました。
    これらは、ブライダルビデオの作成や司会進行など、下請事業者が委託されていた業務とは直接関係のない商品です。それにもかかわらず、発注担当者などが購入を求め、一度断った下請事業者に対して再度購入を要請していました。
    その結果、23社の下請事業者は、総額272万円分のおせち料理などを購入し、振込手数料も負担していました。この行為が購入・利用強制に当たるとして、公正取引委員会から勧告を受けています。
  7. (7)報復措置

    報復措置とは、受注者が公正取引委員会、中小企業庁又は事業所管省庁へ申告したことなどを理由に、不利益な取り扱いをすることです。
    たとえば、次のようなケースが考えられます。

    • 申告後に発注を打ち切る
    • 取引数量を大幅に減らす
    • 正当な理由なく取引先から外す
    • 契約を解除する

    取適法では、違反行為を申告した受注者が不利益を受けないよう、報復措置を禁止しています

    取適法では、中小受託事業者が、委託事業者による取適法違反の事実を公正取引委員会、中小企業庁長官又は事業所管大臣に知らせたことを理由として、取引数量を減らしたり、取引を停止したりするなどの不利益な取扱いをすることを禁止しています。

    そのため、下請けいじめにあったときは、公正取引委員会、中小企業庁又は事業所管省庁への申告も検討しましょう。

  8. (8)有償支給原材料などの早期決済

    有償支給原材料などの早期決済とは、発注者が受注者に有償で原材料などを支給した場合に、その代金を完成品の代金より先に回収することです。

    たとえば、発注者から材料を購入して製品を製造する契約で、完成品の代金が支払われる前に、材料代だけを差し引いたり、別途支払いを求めたりするケースがこれに当たります。

    このような取り扱いをされると、受注者は完成品の代金を受け取る前に材料代を負担しなければならず、資金繰りが悪化するおそれがあります。こうした事情によって受注者の利益を不当に害する場合に、取適法違反となります。

  9. (9)不当な経済上の利益の提供要請

    不当な経済上の利益の提供要請とは、発注者が受注者に対し、本来負担する必要のない費用や労務を提供させることです。
    たとえば、次のようなケースが考えられます。

    • 従業員を無償で応援要員として派遣させる
    • セールや展示会の運営を無償で手伝わせる
    • 協賛金や寄付金を事実上断れない形で求める

    発注者からの依頼であって、受注者に正当な対価が支払われず、受注者の利益を不当に害する場合には、取適法違反となります。

    【公正取引委員会の勧告事例】
    F社は、下請事業者に対して自動車の板金塗装や点検整備などを委託していました。
    その際、販売店舗と整備工場との間で行う自動車の引き取り・引き渡し(計1014台)の運送を下請事業者に行わせていたにもかかわらず、運送にかかった費用を支払っていませんでした。
    本来、発注者が負担すべき費用を受注者に負担させていたとして、公正取引委員会から勧告を受けています。
  10. (10)不当な給付内容の変更・やり直し

    発注後や納品後に、受注者に責任がないにもかかわらず、仕様変更ややり直しを求め、それによって受注者の利益を不当に害する場合も、取適法違反となります
    たとえば、次のようなケースが考えられます。

    • 納品後に仕様を変更し、追加作業を無償で求める
    • 発注者の都合で設計を変更し、作り直しを指示する
    • 一度了承した成果物について、理由なく修正を繰り返し求める

    仕様変更が必要になること自体は珍しくありません。しかし、その負担をすべて受注者に負わせることは、公正な取引とはいえません。

    【公正取引委員会の勧告事例】
    G社は、VTuber動画などで使用するイラストや2D・3Dモデルの作成を下請事業者へ委託していました。
    しかし、成果物を受け取った後、発注書などに記載されていない追加の修正や作業を、下請事業者23社に対して合計243回、無償で行わせていました。
    この行為が、不当な給付内容の変更・やり直しに当たるとして、公正取引委員会から勧告を受けています。
  11. (11)協議に応じない一方的な代金決定

