非上場株式(未公開株式)の売却に当たっては、買い主候補の選定や企業価値の評価、会社による譲渡承認などさまざまな課題を乗り越えなければなりません。
トラブルなくスムーズに、かつ納得できる条件で非上場株式を売却するためには、弁護士に依頼してサポートを受けるのが安心です。
本記事では非上場株式の売却について、手続きの流れや注意点などをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
まずは、非上場株式を売却する際の手続きの流れを解説します。
非上場株式の売却に当たっては、まず買い主候補を選定します。買い主候補を探す方法としては、以下の例が挙げられます。
親族間の譲渡や事業承継を目的とする譲渡では、それらとは関係のない第三者への譲渡とは価格の決め方や税務上の留意点が異なる場合がありますので、慎重に検討する必要があります。
本記事では、個人が保有する非上場株式を第三者へ売却する場合の基本的な流れを解説します。
買い主候補を選定したら、売買の条件について交渉を行います。
非上場株式を第三者に売却する際には、企業価値を評価し、その結果を参考に売買価格を検討する方法が考えられます。親族間の譲渡や事業承継では、税務上の株式評価額を参考に売買価格を決めるケースもありますが、本記事では、企業価値を基に売買価格を検討する場合を前提として、主な評価方法を紹介します。
企業価値を評価する際には、代表的な方法として次のような方法が用いられます。
どの評価方法が適切かは、会社の業種や事業内容、財務状況などによって異なります。そのため、実際の売却では複数の評価方法を参考にしながら価格を検討することもあります。
売り主と買い主候補の間で売買の条件に合意できたら、その内容をまとめた株式譲渡契約を締結します。株式譲渡契約の締結時期と会社による譲渡承認の手続きを行う時期との関係は、次の3つの方法に分類できます。
どの方法を選択するかは、当事者の事情などによって異なります。株式譲渡契約の内容や手続きの進め方を誤ると、後にトラブルへ発展するおそれがあるため、契約内容や手続きについては事前に弁護士へ相談することをおすすめします。
非上場会社の株式は、定款で譲渡制限が設けられていることが多く、譲渡する際には会社の承認が必要となります。譲渡制限株式を譲渡する場合は、会社所定の手続きに従って譲渡承認請求を行い、会社の承認を得なくてはなりません。
会社による譲渡承認は、定款で定められた機関が行います。具体的には、株主総会や取締役会のほか、代表取締役による承認とされている場合もあります。
譲渡承認請求を行う際には、会社が譲渡を承認しない場合に会社または会社が指定する者による買い取りを請求する旨を、譲渡承認請求書に記載することができます。記載した場合には、会社が承認しなければ、会社または会社が指定する者(指定買取人)が対象株式を買い取ることになります。
この場合、売買価格は当事者間の協議によって決定され、協議がまとまらないときは、裁判所の手続きによって価格が決定されます。
株式譲渡契約で定めた内容に従い、対象株式の譲渡を実行します。売買代金の支払時期や株式の移転時期は、株式譲渡契約の内容に従います。
なお、非上場株式では、上場株式のように証券会社等を通じて自動的に名義が更新される仕組みがありません。そのため、買い主が会社に対して正式な株主として扱われるためには、株主名簿上の名義を書き換える必要があります。そこで、譲渡の実行後、買い主は売り主と共同して、会社所定の手続きに従って、会社に対して名義書換を請求します。
非上場株式を売却する際には、以下のようなトラブルが発生するケースがあります。慎重に対応しなければ損をしてしまうことがあるので、弁護士などのサポートを受けてください。
非上場株式は、上場株式のように市場で自由に売買できないため、買い手を見つけること自体が容易ではありません。また、譲渡制限株式である場合は会社の承認も必要となるため、こうした点も買い手探しが難しくなる要因のひとつです。
買い手探しが難航する場合は、非上場株式の譲渡に詳しい弁護士へ相談し、アドバイスを受けることをおすすめします。
非上場株式には市場価格が存在しないため、売買価格は売り主と買い主の交渉次第となります。
買い主側の提示額をうのみにすると、その金額が不当に低すぎた場合には、売り主が大きく損をしてしまいます。売り主側でも専門家に依頼して算定した企業価値の評価結果なども参考にし、適正額での合意を目指しましょう。
