令和8年10月から、「求職者等に対するセクハラ防止対策」が義務付けられ、業種や規模を問わず、事業主は方針の明確化・周知、相談体制の整備、発生時の迅速かつ適切な対応などを講じる必要があります。
本記事では、令和8年10月から事業主に義務付けられる求職者等に対するセクハラ防止対策の詳細や対策について、ベリーベスト法律事務所 企業法務専門チームの弁護士が解説します。
令和8年10月1日から、改正男女雇用機会均等法が施行されます。同改正により、企業には求職者などに対するセクハラを防止するため、雇用管理上必要な措置を講ずることが義務付けられます。
「求職者等」とは、次に掲げる者を指します。就活生やインターン生、教育実習生や看護実習生などが求職者などに該当します。
企業は、求職者などに対する自社の労働者の性的な言動(セクハラ)により、その求職者などの求職活動などが阻害されないように、雇用管理上必要な措置を講じなければなりません(改正男女雇用機会均等法第13条第1項)。
そのため、次の項目で挙げる措置を適切に講じてください。
問題社員のトラブルから、
厚生労働省は、求職者などに対するセクハラの防止に関する指針を公表しています。
参考:「事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(厚生労働省)
同指針では、事業主が講ずべき措置の考え方や内容が示されています。その概要は次のとおりです。
事業主は、求職活動などにおけるセクハラに関する方針を明確化し、労働者および求職者などに対して周知・啓発しなければなりません。
具体的には、次の取り組みを行うことが求められます。
事業主は、求職者などからのセクハラに関する相談に対し、その内容や状況に応じて適切・柔軟に対応できるような体制を整備しなければなりません。
具体的には、次の取り組みを行うことが求められます。
求職者などは、採用選考における不利益などを恐れて、人事担当者への相談をためらうことも想定されます。そのため、実務上の工夫として、人事担当者以外の者を相談窓口に指定することも考えられます。
実務上は、現段階ではセクハラに当たるかどうか判断が難しい段階でも相談しやすい体制を整えておくことが大切です。相談しやすい体制を整えることは、問題の早期把握にもつながります。
事業主は、求職活動などにおけるセクハラの相談を受けたときは、事実関係を迅速かつ正確に確認したうえで、適正に対処しなければなりません。
具体的には、次の取り組みを行うことが求められます。
なお再発防止措置については、セクハラの事実が確認できなかった場合でも、同様の措置を講ずることが求められます。
折に触れて労働者の理解を深めることが、求職活動などにおけるセクハラを防止するために効果を発揮します。
事業主が上記の各措置を講ずる際には、併せて次の措置を講じなければなりません。
求職活動などにおけるセクハラの事実関係を解明するためには、求職者などに積極的な相談を促すともに、自社の労働者にも必要に応じて協力を求めることが重要です。
プライバシー保護については、労働者と求職者などに周知し、労働者については、事業主の措置への協力などを理由として不利益な取り扱いをしない旨を周知・啓発することが重要です。
なお上記のほか、求職者が所属する教育機関の相談窓口などから情報提供があった場合には、連携して適切な対応を行うことが望ましいとされています。
また、自社の労働者によるセクハラだけでなく、顧客や取引先の相手方などからセクハラを受けたとの相談を求職者などから受けた場合にも、必要に応じて適切な対応を行うよう努めることが望ましいとされています。
企業が求職者などに対するセクハラを防止するための措置を怠った場合は、男女雇用機会均等法に基づく行政上の措置が問題となる可能性があります。また、個別の事案では、企業の民事責任が問題となる可能性もあります。
令和8年10月以降、求職者などに対するセクハラを防止するための措置を怠ることは、同法に基づく厚生労働大臣(または都道府県労働局長)の報告徴求・助言・指導・勧告の対象となります(改正男女雇用機会均等法第35条)。
特に勧告を受けた場合において、その勧告に従わなかったときは、事業者名と違反の内容を公表されることがあります(同法第36条)。公表処分が行われると、対外的に悪いイメージが広まり、業績や採用活動に悪影響が及ぶおそれがあるので要注意です。
自社の労働者が求職者などに対してセクハラを行ったときは、個別の事案では、行為者と会社との関係、行為の態様、会社の認識や事後対応などに応じて、企業の民事責任が問題となる可能性があります。
この場合、実際に求職者などへ支払う賠償金に加えて、損害賠償請求への対応に要するコストも、企業にとっては大きな負担となります。そのため、セクハラ防止措置を適切に講じることが重要です。
実効性のあるハラスメント防止対策を行うためには、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士は、就業規則などの社内規程を形式的に整えるだけでなく、業種や組織体制などを踏まえた効果的なハラスメント防止対策や、運用ルールをご提案いたします。
どのような行為がハラスメントに当たり得るのか、判断が微妙なケースについても対応方針を明確化し、トラブルの未然防止をサポートいたします。
さらに、弁護士と顧問契約を締結すれば、ハラスメントに関する疑問や問題点などをいつでも顧問弁護士へ相談できるようになります。ハラスメントの相談を受けた際の初動対応や調査、被害者・加害者への対応についてスムーズにサポートを受けられるので安心です。
また、問題社員への対応や契約書のチェック、取引先とのトラブルへの対応など、企業法務全般について幅広くご相談いただけます。
企業としてハラスメント防止対策を検討する際には、弁護士にご相談ください。
問題社員のトラブルから、
令和8年10月1日から施行される男女雇用機会均等法により、「求職者等に対するセクハラ防止対策」が義務付けられます。採用活動を行う企業は、改正法の内容を踏まえつつ対策を適切に講じましょう。
求職者などに対するセクハラ防止対策の内容や運用方法を検討する際には、顧問弁護士との契約をおすすめいたします。各種ハラスメントの効果的な防止対策に加えて、企業法務に関する幅広い事項についていつでもご相談いただけます。
ベリーベスト法律事務所は、ニーズに応じてご利用いただける顧問弁護士サービスをご用意しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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