秘密保持義務とは、労働者が職務中に知り得た秘密を他に漏洩してはならない義務のことをいいます。また、競業避止義務とは、競合企業への就職など企業が行っている事業と競業する行為をしてはならない義務のことをいいます。
このような秘密保持義務や競業避止義務は、企業の利益を守るために重要なものとなりますので、在籍中・退職後の労働者に対して、適切に義務を課すことが大切です。
労働者に対して、秘密保持義務や競業避止義務を課す場合には、公序良俗違反にならないようにするためにも、適切な範囲で制限することが大切です。
秘密保持義務であれば、秘密情報の性質・範囲、秘密情報の価値、労働者の地位などを踏まえて合理性があるかどうかで判断されます。
また、競業避止義務であれば、企業の利益、労働者の地位、地域的な限定の有無、存続期間、代償措置の有無などを踏まえて合理性が判断されます。
過度な制限になれば無効と判断されるリスクもありますので、まずは弁護士に相談するのがおすすめです。
企業としては、自社の利益を守るため秘密保持義務や競業避止義務を無制限に課したいと考えるかもしれません。しかし、無制限にこれらの義務を課してしまうと、公序良俗違反と判断されることもありますので、適切な範囲に限定する必要があります。
どの程度の期間が適切であるかは、秘密保持義務や競業避止義務の内容などにより異なりますので、まずは弁護士に相談するようにしましょう。
在職中の従業員には、「使用者の利益に著しく反する競業行為を控える義務」があります。これは、労働契約法第3条第4項で、以下ように定められているためです。
労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない
そのため、もし就業規則に規定がなかったとしても、原則として従業員は秘密保持義務・競業避止義務の責任を負います。
しかし、就業規則としてきちんと定めておくほうが、従業員に周知しやすくなりますし、もしも秘密保持義務・競業避止義務違反があった場合に就業規則に基づいて、適切な対処もしやすくなりますので、定めておくことをお勧めします。
退職後の元従業員の競業行為については、自由が原則です。
これは、日本国憲法第22条第1項に定められている「職業選択の自由」に基づきます。
そのため、退職後にも秘密保持義務・競業避止義務を課すには、
など、従業員との同意・合意が必要です。
秘密保持契約書や競業避止の誓約書などは、インターネット上にさまざまなひな型が存在しています。それらのひな型を使う際には、そのまま流用するのではなく、あくまでも参考として利用し、企業や対象労働者に合わせて個別具体的に作成することが大切です。
特に、退職後の労働者に対しては、過度に制限をする誓約書や就業規則を作成すると、無効と判断されたり、「職業選択の自由」に反するとして逆にトラブルになる可能性もあります。
在職中の従業員・退職後、いずれの場合もどのような就業規則・誓約書を作るべきかは、弁護士のアドバイスが有効となりますので、まずは弁護士に相談することをおすすすめします。
労働者との交渉から労働審判、団体交渉、労働災害対策まで、あらゆる労働問題を労働問題専門チームの弁護士が徹底サポートいたします。トラブルを防ぐための予防法務・社内体制の整備から、従業員との紛争問題まで、幅広く対応可能です。
顧問企業数1,900社以上※の豊富な企業法務実績から蓄積した知識やノウハウを共有し、案件へ対応します。
所属する約350名※の弁護士、アメリカ弁護士、中国律師(弁護士)、行政書士、税理士、社会保険労務士、弁理士、司法書士、一級建築士などの、各専門家が連携して一括サービスを提供いたします。お客様の抱える問題に応じて最適なチームを編成し、英知を結集して最適な解決に導きます。
米国弁護士、中国律士(弁護士)が在籍しておりますので国際法務や外資系企業の対応についてもお任せください。また、翻訳スタッフも所属していますので、英語・中国語の書類翻訳のご依頼にも対応可能です。
まずは、お気軽にお問い合わせください。チャット、メールでのお問い合わせも受け付けております。事務員がお話をお伺いし、弁護士相談にあたり詳しいご案内をいたします。
弁護士が、詳細についてお伺いいたします。ご相談方法については、ベリーベストのオフィスでのご相談(ご来所)・オンライン相談(ZOOM)・電話相談などがございます。
貴社に合う料金体系・弁護士の選定をご提案いたします。期間や内容などによって異なりますので、ご要望をお伝えください。
私どものご提案内容にご納得いただけたら、お申し込みください。
実際の業務を進行させていただきます。
ご依頼者様とご相談しながら、問題解決に向けて、具体的な対応を行います。最後まで弁護士がサポートいたしますので、ご安心ください。
対応完了後、弁護士報酬をお支払いいただき、完了となります。またお困りの際には、いつでもお気軽にお問い合わせください。
対応完了後も、顧問弁護士が継続してサポート・アフターフォローをいたします。何か問題が発生した場合には、お気軽に担当弁護士にご相談ください。
お問い合わせ・資料請求