非上場株式のほとんどは譲渡制限株式であり、会社の承認を得なければ譲渡できないため、譲渡承認請求をしても承認されないケースがあります。
会社が譲渡を承認しなかった場合は、あらかじめ譲渡承認請求書に買い取り請求を記載しておくことで、会社または会社が指定する者(指定買取人)が対象株式を買い取ることになります。その際は、売買価格について当事者間で協議を行い、協議がまとまらない場合は裁判所に価格決定の申し立てを行うことが可能です。
会社から譲渡を承認しない旨の決定をしたことの通知を受けた後、さらに会社または指定買取人から株式を買い取る旨の通知を受けます。裁判所への価格決定の申し立ては、その通知を受けた日から20日以内に行う必要があります。期限内に申し立てを行わないときは、1株当たり純資産額(ここでいう純資産額は、帳簿上の純資産額です。)に基づき算定された金額が売買価格となります。不当に低い価格での買い取りを避けるためにも、会社から譲渡を承認しない旨の決定をしたことの通知を受けた場合は、できるだけ早く弁護士へ相談することをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所は、お客さまが保有している非上場株式の売却をサポートいたします。
ベリーベスト法律事務所には、株式譲渡の取引交渉やトラブル相談を取り扱った経験を有する弁護士が在籍しております。弁護士が蓄積した知見を生かしてサポートを行い、適正な価格での売却が実現できるように支援いたします。裁判手続きが必要となる場面となっても、弁護士が対応できますので安心です。
また、公認会計士や税理士等の隣接士業との連携も充実しており、企業価値や株価の評価や課税の検討についてもサポート体制が整っております。
ベリーベスト法律事務所は全国各地にオフィスを設けているため、お住まいや事業場等の近くのオフィスを便利にご利用いただけます。
非上場株式の売却を検討しておられる方は、ぜひ一度ベリーベスト法律事務所へご相談ください。
ベリーベスト法律事務所では、非上場株式の売買に関して、解決実績を有しています。
以前勤めていた非上場会社の株式を約6%保有していたご相談者さまは、家族の将来の相続税負担を考え、会社への売却を希望していました。しかし、公認会計士による株価評価では6000万円超と算定された一方、会社は相続税評価を基に4000~5000万円程度を提示し、交渉は決裂してしまいます。
当事務所では、譲渡承認請求の制度の活用を提案し、会社に株式の買い取り義務を生じさせたうえで、株価決定の裁判手続きへ移行しました。裁判では裁判所選任の公認会計士による鑑定が行われ、鑑定結果は6000万円を上回る評価となり、その内容を基に和解が成立しました。
交渉がまとまらない場合でも、会社法上の手続きを適切に活用することで、適正な価格での売却につながった事例です。
100年以上の歴史を持つ繊維工業会社の株式を3分の1以上保有していたご相談者さまは、会社から1株100円での買い取りを提示されていましたが、価格に納得できず、当事務所へご相談いただきました。それまでの交渉では双方とも価格の根拠を示しておらず、話し合いは平行線をたどっていました。
当事務所では、会社の貸借対照表を基に純資産額を分析し、1株当たりの価値は500円を超えることを根拠として会社へ通知。会社も弁護士を選任し、法的・財務的な根拠に基づく交渉へ移行した結果、会社側の提示額は当初の3倍を超える水準まで引き上げられました。
非上場株式の価格交渉では、感覚ではなく、財務資料や法的根拠に基づいて交渉を進めることの重要性がわかる事例です。
非上場株式を売却する際には、上場株式とは異なる複雑な手続きが必要です。
十分な知識がない状態で対応すると、損をしたりトラブルに巻き込まれたりするおそれがあります。これらのリスクを最小限に抑えるためには、弁護士のサポートを受けることをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所は、非上場株式の売却に関するご相談を随時受け付けておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。
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