企業法務コラム
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
では早速ですが、前回に引き続き割増賃金関連について再確認するため、よくご相談頂く具体的事案について考えてみたいと思います。
A1.遅刻してきた労働者に、遅刻した時間分の残業をさせた場合でも、1日の労働時間が「法定労働時間」を超えていない場合は割増賃金を支払う必要はありません。
A2.年俸制で給与決定している場合でも、時間外、休日及び深夜に労働させた場合には、割増賃金を支払わなければなりません。
また賞与については、「支給額があらかじめ確定しているもの」は賞与とはみなされませんので、事前に賞与額が確定している年俸制の場合、年俸制で毎月支払い部分と賞与部分を合計して、当該賞与部分についても割増賃金の算定基礎に入れて計算しなければなりません。
A3.極論をいえば労働基準法第37条の建前として1分単位で集計する必要があります。
ただし給与計算業務簡便化という観点において、賃金締め切り時に日々の時間外労働時間合計に30分未満の端数がある場合にはこれを切り捨て、それ以上の端数がある場合にはこれを1時間に切り上げることは労働基準法第24条、同法37条違反とはなりません。
A4.労働基準法第32条は、労働時間の原則を週40時間、1日8時間と定め、これを超えて労働させた場合には、同法第37条の規定により、通常賃金の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払うよう定めています。
このように割増賃金は、労働時間に応じて計算されるべきですが、就業規則や労働協約において、一定額、または、時間数で一律の割増賃金を定め毎月定額に支給することも可能です。なお実際の時間外労働によって計算した額が、会社で決めた定額の時間外手当を上回る場合には、「その差額分の支払いが必要」となります。
また時間外手当と基本となる賃金が明確に区分されていることも必要です。
いかがでしたでしょうか?
ご不明点等ございましたら、顧問弁護士または社労士法人ベリーベストまでお気軽にご相談ください。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
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