よくある質問

内定通知書を出したが、経歴に嘘があったことや経営状態の悪化を理由に、内定取り消しをしてもよいでしょうか。

Q

採用面接に来られた方に対して内定通知書を交付したのですが、その後、その方の経歴に嘘があることが分かりました。 また、内定通知後、経営状態が悪化したという事情もあり、内定を取り消したいのですが、内定を取り消してしまってもよいでしょうか。

A

内定を取り消すにあたっては、解雇と同様の慎重な対応で臨む必要があります。経歴詐称については、それが重要な経歴に関するものであり、それにより従業員としての不適格性あるいは不信義性が判明したといえるものであれば、内定取消事由として認められやすいとは言えます。

【詳しい解説】
採用内定は、始期付解約権留保付き労働契約と解されています。
そして、採用内定の取り消しは、この留保された解約権の行使です。

内定取り消しが適法であるかは、解約権の行使が適法であるかにより判断されますが、留保解約権の行使が適法と認められるのは、「解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるもの」に限られます(大日本印刷事件:最二小判昭和54年7月20日民集33巻5号582頁、電電公社近畿電通局事件:最二小判昭和55年5月30日労判342号16頁)。
これは、解雇の有効性を判断する解雇権濫用法理と同様の判断です。

採用内定通知書や誓約書等に内定取消事由として列挙されている事由に当たるとしても、それを理由とした解約権の行使が直ちに適法になるのではないことに注意しましょう。
選考の段階から明らかな事由や、選考過程で調査ができる事由で内定を取り消すことは適法とは認められません。


■経歴詐称による内定取り消し
経歴詐称については、それが重要な経歴に関するものであり、それにより従業員としての不適格性あるいは不信義性が判明したといえるものであれば、内定取消事由として認められやすいでしょう。
内定通知後の経営悪化を理由とした解雇権行使の適法性については、整理解雇に準じて判断されます。

すなわち、「整理解雇の4要素」と言われる
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①人員削減の必要性
②解雇回避努力義務
③解雇対象者選定(人選)の合理性
④説明・協議等の解雇手続きの妥当性
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の4つの要素から判断されます。

■経営悪化が理由による内定取り消し
経営悪化の程度によりますが、既存の労働者については希望退職を募ることもなく、内定者のみ一方的に内定取消しを行った場合には、解雇権の濫用であり無効であると判断される可能性が高いと言えます。

この点については、個別具体的な事情を考慮して判断する必要があり、また違法無効と判断された場合のコストが高い問題ですので、より確実な見通しを立てて対策するために、弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

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