    協議に応じない一方的な代金決定とは、原材料費や人件費などのコストが上がったために受注者から価格の協議を求められたにもかかわらず、発注者がその協議に応じなかったり、必要な説明や情報提供をしないまま代金を決めたりすることです。

    令和7年の法改正で新たに設けられた禁止行為で、対等な価格交渉の機会を確保することが目的とされています。
    たとえば、次のようなケースが考えられます。

    • 値上げの協議を求めたのに、回答を引き延ばされる
    • 応じられないほど詳細な見積もりの提出を求められ、出せないことを理由に協議を断られる
    • 理由の説明や根拠資料の提示がないまま、従来よりも低い単価を通知される
    • 協議の場を設けないまま、従来の単価を一方的に据え置く

    買いたたきは、通常支払われる価格と比べて著しく低い代金かどうかが問題です。これに対してこの禁止行為は、価格の水準そのものよりも、協議の過程が問われる点に特徴があります。

    価格を据え置く場合であっても、協議に応じないまま一方的に決めたことで受注者の利益を不当に害するときは取適法違反となる点にご留意ください。

3、下請けいじめを受けているときの対処法

取適法で禁止されている行為に当てはまる可能性があっても、「取引先との関係が悪くなるのでは」と不安になり、声を上げられない方も見受けられます。

しかし、不当な要求を受け続けると、損失が大きくなってしまうおそれがあります。被害を最小限に抑えるためにも、状況に応じて適切な方法で対応することが大切です。

  1. (1)下請けいじめを証明できる証拠の収集・保全

    取適法違反を主張するには、「どのような要求を受けたのか」を客観的に示せる証拠が欠かせません。
    たとえば、次のような資料が重要な証拠になります。

    • 契約書や発注書
    • 見積書・請求書・納品書
    • メールやチャットのやり取り
    • 支払明細や振込記録
    • 値下げや追加作業を求められた際のメモや録音

    口頭でのやり取りしか残っていない場合は、日時や担当者名、やり取りの内容をできるだけ早く記録しておきましょう。時間が経つほど記憶があいまいになり、後から事実を証明することが難しくなるためです。

  2. (2)現場での抗議・解決に向けた話し合い

    証拠がそろったら、まずは発注者と話し合うことで解決できないか検討しましょう。

    発注者が取適法の内容を十分に理解しておらず、違法な対応をしていることに気づいていないケースもあります。その場合は、法律の内容を踏まえて説明することで、改善につながることもあります。

    話し合いでは、感情的な言い方は避け、「契約内容と異なる」「取適法上問題になる可能性がある」といった客観的な視点で伝えることが大切です。

    また、話し合いの内容は議事録やメールなどで残しておくと、後の手続きでも役立ちます。

  3. (3)監督官庁への通報(公正取引委員会・中小企業庁・事業所管省庁)

    話し合いで解決できない場合は、行政の制度を利用することも選択肢のひとつです。

    取適法では、受注者が公正取引委員会や中小企業庁のほか、事業を所管する省庁へ違反の疑いを申告できる仕組みが設けられています。申告を受けた行政は必要な調査を行い、違反の事実があると認めたときは、勧告などの措置をとることとされています。

    「申告したら取引を打ち切られるのではないか」と不安に感じる方もいるでしょう。しかし、取適法では、申告したことを理由に発注を減らしたり、取引を打ち切ったりする報復措置も禁止されています。

    そのため、ご自身の会社だけで解決が難しい場合は、行政の制度を活用することも検討するとよいでしょう

  4. (4)損害賠償請求(調停・訴訟など)

    下請けいじめによって実際に損害が発生している場合は、発注者に対して損害賠償を請求できる可能性があります。
    たとえば、以下のような問題が生じることがあります。

