更新日:2026年09月30日 公開日:2026年09月30日
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契約の更新とは? 検討すべき事項や弁護士のサポート内容を解説

契約の更新とは? 検討すべき事項や弁護士のサポート内容を解説

契約の更新は、単に契約期間を延ばすだけの手続きではありません。取引を今後も続けるべきか、自社に不利な条件がないか、現在の取引実態に契約内容が合っているかなどを確認できる大切な機会です。

一度締結した契約を何年もそのまま更新していると、法改正や事業環境の変化によって、契約内容が実情に合わなくなることがあります。思わぬトラブルや不利益を避けるためにも、契約更新のタイミングで内容を見直してみるとよいでしょう。

今回は、契約更新の基本的な考え方や更新方法、更新時に確認したいポイント、雇用契約を更新する際の注意点をベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、契約の更新とは

契約期間が定められている契約は、期間が満了すると原則として終了します。そのため、取引を続ける場合は、契約条項を確認し、更新や終了に必要な対応を行うことになります。

ここでは、契約更新の基本的な考え方と更新時に確認しておきたいポイントを解説します。

  1. (1)契約期間の満了後も契約関係を継続すること

    契約の更新とは、契約期間が満了した後も、当事者同士の契約関係を継続することをいいます。

    たとえば、業務委託契約や売買基本契約、秘密保持契約(NDA)などでは、「契約期間を1年間とする」といったように、契約期間が定められているケースが少なくありません。

    また、賃貸借契約や有期雇用契約などでも、契約期間が定められていることが通常です。

    このような契約は、更新をしなければ原則として期間満了により終了します。一方で、契約書に「更新する」「自動更新する」といった定めがある場合には、原則として、その定めに従って契約を更新するか、終了するかを判断します。

    契約終了後の権利義務の取り扱いは、契約条項や義務の性質によって異なるため、契約書の内容を確認する必要があります。そのため、今後も取引を続けるのであれば、更新条項を確認し、必要に応じて契約更新の手続きが必要です。

  2. (2)更新の要否や契約内容を確認する

    契約期間の満了時期が近づいたら、「更新するかどうか」を判断するだけでなく、契約内容を見直す必要がないかも確認しましょう。

    たとえば、契約を締結した当時と比べて、取引内容や報酬、支払い条件などが変わっているケースもあるでしょう。現在の取引実態に合わない契約をそのまま更新すると、将来トラブルになった際に、自社に不利な結果を招きかねません。

    また、自動更新条項がある契約では、更新しない場合の通知期限が定められていることも少なくありません。期限を過ぎると、契約条項上は自動更新されるケースもあります。

    このように、契約更新は形式的な手続きではなく、契約を継続するかどうかや契約条件が適切かを見直す重要な機会です。

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2、契約更新の手続きのパターン

契約更新の方法は、大きく分けると「当事者の合意による更新」と「自動更新」、「法定更新」の3つがあります。

どの方法で更新されるかは、契約内容によって異なります。また、契約条件を変更できるタイミングや必要となる手続きも変わるため、自社の契約がどちらに当たるのかを確認しておきましょう。

  1. (1)当事者の合意による更新

    当事者の合意による更新とは、契約期間が満了する前後に、契約を継続することについて双方が改めて合意する方法です。

    この場合は、更新契約書や覚書(契約内容の変更や補足事項を書面にまとめたもの)を作成し、契約期間を延長したり、契約条件を変更したりするのが一般的です。

    たとえば、契約期間だけを延長することもあれば、報酬額や支払い条件、業務内容などを見直したうえで更新するケースもあります。

    契約内容を変更する場合は、契約書に書面による変更を求める条項があるときは、その定めに従う必要があります。また、合意内容を後から確認できるよう、変更内容を書面に残しておくことが重要です。後から「そのような合意はしていない」といったトラブルを防ぎやすくなるからです。

