従業員との労働に関する紛争は、初動対応を誤ると、途端に問題が紛糾して拡大してしまい、他の従業員だけではなく、社会的な信用にまでマイナスの影響が生じてしまうおそれがあります。
また、一度、労働紛争が生じてしまうと、企業は、従業員との紛争を抱えながら、通常の業務を行わなければならないため、その負担はとても大きいものになってしまいます。
労働問題に知見が深い弁護士に相談し、従業員との交渉段階から労働審判や裁判に発展した場合の見通しを意識して、適切な対応をとることが大切です。
また、労働審判は、裁判よりも迅速にトラブルが解決されることが多い手続きですが、裁判所からの呼出状の送付後1か月程度で主張をまとめる必要があります。
そのため、早急に弁護士に相談し、効率よく準備をすすめる必要があります。
審理期日指定後、裁判所より呼出状が送付され、会社側で準備開始
会社側が裁判所に、答弁書と証拠書類を提出
労働審判委員会が双方の主張を聞き、争点の整理や関係者への証拠調べを行う
労働審判委員会から調停による解決が試みられる
異議がある場合、審判は効力を失い、訴訟へ移行
裁判所に、申立書および証拠書類が提出されます。申し立てがされると、裁判所は申し立てが不適法であると認めるときは、決定で申し立てを却下しなければなりません(労働審判法6条)。また、裁判所は労働審判官(裁判官1名)、労働審判員(2名)を指定し労働審判委員会を組織します。
労働審判は、申し立てから終了までの期間は、平均すると約70日前後になります。通常の裁判が平均すると解決までに約1年程度かかっていることからすると、迅速な手続きといえます。
第1回期日は、原則として申し立てから40日以内に指定されます。
呼出状と一緒に申立書や証拠書類も会社側に送付されるので、記載されている申立人の主張の内容や不明点を早急に確認し、弁護士と打ち合わせを行い、答弁書の準備を開始します。
第1回期日の1週間程度前までに答弁書・証拠書類を送付します。審判においては、追加書面の提出が原則として認められないので、この時点でできる限りの主張と証拠を提出することが必要となります。
労働審判においては、裁判所から呼出状が送付されてから1か月程度で相手方の主張をまとめる必要があるため、早急に弁護士らと打ち合わせを行い、労働者側の主張とそれに対する会社側の反論、会社側の主張を裏付ける資料の収集を効率よく行う必要があります。
労働審判手続きにおいては、特別の事情がある場合を除き、3回以内の期日において、審理を終結しなければなりません(労働審判法15条2項)。
申立書、答弁書、証拠書類の内容をもとに、争点と証拠の整理が行われます。
必要に応じて当事者や関係者が質問を受けることもあります。
労働審判委員会より、調停による解決が試みられ、調停案(解決策)が提示される場合もあります。調停が成立すれば、労働審判手続きは終了となります。調停が成立しなければ、第2回期日が行われます。
第1回期日での検討課題を第2回期日において検討します。第2回期日は通常1か月程度後に設定されます。
調停が成立すれば、労働審判手続きは終了となり、成立しなければ第3回期日を行うこととなります。
調停が成立すれば労働審判手続きは終了となりますが、調停による解決に至らなかった場合には労働審判委員会より「審判」が下されることとなります。
調停による解決に至らない場合には、労働審判委員会は、労働審判を行います。労働審判では、当事者の権利関係を確認して、個別労働関係民事紛争の解決をするために相当な事項を定めることができます。審理の過程にあらわれた当事者の事情や希望を考慮することができると考えられています。
当事者は、審判に不服がある場合は、2週間以内に書面で異議の申し立てをしなければなりません(労働審判法21条1項、労働審判規則31条1項)。
労働者側あるいは会社側から適法な異議の申し立てがあった場合、審判はその効力を失い、労働審判手続きの申し立てにかかる請求は、当該労働審判手続きの申し立てがあったときに、裁判所に訴えの提起があったものとみなされます(労働審判法21条3項、22条1項)。
訴えの提起があったものとみなされた場合、労働審判手続きの申立書等は訴状とみなされます(労働審判法22条3項、労働審判規則32条)。その他の記録は訴訟に引き継がれないため、当事者は改めて訴訟において主張書面や証拠書類を提出する必要があります。
また、異議申し立てがない場合、その審判は裁判上の和解と同一の効力を持ちます(労働審判法21条4項)。
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