    • 一方的な代金減額による損害
    • 無償で行った追加作業の費用
    • 不当な返品によって生じた損失

    もっとも、損害賠償請求では、契約内容や損害額などを法的に整理しなければなりません。行政に申告しても、行政が必ずしも発注者に損害の補填を指示してくれるわけではないため、金銭的な回復を求める場合は、交渉や訴訟などの手続きが別途必要です。

    適切な解決を目指すためにも、損害賠償を検討する段階では、取適法や企業間取引に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします

4、下請けいじめに関する3つの相談先

下請けいじめは、ご自身だけで対応しようとすると、取引関係の悪化や証拠不足などから、思うように解決できないことがあります。
状況に応じて相談先を選ぶことで、問題が早期に解決する可能性があります。ここでは、それぞれの相談先の特徴を見ていきましょう。

  1. (1)取引かけこみ寺(旧:下請かけこみ寺)

    取引かけこみ寺は、中小企業庁が設置する中小企業向けの相談窓口です。令和8年1月1日に、「下請かけこみ寺」から名称が変更されました。

    下請けいじめをはじめとする取引上のトラブルについて、専門の相談員へ無料で相談できます。必要に応じて弁護士との無料面談を受けられるほか、法律の解釈などについては匿名で相談することも可能です。

    相談内容に応じて、制度の説明や解決に向けたアドバイスを受けられるほか、必要に応じて裁判外紛争解決手続き(ADR)の利用について案内を受けられることもあります。

    「取引先の対応が違法なのか分からない」「まずは第三者の意見を聞きたい」という場合に利用しやすい相談先です。

  2. (2)公正取引委員会、中小企業庁、事業所管省庁

    取適法違反が疑われる場合は、公正取引委員会や中小企業庁、事業を所管する省庁へ申告することが可能です。

    申告を受けた監督官庁は、必要に応じて調査を実施し、違反が認められた場合には、発注者に対して勧告や公表などの措置を行います。勧告に従わない場合には、命令が行われることもあります。

    行政による対応は、発注者に改善を促す有効な手段です。一方で、個別の損害賠償請求や契約交渉を代理して行うものではありません。発注者に対して、生じた損害を補填するよう指示するものでもありません。

    「違反行為をやめてほしい」「行政に調査してもらいたい」という場合に適した相談先といえます。

  3. (3)弁護士

    「取引先との関係もできるだけ維持したい」「損害も回復したい」という場合は、弁護士への相談がおすすめです。

    弁護士であれば、取適法違反に当たるかどうかを法的な観点から判断したうえで、状況に応じた対応方法を提案できます。
    また、発注者との交渉や内容証明郵便の作成、損害賠償請求、調停・訴訟まで一貫して対応できる点も大きなメリットです。

    下請けいじめは、対応を誤ると取引の継続が難しくなることもあります。弁護士が間に入ることで、感情的な対立を避けながら、適切な解決を目指しやすくなるでしょう。監督官庁へ申告するかどうかを含め、取引への影響を見通したうえで進め方を検討できる点も、弁護士に相談するメリットといえます。

    弁護士を探す際は、企業法務や取適法に関する実績があるかを確認しておくとよいでしょう。法律事務所のホームページで取り扱い分野や解決事例を確認したり、初回相談を利用して相談しやすいかどうかを確かめたりすることができます。

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5、まとめ

下請けいじめは、「取引先との力関係があるから仕方がない」と諦める必要はありません。取適法では、受注者を守るために11項目の禁止行為が定められており、発注者が一方的に不利益を押し付けることは認められていません。

「これも下請けいじめに当たるのだろうか」「どのように対応すれば取引への影響を抑えられるだろうか」と判断に迷うときは、ご自身だけで抱え込まず、弁護士へ早めに相談することをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所では、発注者と受注者間に生じるトラブルのご相談を随時受け付けておりますので、まずはご相談ください。問題解決に向けて、知見・経験豊富な弁護士が尽力いたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
この記事の監修者
西村 友貴
西村 友貴  弁護士
ベリーベスト法律事務所
所属 : 愛知県弁護士会
弁護士会登録番号 : 50381
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