  2. (2)自動更新

    自動更新とは、契約書で定められた更新拒絶の通知などがない限り、契約期間の満了後も契約が継続する仕組みです。

    たとえば、「契約期間満了日の1カ月前までにいずれの当事者からも書面による申し出がない場合は、同一条件で1年間更新する」といった条項が設けられていることがあります。

    継続的な取引では、毎回契約書を取り交わす手間を省けるため、自動更新条項が採用されることは珍しくありません。

    一方で、更新を望まない場合には注意が必要です。契約書で定められた期限までに解約や更新しない旨の通知をしなければ、契約条項上は自動更新されることがあります。

    もっとも、継続的契約では、契約の性質や継続状況、当事者間の関係などの具体的事情によって、更新拒絶の可否が契約文言どおりに判断されない場合もあります。

    そのため、自動更新の契約では、契約期間だけでなく、更新しない場合の通知期限についてもあわせて確認しておきましょう。

  3. (3)法定更新

    法定更新とは、法律の定めによって自動的に契約期間が更新される仕組みです。

    たとえば、不動産の賃貸借契約では通常契約期間を定めますが、土地の賃貸借契約では借地借家法5条により、建物の賃貸借契約では借地借家法26条により、法律の定めにより契約が更新されます。

    更新を望まない場合には法律の定めに従って通知を出すなどの対応をしなければなりませんので注意が必要です。

    そのため、該当する契約が法律の定めによって更新されることにならないか、確認しておきましょう。

3、企業・法人が契約更新時に検討すべき事項

契約更新は、現在の契約をそのまま続けるかどうかを判断する大切なタイミングです。
一度締結した契約を何年も更新し続けていると、実際の取引内容と契約書の内容が合わなくなっていることもあります。更新の手続きを行う前に、次のような点を確認しておきましょう。

  1. (1)取引継続の必要性の有無

    まずは、その取引を今後も継続する必要があるのかを検討しましょう。
    たとえば、取引量が減っている、別の取引先へ切り替える予定がある、相手方との間でトラブルが繰り返されているといった事情があれば、契約を更新しないという選択肢も考えられます。

    また、相手方の経営状況や信用状況に大きな変化がないかを確認することも重要です。経営が悪化している企業・法人と取引を続けると、代金回収が難しくなるなど、新たなリスクを抱える可能性があります。

    契約更新は「これまで続いてきたから」という理由だけで判断するのではなく、現在の事業にとって本当に必要な契約かという視点で見直すことが大切です。

  2. (2)契約条件の見直しの要否

    取引を継続する場合でも、契約内容をそのまま更新してよいとは限りません。
    たとえば、契約締結後に業務範囲が広がっているにもかかわらず、報酬額が変わっていないケースがあります。また、支払期限や契約期間、秘密保持の内容、契約解除の条件などが、現在の取引実態に合わなくなっていることもあるでしょう。

    さらに、契約締結後に法改正が行われ、新しいルールへの対応が必要になる場合もあります。
    更新のタイミングで契約内容を整理しておけば、将来トラブルが生じた場合でも、実際の取引内容に沿った契約書に基づいて対応しやすくなります。

  3. (3)(自動更新、法定更新の場合)更新拒絶通知の期限の確認

    自動更新、法定更新の契約では、「いつまでに通知すれば更新を止められるのか」を必ず確認しておきましょう。

    契約書や法律には、「契約期間満了日の30日前まで」「2カ月前まで」など、解約や更新拒絶の通知期限が定められていることがあります。

    この期限を過ぎると、契約を終了したいと考えていても、契約条項上は自動更新される場合があります。
    また、契約条件の変更を希望する場合も、更新直前では十分な協議ができない可能性があります。余裕を持って契約書を確認し、必要に応じて相手方へ相談することが円滑な契約更新につながります。

4、雇用契約の場合は期間に注意

従業員を有期雇用契約(契約社員やパート・アルバイトなど、契約期間が決まっている雇用契約)で雇っている場合は、一般的な取引契約とは異なるルールが適用されます。
契約期間が満了するたびに更新するかどうかを自由に決められるわけではなく、労働関係の法律に配慮した対応が必要です。

  1. (1)無期転換ルールを確認する

    同一の使用者との間で締結された有期労働契約の通算契約期間が5年を超える場合、従業員が契約期間満了までに無期労働契約の締結を申し込むことができ、使用者はその申し込みを承諾したものとみなされます。これを「無期転換ルール」といいます。

    そのため、有期契約を更新する際には、同一の使用者との通算契約期間を確認しておくことが重要です。

    もっとも、通算契約期間が5年を超えたからといって、自動的に無期労働契約へ切り替わるわけではありません。従業員から無期転換の申し込みがあった場合に、無期雇用契約へ転換する仕組みです。

  2. (2)更新の有無や判断基準を適切に運用する

    有期労働契約では、更新する場合があるときは、更新の有無や更新判断の基準を明示する必要があります。

    また、更新回数または通算契約期間に上限を設ける場合には、その上限も明示する必要があります。更新上限を新設または短縮する場合には、その理由をあらかじめ説明する必要があります。

    明示した内容と実際の更新手続きや説明、運用に食い違いが生じないようにすることも重要です。

    なお、更新上限を定めている場合でも、それだけで雇い止めが当然に有効となるわけではありません。雇い止めの有効性は、更新手続きの実態や説明、従業員に更新を期待させる言動なども踏まえ、別途判断されます。

  3. (3)雇い止めには慎重な対応が必要

    有期雇用契約を更新せずに終了させることを「雇い止め(やといどめ)」といいます。

    しかし、有期契約だからといって、会社が自由に雇い止めできるわけではありません。

    反復更新によって雇い止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できる場合や、従業員が契約更新を期待することに合理的な理由がある場合には、雇い止めが制限されることがあります。

    このような場合に従業員が契約更新を申し込んでいるにもかかわらず、会社の更新拒絶に客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められないときは、従前と同一の労働条件で契約が更新されたものと扱われます。

    また、一定の場合には、雇い止めをする際に契約期間満了日の30日前までに予告することが求められます。

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5、契約更新のサポートは弁護士に相談を

「長年同じ契約書を使っている」「契約条件を変更したい」「更新に合わせて契約書を整理したい」といった場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
ここでは更新時に弁護士ができる主なサポートを紹介します。

  1. (1)契約書や更新契約書のチェック・作成

    弁護士は、現在の契約書に法的な問題がないかを確認し、契約内容が実際の取引に合っているかをチェックします。

    また、契約条件を変更して更新する場合には、更新契約書や覚書の作成もサポートします。

    契約書の内容が曖昧なまま更新すると、トラブルになった際に自社に不利な解釈をされるおそれがあります。更新のタイミングで契約書を見直しておけば、そのようなリスクを減らすことができるでしょう。

  2. (2)契約条件の見直しに関するアドバイス

    契約更新では、「どの条項を変更すべきか」が分からず悩む企業・法人も少なくありません。

    弁護士は、取引内容や業界の実情を踏まえながら、報酬や支払い条件、契約解除条項、損害賠償条項などについて見直しが必要かどうかをアドバイスします。

    法改正への対応や、近年増えている契約上のトラブルも踏まえて検討できるため、将来の紛争を予防しやすくなります。

  3. (3)契約更新に伴う交渉やトラブルにも対応

    契約条件の変更について相手方と意見が一致しないこともあります。

    そのような場合でも、弁護士が交渉をサポートすることで、法的な根拠に基づいて条件を整理し、円滑な合意を目指すことができます。

    また、契約更新をめぐって紛争に発展した場合にも、交渉や訴訟など、それぞれの状況に応じた対応が可能です。

    契約更新は、企業・法人にとって契約上のリスクを見直す貴重な機会です。安心して取引を継続するためにも、更新前に一度弁護士へ相談し、契約内容を確認しておくとよいでしょう。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
この記事の監修者
米澤 弘文
米澤 弘文  パートナー弁護士
ベリーベスト法律事務所
所属 : 東京弁護士会
弁護士会登録番号 : 53503
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